和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

福光(五十二)新・人間革命

2011年11月02日 09時12分30秒 | 今日の俳句
    新・人間革命

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    福 光(五十二)

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 この三月十二日、山本伸一のもとに、数種類の魚を盛りつけた木の舟が届いた。中央には、五キロ以上もある、大きなヒラメが配されていた。

 鈴村アイの夫である裕孝が、「浜通りのおいしい海の幸を、ぜひ、召し上がっていただきたい」と、手配したものであった。

 鈴村は、山本伸一が福島文化会館に到着する前から、知り合いの漁師に、冬から早春にかけてが美味とされる、ヒラメを手に入れたいと頼んでいたのだ。

 「どうしても、大物がほしいのだが……」

 「おっきいヒラメか。難しいべな」

 漁師の答えは、素っ気なかった。

 しかし、「大物が捕れたぁ!」と言って、ヒラメなど、数種類の魚を届けてくれたのだ。

 伸一は、数人の幹部らと、木の舟に盛られた魚を見て、声をあげた。

 「見事なヒラメだね! これは、どなたが届けてくださったの?」

 県幹部が答えた。

 「鈴村裕孝さんです。夫人のアイさんと一緒に、いいヒラメが手に入るように、真剣に唱題したそうです」

 「気を使わせてしまって申し訳ないね」

 そして、伸一は、色紙に歌を認めた。



  竜宮の

    ひらめか鯛か

        真心の

   題目海の

      君が幸みむ




 「この魚は、みんなでいただこう。鈴村さん夫妻には、県長から、『本当にありがとうございます。真心に感激いたしております』と言って、丁重に、色紙を渡してください。

 私の名代として、私の感謝を、私の真心を、伝え抜いてもらいたいんです。それが励ましになるんです。幹部が事務的になり、ただ渡せばよいという感覚に陥ってしまえば、私の心は伝わりません」


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【「聖教新聞・2011/11/2(水)」より転載】
http://m.seikyoonline.jp/top/topt=805&sk=377037b65d04f4e970507bffe8ed9125


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