和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

国会同意人事 事前報道で拒む参院民主の愚(2月8日付・読売社説)

2013年02月05日 15時44分19秒 | 政治
「抵抗野党」に先祖返りしたかのような参院民主党の態度には、唖然
あぜん
とするしかない。

 民主党の輿石東参院議員会長が記者会見し、公正取引委員会委員長に杉本和行元財務次官を充てる政府の人事案を読売新聞などが報道したとして、「党としては政府からの提示を受けない」との意向を示した。

 政府が国会に人事案を提示する前に、それが報道された場合、原則として当該者の提示は受け付けないとする与野党の「事前報道ルール」を振りかざしたものだ。

 輿石氏の発言にあわてた民主党執行部は、政府から事前報道について納得のいく説明があれば人事案の提示を受けると軌道修正を図っている。

 党の方針を巡ってまとまった対応の出来ない民主党の姿をまたもや露呈したとも言えよう。

 このルールは2007年参院選で衆参ねじれ国会になったことを機に設けられた。一部の同意人事案が、提示前に新聞報道されたことに対し、参院で多数を占める野党の民主党などが国会審議の形骸化を招くと反発したためだ。

 だが、国民の関心が高い人事は、政府の提示前でも報じられることが十分あり得る。事前報道ルールは、報道規制につながりかねない上、情報の意図的な漏えいによって、人事案をつぶすことも可能だ。廃止すべき悪弊である。

 民主党政権下の昨年7月、原子力規制委員会の人事案が事前に報道された時には、野党だった自民党が反対した。民主党はその際、ルール廃止を提案したことをもう忘れたのだろうか。

 民主党の細野幹事長は、「与党時代に苦しんだ」として廃止に賛意を示していた。今国会では与野党がルールの廃止を確認する方向で協議してきたのに、輿石氏の発言は、それを“ちゃぶ台返し”するようなものだ。

 与野党が攻守所を変えた不毛な争いはやめるべきである。

 今国会では、公取委員長や原子力規制委員長など重要な国会同意人事案件が多数控えている。

 注目されるのは3月19日に辞任する白川方明日銀総裁の後任だ。前回08年に政府が示した人事案は野党だった民主党が反対して参院で否決され、1か月近くも総裁が空席となる事態を招いた。

 輿石氏は、あくまで事前報道ルールを盾に抵抗する姿勢を貫くのだろうか。

 与党としての経験を生かすことなく、抵抗野党に戻るようでは有権者に見放されよう。

(2013年2月8日01時27分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130207-OYT1T01492.htm?from=ylist


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