和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

革心26/小説「新・人間革命」

2015年05月29日 05時58分50秒 | 今日の俳句
【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 5月29日(金)より転載】

【革心26】


 蘇歩青学長は、まもなく七十六歳を迎えると、山本伸一は聞いていた。しかし、背筋をまっすぐに伸ばした、矍鑠とした姿は、とても、その年齢には見えなかった。

 図書贈呈式は物理館の会議室で行われた。

 復旦大学からは、学長のほか、副学長、図書館長、経済学部、歴史学部の教授ら教職員、学生の代表が主席した。

 贈呈式のあいさつで伸一は、同大学を再び訪問できた喜びを述べ、関係者の歓迎に謝意を表した。又、今回の第四次訪中は、「日中平和友好条約」の締結の時となり、未来への新たな決意に燃えていると訴えたあと、図書贈呈への心情を語った。

 「私どもの真心として、自然科学関係の専門書等、一千冊を寄贈させていただきたい。『四つの現代化』をめざす中国にとって、少しでもお役に立てばとの思いからであります」

 そして、日中交流の歴史を振り返った。

 「両国には、戦争という不幸な時代もありました。しかし、平和の時代の人びとの往来は、両国の文化の発展に大きく寄与してきました。古くは、日本から遣隋使や遣唐使が貴国の先進的な文化を学びました。

 近くは二十世紀に入ってからも、貴国の偉大な指導者であられた周恩来総理をはじめ、多くの方々が日本に留学されました。

 一九〇四年(明治三十七年)に仙台医学専門学校(東北大学医学部の前身)に学んだ魯迅先生と、解剖学の教授であった藤野先生との心温まる交流は、日中の国境を超えた友誼を象徴するエピソードです。

 蘇歩青学長も仙台の東北大学で学ばれたと伺っております。こうした教育面の交流は、両国の文化を豊かにし、明るい未来創造の大きな力になっています」

 友誼の絆を永遠のものにしていくには、大学交流は極めて重要になる。政治や外交の世界で、日中関係が揺らぐことがあったとしても、学術・教育の交流があれば、中国の将来を担う若きリーダーたちと相互理解を図り、より強い友情の絆を結ぶことができるからだ。





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