和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

勝利島2/小説「新・人間革命」

2015年07月23日 04時45分23秒 | 今日の俳句
【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 7月22日(水)より転載】

【勝利島2】

 山本伸一は、世界平和の確かな潮流をつくるために行動することも、今世の自身の使命であると、強く自覚していた。
 それゆえに、各国の識者、指導者との語らいを重ね続けた。
 九月の中国訪問のあとも、二十七日には、北京大学の周培源学長をはじめとする中国科学院代表団一行と、二十八日には、イギリスのマイケル・ウィルフォード駐日大使夫妻と会談。その翌日の二十九日には、西ドイツのボン大学名誉教授のゲルハルト・オルショビー博士と語り合っている。
 また、伸一は、創価大学をはじめ、創価教育各校の創立者として、その諸行事にも、できる限り出席した。
 九月三十日に行われた創価大学の体育祭では、開会式で「英知は太陽のごとく、身体は鉄のごとく」と激励。閉会式では「英知を磨き人格形成を」と訴えた。また、中国からの留学生と卓球に興じた。さらに懇談し、「人の偉さは謙虚な人柄に表れてくる」など、人間としての生き方について語り、励ました。
 そして、翌日の十月一日には、東京創価小学校の第一回運動会に出席している。
 日々、さまざまな行事が、びっしりと詰まっていた。しかし、そのなかでなお、伸一は首脳幹部らに尋ねるのである。
 「ほかに、今日は、会合はないのかい。
 また、私がお会いして激励すべき人がいたら、どんどん言うように!」
 伸一の行動は、とどまるところを知らなかった。「次は?」「次は?」と、間断なく尋ねては、可能な限り、全力で、激励、指導にあたっていくのである。
 十月五日の全国県長会議で、彼は語った。
 「人間として生まれて、最高の幸せとはなにか――人に法を説けることです。多くの人に仏法を語れる人こそが、果報者なんです。それに勝る幸福の実感はありません。だから私は、その歓喜を胸に、感謝の心で、命ある限り戦い続けます。どうか皆さんも、その自信と確信をもっていただきたい」

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