和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

奮迅22/小説「新 ・人間革命」

2013年05月29日 11時06分06秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)5月29日(水)より転載】

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奮迅22(5/29)
 山本伸一は、車で荒川文化会館の周辺を巡りながら、話を続けた。

 「会員七十五万世帯の達成は、戸田先生の人生の総仕上げとなる戦いだった。
なんとしても、この昭和三十二年(一九五七年)中には、それを成し遂げ、先生にご安心していただきたかった。

 そして、私は、その原動力になろうと思ったんです。
それは同時に、未来にわたって、広宣流布の拡大の在り方を示すことにもなる。

 師匠の総仕上げの戦いというのは、弟子の大成を見届けることです。
つまり、弟子が、『先生! わが勝利を、ご覧ください!』と、師匠に胸を張って報告できる実証を示すことなんです。
それが、師弟不二です。

 私は、そう心を定めたからこそ、力が出せた。勇気と智慧を湧かせることができた。
 “広宣流布の師匠に応えよう!”と、弟子が燃え立つ時、師匠の師子王の生命が、わが胸中に脈打つんです。
つまり、師弟不二の自覚に立てば、師と共に広宣流布の大使命を担う、久遠の自身の生命が脈動する。
そこに、最大の力がみなぎるんです」

 家々の屋根の向こうに、荒川文化会館が見え隠れしていた。
伸一は、その白亜の建物を眺めながら、感慨を込めて言った。

 「荒川区には、人情がある。
庶民の心の温もりがある。
しかし、近年、次第に、その心が失われつつあるようだ。
道路は整備され、外観は美しくなっても、それがなくなれば、無味乾燥な町になってしまう。

 だから、学会員が、人と人とを結び、温かい人情を通わせ合っていくんです。
これが、地域広布ということなんです。

 荒川文化会館が落成したら、私は真っ先に訪問します。
楽しみだな」
 こう言うと、彼はメモ用紙に歌を記した。


 「あの道に
   また この路に
   わが歴史
  荒川城に
    勝鬨轟け」





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