和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

蜜柑の花/今日の俳句 ≪第2178号≫

2016年06月25日 06時35分57秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月25日(土)≫(旧暦5/21)



 ふるさとはみかんのはなのにほうとき   種田山頭火

 花みかん瀬戸海流は争はず         鷹羽狩行

 花みかん潜水艦の来てをりぬ        松下章子

 ひとり住めば夜の濃くなる花蜜柑     つじ加代子

 託児所はこの裏通り花みかん       柴田志津子


※ 蜜柑の花・花蜜柑
 普通は温州蜜柑をさし、日本でできた常緑潅木性の柑橘で、現在では西日本の暖地に広く栽培され支持丘・和歌山・愛媛・広島などは産地として知られている。。柑橘類の中ではやや小形だが、3メートル程となり葉は楕円形で大きく濃緑である。5・6月頃、葉の間に香り高い白色五弁の小花を多数つける。雌蕊は長く、雄蕊の先に突き出ている。蜜柑山の花盛りは甘い香りがただよう。
→青蜜柑(秋)・蜜柑(冬)。

【「新版・俳句歳時記/第四版/監修・桂信子ほか」(雄山閣)より転載】






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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 信心とは自分への

 限りなき挑戦だ。

 向上への不屈の精神だ。

 苦しい時こそ

 一歩前へと踏み出せ!
       

2016年6月25日



       ※☆*寸 鉄*☆※


 「大闇をば日輪やぶる」。勇気の声が未来への希望の光。共に新時代を建設
      ◇
 愛知壮年部が執念の猛攻撃!堅塁の気概は我らの心に。雄々しく勝ち捲れ
      ◇
 団地部の日。尊き地域貢献の勇者よ!わが使命の舞台で信頼の灯台と輝け
      ◇
 相次ぐ個人情報の流出。携帯・書類等の置き忘れにも注意。危機意識高く
      ◇
 哲学なき政党は基礎のない建物―識者。立党の大精神貫く公明は日本の柱




【聖教新聞:2016年(平成28年)6月25日(土)付】





      ※☆*名字の言*※



「地球規模(グローバル)で考え、地域(ローカル)に根差して行動する」大切さが叫ばれて久しい。近年は「グローカル」という造語も使われている

牧口初代会長は110年以上前、大著『人生地理学』で、身近な郷土観察から世界へ視野を広げるよう訴えた。人間は「世界民」の自覚を持つべきだ、と。その先見性に着目する学識者が世界に広がっている

米国デポール大学の「池田大作教育研究所」で、一人の若い研究者に出会った。教師として働く彼は、制度や風習に縛られる教育現場の実情を憂い、子どもの可能性を最大限に伸ばす教育哲学を模索。その中で出あった牧口会長の著作に答えを見いだした。学者で、実践者でもあった牧口会長の思想は、現代にも当てはまるものばかりと、彼は言う。同大学は全米最大のカトリック系大学だが、創価教育に関する修士課程の開設も決定している

戸田第2代会長は冷戦下に「地球民族主義」を提唱した。初代・第2代会長の世界市民育成の理念を、SGI会長は、創価教育の学舎を創立して具現化した

開学45周年の創価大学は54カ国・地域の大学と交流。アメリカ創価大学は開学15周年。「グローカル」に平和と幸福の価値を創造しゆく人材が、陸続と躍り出る時代を迎えている。(蹴)



【聖教新聞:2016年(平成28年)6月25日(土)付】



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清新/十〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月25日 06時07分46秒 | 今日の俳句
清新/十 法悟空 内田健一郎 画 (5835)



 山本伸一は、直ちに、三陸から来た数人のメンバーが待つ一階へと下りていった。
 三陸方面でも、同志は、宗門僧による過酷な仕打ちと戦い続けてきたのだ。
 「大変ななか、ようこそ、おいでくださいました。ありがとう!」
 彼は、一人ひとりと握手を交わした。
 皆、口々に「先生!」と言って、?を紅潮させながら、伸一の手を、ぎゅっと握り締めた。その目には、涙が光っていた。
 「皆さんは、これまで、どれほど辛く、苦しい思いをしながら、懸命に戦ってこられたことか。
 誰が正義なのか。誰が正しいのか――御本尊は、すべてお見通しです。大聖人の仰せ通りに、弘教に励んでこられた皆さんが、不幸になるわけがありません。人生の大勝利者にならないわけがありません。そうでなければ、仏法は?になってしまう」
 「んだ! んだ!」
 皆、瞳を輝かせ、何度も頷いた。
 「私たちは、久遠の使命に結ばれた同志です。仏法兄弟です。どんなに遠く離れていても、心は一緒ですよ。まずは二十一世紀をめざして、明るく、はつらつと、共に前進しようではありませんか!」
 「はい!」と決意にあふれた声が響いた。
 メンバーの一人が、自分の家族も伸一と会いたがっていたが、代表幹部会の参加対象にはなっていないので、家で題目を唱えていることを告げた。
 「そうですか。くれぐれもよろしくお伝えください。また、私は明日もここにおりますので、可能ならば、おいでください」
 それから伸一は、同行していた副会長の青田進に言った。
 「明日、自由勤行会を行うことはできませんか。私は何度でも出席させてもらいます」

 メンバーが歓声をあげた。
 「今日は、来てよがった!」
 目の前の一人ひとりが喜び勇んで立ち上がることから、新しい変革の流れが起こる。



【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月25日より転載】


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花橘/今日の俳句 ≪第2177号≫

2016年06月24日 06時00分00秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月24日(金)≫(旧暦5/20)



 花橘妻子らそこにゐてはるけし    塚本邦雄

 遠つ世のこと橘の花の香に      河野静雲

 塚山に花橘の白さかな       伊丹さち子

 橘の花の下にて伊豆の海      甲田鐘一路

 橘の花の匂ふや神の前        石井桐陰


※ 花橘(はなたちばな)→橘の花・大和橘・右近の橘。
 タチバナは、日本のミカンの現生種で、温暖な地方の海岸に近い 山地に野生し、ヤマトタチバナともいう。田道間守(たじまもり)が常世の国から運んできた 「ときじくのかぐの木の実」がタチバナ
だといわれる。六月ごろ、みかん同様白い五弁の香気ある花を開く。京都紫宸殿の右近の橘はタチバナの培養品種だといわれている。昔は、今日のように柑橘類が多くなかったから、タチバナの馥郁たる香りはとりわけ賞され、『万葉集』をはじめとして、古くから詩歌にうたわれた。清少納言も『枕草子』に美しい木の花として、コウバイ・サクラ・フジなどとともに、タチバナをとりあげている。ハナタチバナは、タチバナの花の美称で、今日、ハナコブシとかハナリンゴというのは、これにならったものであろう。東京都の神代植物公園には大きなタチバナが何本かある。花のあとにつく果実は、冬になっても、親指の先ほどの大きさである。

【『花の大歳時記』(角川書店)より転載】

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       ※☆*わが友に贈る*☆※


 誉れの愛知の友よ

 立ち上がる時は今!

 言論の大闘争で

 新たな時代を開け!

 勇敢に勝ち進め!

       

2016年6月24日




       ※☆*寸 鉄*☆※


 妙法の偉力は何ものも遮ることはできない―恩師強き祈りで痛快に壁破れ
      ◇
 神奈川壮年部よ、千載一遇の時が来た。勝利の大海原へ、いざ全速前進!
      ◇
 地区こそ広布の最重要拠点。地区部長・婦人部長の皆様、大確信の名指揮を
      ◇
 「声も惜まず」「言をも惜まず」と大聖人。語った分だけ仏縁と福徳が拡大
      ◇
 ひったくり犯が狙うのは(1)女性(2)イヤホン装着(3)車道側の鞄と。警戒強く




【聖教新聞:2016年(平成28年)6月24日(金)付】





      ※☆*名字の言*※



日米通算の安打数で大リーグの記録を上回ったイチロー選手の偉業を各紙が伝えている。印象的だったのは、同世代の選手で、現在の日本代表監督を務める小久保裕紀さんが聞いたというイチロー選手の言葉

「僕は心の中に磨き上げたい石がある。それを野球を通じて輝かしたい」と(「毎日新聞」17日付)。42歳。現役最年長野手のイチロー選手だが、心を磨く挑戦に終わりはないのかもしれない

東京のある壮年リーダーは11年前、勤めていた会社が倒産。慣れない建設現場で働き始めたが、つらい日々が続いた。そんな時、池田SGI会長から思いがけず励ましを。心に灯がともった

心掛けたのは、仕事場での出会いを大切にすること。広布の現場も絶対におろそかにしないこと。汗だくで働き、帰りに時間があれば銭湯に寄り、スーツに着替えて会合に直行。その銭湯でも友好を広げ、“スーツ君”のニックネームも。今、信頼の輪は幾重にも広がる

かつてSGI会長は「人間には古来、自分自身しか持っていない『宝の剣』がある」(「青春対話」)と語った。その剣とは、自分自身の心であり、決心であると。題目を唱えに唱え、人間の中へ、広布の闘争へ勇んで飛び込み、いかなる時代にも嵐にも朽ちないわが宝剣を磨いていきたい。(進)



【聖教新聞:2016年(平成28年)6月24日(金)付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月23日(木)付

人間関係に役立つ“気配り”について、マナー講師の伴美彩さんに聞いた本紙「スマイル・カフェ」(5日付)に多くの反響を頂いた

その中に「対話の相手に心から『YES』(同意)をもらうには、相手への気配りが欠かせないことを実感。参院選勝利へ、このことを忘れず、公明党への支持拡大に走り抜きたい」の一言が。本当にありがたい

伴美さんは「YES」をもらうポイントとして、「自分の言葉の引き出しを増やす」「相手のことを真剣に考えてオススメしていることを誠心誠意、伝える」ことを指摘。これについては「引き出しを増やすには公明新聞を熟読するのが一番。公明新聞をパワーに、なぜ公明党が必要なのかを自分なりの言葉で友人、知人に語っている」とのうれしい声も

また、「児童手当や奨学金の拡充など、公明党が実現した子育て支援策が家計の大きな支えになった」という主婦は、「他党にはない、地方議員と国会議員のネットワークで現場の『小さな声』を受け止め、政策に反映していく公明党の『実現力』を誠心誠意、訴えていきたい」と力強いエールを送ってくださった

7月10日投票へ舌戦の火ぶたが切られた参院選。これから一日一日の「1票の拡大戦」いかんで勝負は決まる。一人でも多くの人に「YES」をもらう「草の根の対話力」で参院選を勝利しよう!(翼)

清新/九〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月24日 05時09分09秒 | 今日の俳句
清新/九 法悟空 内田健一郎 画 (5834)


 代表幹部会は、ほのぼのとした雰囲気に包まれるなか、山本伸一の指導となった。
 彼は、地理的にも、気候的にも厳しい条件のなかで、堅忍不抜の意志をもって、広宣流布に挺身してきた岩手の同志を、心から賛嘆した。そして、「それぞれの地域にあって御本尊の功徳を受け、人間としての実力を培い、地域に根差した“広布の村長さん”になっていただきたい」と呼びかけた。
 さらに、「月月・日日につよ(強)り給へ」(御書一一九〇ページ)の御文を拝して、着実な広宣流布の前進と信心の向上のために、旺盛な求道心を燃やして、同志と共に仏道修行に励んでいくことの大切さを語った。
 「人間を強くするのは人間の激励であり、触発です。励ましがあってこそ、勇気をもてる。ゆえに組織が必要なんです。
 広宣流布の前進を阻む壁が、どんなに厚かろうとも、異体同心の団結をもって、堅実な信行学の実践を積み重ね、粘り強い前進をお願いしたい。たとえ、一歩でも半歩でもよい。執念をもって、前へ、前へ、前へと進んでいってこそ、道を開くことができるんです。
 広布の道こそ、宿命転換の道です。幸福と勝利の大道です。“何があっても、負けない、挫けない、あきらめない”と心に決めて、題目第一で、私と共に進みましょう!」
 決意のこもった大拍手が鳴り響いた。
 代表幹部会は終わった。しかし、伸一にとっては激闘の開幕であった。彼は、同志への激励の句などを、次々と認めていった。
 そこに、「今、三陸のメンバーが、四時間がかりで到着しました」との報告が入った。車で凍てた雪道を走って北上高地を越えるのに手間取り、代表幹部会には間に合わなかったという。
 「すぐにお会いしよう!」
 「当起遠迎、当如敬仏」(当に起って遠く迎うべきこと、当に仏を敬うが如くすべし=法華経六七七ページ)――法華経の行者を敬うこの姿勢こそ、戦う同志を、求道の人を迎える、創価の永遠の精神である。



【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月24日より転載】


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サングラス/今日の俳句 ≪第2176号≫

2016年06月23日 05時40分32秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月23日(木)≫(旧暦5/19)




 サングラス掛けて妻にも行くところ    後藤比奈夫

 サングラスのパブロピカソに蜜蜂      金子兜太

 親といふものやめたサングラス       能勢京子

 サングラスそれからラム酒一瓶と      児玉硝子

 ずぶ濡れの伝承の石サングラス       中原幸子



※ サングラス
 ガラスに色のついている眼鏡。本来は強い紫外線から目を保護するものであるが、最近はフアッション性が高くなり、毎年、流行の形や色などがある。

【「俳句歳時記・第3巻/角川書店」より転載】






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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 広宣流布は

 仏と魔との戦いだ。

 油断・過信を戒め

 絶対無事故の前進を!

 真剣な祈りから出発! 

2016年6月23日




       ※☆*寸 鉄*☆※


 沖縄慰霊の日。恒久平和へ行動する民衆スクラムを拡大。不戦の誓い新た
      ◇
 埼玉壮年部が決起!歴戦の将が燃えて動けば無敵痛快な逆転勝利へ猛攻を
      ◇
 「法華経の信心を・とをし給へ」御書。正義を貫くことが栄光の人生への大道
      ◇
 南極のCO?濃度が温暖化の危険域に突入と。地球的協力体制の強化急げ
      ◇
 投票必ず行く―18〜29歳は21%。公明が有言実行で政治家不信を払拭せよ



【聖教新聞:2016年(平成28年)6月23日(木)付】





      ※☆*名字の言*※



東京富士美術館で好評開催中の「ザ・刀剣――千年の匠の技と美」(7月3日まで)。平安時代から現代までの数々の名刀が並ぶなか、“目玉”の一つが、名物武蔵正宗と呼ばれる「無銘 伝正宗」だ

刀剣博物館の重要美術品であるこの刀には、本阿弥家が出した「折り紙」が付いている。豊臣秀吉・徳川家康らが本阿弥光徳を、刀剣を鑑定する“刀剣極め所”に任じ、以来、本阿弥家は代々、鑑定で「正真」(本物)と認められたものに、「折り紙」を発行してきた

人や物の価値を保証することを意味する「折り紙付き」という言葉は、ここから来ている。折り紙が墨で書かれたことから、「お墨付き」も同じ意味だ

日蓮大聖人の門下には武士も多かった。だから、弓や矢などとともに、「剣」も、しばしば譬えとして用いられている。例えば「鍛えていない鉄は、燃え盛る火に入れれば、すぐに溶けてしまう」「剣などは、高温の火に入れても、しばらくは溶けない。これは、鍛えてあるからである」(御書1169ページ、通解)と仰せだ

鍛えられた刀は、火の中という厳しい条件で真価を発揮する。同じように、厳しい環境を勝ち越えて、人生勝利の旗を打ち立ててこそ、“折り紙付き”の信心の勇者といえよう。(明)



【聖教新聞:2016年(平成28年)6月23日(木)付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月22日(水)付

公明党への「期待の声」が各界から寄せられている。地域の最前線でも、「公明党頑張れ!」との応援メッセージが続々と届く

北海道新幹線の開業に沸く函館市の経済人は、経済効果が徐々に現れてきたことを喜ぶ一方、「公明党の尽力なくして、今回の開業はうまくいかなかった」ときっぱり。巨大プロジェクトにありがちな利害を乗り越え、「地域のため、住民のため」に、ブレることなく誘致活動に奔走してきた姿勢を高く評価する

胃がん予防に取り組む医師は、胃がんの主な原因であるピロリ菌の除菌治療に保険が適用されたことについて、「国と地方のネットワークを生かし、署名活動などで力強く後押ししてくれたおかげ」。アイヌ団体の関係者は、「折に触れ、他党議員に相談したこともあるが、ほとんど“なしのつぶて”。その点、公明議員はいつでも親身に話を聞いてくれ、行動も素早い」と

山口那津男代表は、他党にはない公明党の三つの力について、「小さな声を聴く力」「生活実感に根差した政策を実現する力」「平和外交を進める力」と強調。この力を最大限に発揮し、連立政権を支え、国民のニーズを政策として実現していく決意を示した

いよいよ参院選も公示となった。自信を持って“公明党らしさ”を語りに語り抜き、断じて勝利の“二字”で期待に応えたい。(武)

清新/八〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月23日 05時17分05秒 | 今日の俳句
清新/八 法悟空 内田健一郎 画 (5833)

 安房由光の販売店の配達員からも、宗門僧の圧力に屈して、学会を去る人が出始めた。配達員がいなくなった地域の配達は、安房自身が行わなければならない。彼は“負けるものか!”と、自分を奮い立たせた。
 一月十一日、安房は、県北の二戸から県南の水沢まで、車で三時間ほどかけて、岩手県代表幹部会に駆けつけたのである。途中、吹雪に見舞われた。“これは、広布の道を象徴しているのだ”と思うと、心は燃えた。
 午後六時、代表幹部会の会場に姿を見せた山本伸一は言った。
 「今日は、私も愛する岩手の一員です。したがって会長は別の人にやってもらいます。

 あなたに『一日会長』をお願いします」
 教育部の壮年を指名し、自分の胸章を彼につけた。
 勤行のあと、県幹部から、この一月十一日を「水沢の日」とすることが発表された。場内は喜びの大拍手に沸き返った。
 幹部の抱負に移ると、伸一は言った。
 「私たちは、役職や肩書に関係なく、みんな平等です。同志であり、友だちです。だから、登壇者も堅苦しい話はやめて、原稿は見ないで話すようにしましょう。皆、遠くから来て、疲れているんだから、楽しくね」
 戸惑ったのは、登壇者たちである。途中でしどろもどろになる人もいた。すると、会場から声援が起こり、笑いが弾けた。
 さらに、婦人部合唱団の合唱となった。
 「歌は何がいいですか。リクエストした曲を歌ってもらいましょう」
 伸一が提案すると、「荒城の月」「春が来た」など、次々に声があがった。合唱団は、慌てることなく、はつらつと歌った。 
 「では、もう一曲!」
 「『青い山脈』をお願いします!」
 練習したことのない歌だ。しかし、これも見事に歌い上げた。大きな拍手が轟いた。

 合唱団のメンバーは、何事も、心を定め、体当たりでぶつかっていく時、高い障壁も乗り越えられることを確信したのであった。



【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月23日より転載】


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短夜/今日の俳句 ≪第2175号≫

2016年06月22日 05時28分04秒 | 今日の俳句

≪2016年(平成28年)6月22日(水)≫(旧暦5/18)


 短夜の麓に余吾の海白し       内藤鳴雪

 明易き露台の花卉に人さめず     西島麦南

 短夜の水満つ甕に一滴づつ     野見山朱鳥

 短夜の水際に失せし男かな      中村苑子

 短夜の入らねむれる汽車に乗る    篠原 梵


※ 短夜・明易し・明早し・明急ぐ
 春分の日から昼が長くなり、夏至になると最も夜が短くなる。この前後の明けやすい夜のことをいう。夜の短さは理屈の上からいえば、日の長いことであるが、そういう感じではなく、明けやすい心持ちに置くのである。


【「俳句歳時記・第3巻/角川書店」より転載】






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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 今日の前進が

 明日の勝利を決する。

 一日一日を大切に

 わがベストを尽くせ!

 悔いなき黄金の歴史を!


2016年6月22日




       ※☆*寸 鉄*☆※



 これからは真の信心の力用を世界に示す時―恩師さあ民衆勝利へ本領発揮
      ◇
 力は不屈の意志から生まれる―偉人。後継よ激戦勝ち抜き青春の原点刻め
      ◇
 天候の急変による土砂災害、河川の氾濫に注意。無冠の友よ、安全第一で
      ◇
 地に足つけて現場を回る公明党に共感―識者。全議員が猛然と走り応えよ
      ◇
 参院選公示。日本の針路分かつ重要な選択。政策・実績・人物で賢き判断を


【聖教新聞:2016年(平成28年)6月22日(水)付】





      ※☆*名字の言*※



「世界のクロサワ」と仰がれた黒澤明監督が、映画作りの原点にしていた思い出がある。自伝『蝦蟇の油』(岩波現代文庫)に詳しい

初めて監督を務めた映画「姿三四郎」の決闘シーンを撮影した時のこと。現場には猛烈な風が吹いていた。過酷な状況ゆえに、1時間が2時間にも3時間にも感じたという。もう十分に撮影したと思い、切り上げたが、それは錯覚だった。いざ編集の時に見ると、撮り足りないところが、たくさんあった

以来、氏は、仕事に臨む姿勢を改めた。「酷しい条件下では、もう充分だと思っても、その後、それまでの三倍はねばる事にしている。やっとそれで充分なのだ」

釈尊が最後に残した弟子への遺言は、「怠ることなく修行を完成なさい」(中村元訳『ブッダ最後の旅』岩波文庫)だったという。どれだけ修行を積み重ねようが、もう十分と思った瞬間、堕落が始まる。「生涯求道」こそが、仏法の根本精神である

山登りは、頂に近づくほど、強風、低温、低酸素と、条件は過酷さを増す。同じように、人生における挑戦も、到達点を目前にした時こそ、最大の勢いと細心の注意が求められる正念場だ。最後まで、必死の一念を貫けるかどうか。そこに事の成否がかかっていることを忘れまい。(誠)



【聖教新聞:2016年(平成28年)6月22日(水)付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月21日(火)付

戦後最大の重みを持つ選択ではないか。欧州連合(EU)残留の賛否を問う英国の国民投票が2日後に迫った。もし、離脱となれば、短期的には欧州全域で政治、経済の混乱を招き、国際社会への影響も必至だろう

気になるのは、欧州内の反EU勢力が勢いづき、「ドミノ現象」となって各国に飛び火しないかである。そうなれば、2度の世界大戦で多数の犠牲者を出し、荒廃の中から芽生えた統合の理念が色あせ、分断の道へと進みかねない

離脱派は、職を失い、テロの恐怖に怯える人々に巣くう難民、移民への警戒感や憎悪を巧みに取り込み、支持を広げているという。攻撃の標的を仕立てて、争点を極度に単純化し、人々の激情と対立を煽って共感を集める手法は、米国の大統領選挙でも見られた。それでは、寛容や人権、共生の価値観が後退し、排外的な孤立主義が頭をもたげるだけである。社会を変える解決策になり得ない

「現在、世界で一番愚かなことを喋り、最も賢明なことを行うのが、英国人である」。19世紀の英国の思想家、トーマス・カーライルの箴言だが、今の世にも当てはまることを信じたい

あす22日は参院選の公示日。どの政党、候補者に国の将来を託すか。煽動的な言動に惑わされない賢明な判断が必要なのは、日本の有権者も例外ではない。(明)


 

清新/七〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月22日 05時12分41秒 | 今日の俳句
清新/七 法悟空 内田健一郎 画 (5832)


 山本伸一は、水沢文化会館の大広間で、白蓮グループ、創価班、学生部の代表、運営役員などと次々に記念のカメラに納まった。
 この日は、美しい夕焼けとなった。
 燃えるような夕映えのなか、新年を記念する岩手県代表幹部会に出席するため、県内各地から続々とメンバーが集ってきた。
 伸一は、午後五時から二十人ほどの代表と懇親会をもち、幹部の姿勢について語った。

 「岩手は明るく、伸び伸びと進んでいくことが大事だよ。気候風土も厳しく、大変ななかで、皆、頑張っているんだもの、温かく包み込んでいくんです。また、リーダーは、同志の幸せのためには、真剣に、誠実に、全力で行動していくことです」
 それから彼は、代表幹部会に臨んだ。
 会場は求道の熱気にあふれていた。
 岩手にも、宗門による迫害の吹雪が荒れ狂い、同志たちは歯を食いしばりながら、苦渋と忍耐の日々を過ごしてきた。
 青森との県境にある二戸から駆けつけてきた、安房由光という「聖教新聞」の販売店を営む青年がいた。
 二戸では、前年十二月初めに宗門の寺院が建ち、これを契機に、学会への攻撃が激しさを増していた。
 息子が他の方面で宗門の寺の住職をしている壮年幹部が、同志を欺き、水面下で学会批判を重ね、純粋な学会員をたぶらかして、檀徒になるように促してきたのだ。
 赴任してきた住職は、この男と共謀し、学会員への陰湿な攻撃を繰り返した。衣の権威を笠に着て、真面目に広宣流布の活動に励んでいる仏子を見下し、苦しめてきたのである。
 年が明けると、伸一の岩手訪問を狙ったかのように、何人かの脱会届が出された。
 安房らは、日々、悔し涙をのみながら攻防戦を続けた。片時でも気を抜けば、大切な会員が魔の軍勢の餌食となった。
 勝利の旭日は、安堵も、瞬時の油断も許さぬ間断なき闘争を制した者の頭上にこそ、燦然と昇り輝くのだ。



【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月22日より転載】


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夏至/今日の俳句 ≪第2174号≫

2016年06月21日 05時48分27秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月21日(火)≫(旧暦5/17)


 心澄めば怒涛ぞきこゆ夏至の雨        臼田亞浪

 老どちの夏至夕暮を待つ会話         瀧 春一

 キーウィの蔓が鞭打つ夏至の空        寺田良治

 夏至の空女子高生らの批評癖     わたなべじゅんこ

 潮境くつきり夏至のカフェテラス       中山純子



※ 夏至
 二十四節気の一つ。六月二十一日又は二十二日。太陽が黄経九〇度になること。もしくはその時を夏至というのである。太陽はこの日に北回帰線(北緯二三度二七分)の真上まで北上してくる。昼間の時間は十四時間三十五分で、冬至の日よりも四時間五十分、昼が長い。福岡では水稲を植え、早くも苺が出はじめ、東京ではアジサイが咲き、ニイニイゼミが鳴き、札幌ではアヤメが満開。桜桃が成熟する。


【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】



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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 共戦の絆も強き

 大神奈川の同志よ!

 正義の電源地から

 立正安国の師子吼を!

 民衆の外貨高らかに!

       

2016年6月21日




       ※☆*寸 鉄*☆※



 創価の民衆運動は平和建設の偉大な模範―博士。草の根対話こそ最先端と
      ◇
 福岡男子部よ、先駆とは勇気、先駆とは前進だ!圧倒的拡大で勝利を飾れ
      ◇
 「思い切って強強に申したりき」と大聖人。正義の言葉は強気で打ち込め
      ◇
 18歳選挙権が施行、新有権者は約240万人と。若者の声が未来を変える力に
      ◇
 介護休業の取得条件を緩和へ―厚労省。介護離職ゼロの社会へ官民一体で


【聖教新聞:2016年(平成28年)6月21日(火)付】





      ※☆*名字の言*※



人生には必ず、越えなければならない「難所」がある。ありったけの知恵と勇気を振り絞り、岩盤に爪を立ててでも

イギリスの登山隊が、世界最高峰のエベレストに人類初の登頂を果たしたのは1953年。初めての挑戦から32年、9度目の遠征で成し遂げた快挙だった。彼らが登った道は、それまで不可能とされた、非常に険しいコース。だが入念な調査の結果、そこに活路を見いだし、栄冠をつかんだ

近年は装備品や技術の進歩などもあってか、多くの登頂達成者が誕生する。だが、頼るのは、最後は自分の足であることに変わりはない。女性で初めてエベレストの頂に立った田部井淳子さんは、本紙「スタートライン」で「人間のすり足のような一歩一歩でも、前に進んでいけば頂上には立てる」と。自身のがんという「難所」にも、“山に登り続けたい”との一心で挑み、寛解を勝ち取った

池田SGI会長は、エベレスト初登頂の歴史を通し、「大切なことは、一つ一つの眼前の戦いを、また一日一日を、爽快に勝ちゆくことだ」と語った

早いもので、本年も折り返し点。年頭に掲げた目標は見えているだろうか。登攀の途上には「難所」もあろう。“ここが勝負!”と勇気の一歩を重ねた先に、栄光の頂が待っている。(鷹)


【聖教新聞:2016年(平成28年)6月21日(火)付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月20日(月)付

今から70年前の8月、「議会政治の父」と呼ばれた尾崎行雄が帝国議会で行った演説の中で、政党と徒党の違いについて触れた一節がある。「徒党は直ぐ出来ます。(中略)唯自分達の一身の利害栄辱を考へて離合集散する所の徒党は何時でも出来る」

昨今の政治状況も、しかりである。4年前、「社会保障と税の一体改革」を巡り、49人の国会議員が消費税引き上げに反対し離党して新党を結成、分裂した民主党の醜態は鮮明に記憶に残る。もともと政権交代だけを掛け声に集まった寄り合い所帯の民主党。政権を握った後は案の定、「決められない政治」で迷走した。分裂騒動は、政策の一致をおろそかにした当然の成り行きといえた

そして今、除籍した離党者と手を組んで民進党に看板だけ変えて、何をめざすのか。揚げ句、共産党と「平和安全法制廃止」の一点で共闘に走る姿は、「国民に責任ある判断を求める姿勢ではない」(山口代表)。「政策を巡り、ほぼ対極にある政党との連携は『野合』との批判を免れまい」(読売)と指弾される通りだ

「大衆とともに」の立党精神で結ばれた公明党は、幅広い民意を受け止めて政策に反映し、ブレずに国民のための政治を前に進めている

明後22日は参院選の公示。選挙目当ての“徒党の政治”の跳梁を許してはならない。(紀)

清新/六〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月21日 05時23分52秒 | 今日の俳句
清新/六 法悟空 内田健一郎 画 (5831)

 山本伸一は話を続けた。
 「今日は、岩手の大飛躍のために、ともすれば幹部が陥りがちな問題について、あえて厳しく語っておきます。
 幹部は、組織を自分のものであるかのように考え、会員の方々を部下のように思っては絶対にならないということです。
 学会の組織は、仏意仏勅の広宣流布のための組織です。“学会員は御本仏からお預かりした仏子である”と決めて仕えていこう、尽くしていこうとの思いで接することです。
 また、いよいよ『地方の時代』に入り、草創期から地域の中心となって頑張り、地域の事情や人間関係に精通した幹部の存在が、ますます大事になってきます。
 しかし、心しなければならないのは、長い間、地域のリーダーを務めていると、気づかぬうちに、そこの“主”のようになってしまうことです。
 かつて、ある地域に、草創からの幹部がおり、その人の考えや、好き嫌いの感情が、組織の運営や人事などにも、強い影響を与えていたということがありました。皆、何かあるたびに、その幹部のところへ、真っ先にあいさつに行かなければならないし、意向に従わなければ、何もできないというんです。
 それでは、平等性を欠き、新しい創造の活力が奪われてしまう。結局は、広宣流布の団体である学会の組織を崩し、前進を阻むことにもなりかねません。
 自分中心から広宣流布中心へと、常に自らを戒め、狭い境涯の殻を破っていくんです。そして、新しい中心者や後輩たちを前面に立てて、徹して守り支えていくんです。
 また、新たにリーダーとなった人たちは、地域に根差した草創からの諸先輩の意見によく耳を傾け、力を借りていくんです。
 土着の力と、新しい力が結合していくことによって、岩手は大発展します」
 詩聖タゴールは記している。
 「力がないところには繁栄がなく、力は結合以外によっては得られない」(注)

 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 「議長あいさつ」(『タゴール著作集8』所収)蛯原徳夫訳、第三文明社




【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月21日より転載】


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仏桑花/今日の俳句 ≪第2173号≫

2016年06月20日 05時37分24秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月20日(月)≫(旧暦5/16)



 よく駈けるヒヨコ愛らし仏桑花     長谷川零余子

 島の唄流れ来る夜の仏桑花       小田尚輝

 恍惚と旅の寝不足仏桑花       渡辺千枝子

 島人の血はかくも濃し仏桑花      青柳志解樹

 ハイビスカスさがして旅の気安さに      金山久子



※ 仏桑花→ハイビスカス・ぼさつばな・琉球むくげ・アカバナー(沖縄県) 
 中国原産の常緑小潅木で、多くは温室花として栽培する。幹は高さ1・2メートル程で、葉は広卵形または卵形の光沢ある新緑である。夏から秋にかけて葉の腋から長い柄を出し、漏斗形の大きな花をつける。五片の花片から、赤く長い蕊(しべ)をつき出して咲く。花色には赤・白・黄・絞りなどがあり、朝に開き夕にはしぼむ。


【「新版・俳句歳時記/第四版/監修・桂信子ほか」(雄山閣)より転載】






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       ※☆*今週のことば*☆※


 青年の正義の声こそ

 民衆を守る要寒(フォートレス)なり。

 鋭く信念の獅子吼を!

 友情のスクラム愉快に

 青春の勝利劇を飾れ!


2016年6月20日




       ※☆*寸 鉄*☆※


 人生に永遠に残る壮大な歴史を綴れ―恩師。完全燃焼の日々こそ無上の宝
      ◇
 兵庫男子部が怒濤の大攻勢。激戦突破の風穴を開けよ!わが青春の勝鬨を
      ◇
 高知の日。地域広布に力走する友よ!正義の言論で勝利の鐘を打て鳴らせ
      ◇
 車上荒らしに要注意。鞄・貴重品は絶対に放置するな。短時間でも油断なく
      ◇
 「世界難民の日」。拡大続ける地球的課題。悲劇の克服へ人道の連帯強固に


【聖教新聞:2016年(平成28年)6月20日(月)付】





      ※☆*名字の言*※


NHKの連続テレビ小説の脚本を、初めて担当することになった内館牧子さんが、先輩の橋田壽賀子さんから言われた教えがある。「出し惜しみしちゃダメよ」

内館さんは、これまで書きためていた原稿を全部捨て、一から書き直したという。1回15分間のドラマを、半年も続けるためには、“見どころ”を小出しにしたくなるもの。だが、それを惜しまずに使い切り、また一から、生みの苦しみを始める。この労作業の積み重ねが道を開くことを、橋田さんは教えたのである

社会人2年目の青年部員が語った。入社当初は毎日、叱られてばかり。“向いてない”“辞めよう”と思い詰めた彼を変えたのは、「きょう一日を、全力でやり切ることだけ考えよう」との先輩の励ましだった

見通せない未来を考えながら、何をしようか迷うより、目の前にある課題に没頭する。力を余さない。そう決めて取り組み、周囲も見違えるほどの成長を遂げた

限界は、全ての力を出し切ってこそ見えてくるもの。そして、その限界の壁は「終わり」ではない。壁を苦労してよじ登ったとき、次の成長への地平が、開けてくるものである。「全力でやり切った」という事実が、自分に新たな力を注入してくれる。人間の成長に限界はない。(仲)



【聖教新聞:2016年(平成28年)6月20日(月)≫≫付】



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清新/五〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月20日 05時19分07秒 | 今日の俳句
清新/五 法悟空 内田健一郎 画 (5830)


 山本伸一は、館内を巡りながら、岩手の県幹部に語り続けた。
 「岩手は、ますます強くなってほしい。断じて勝ってほしい。そのために何が大切か。

 まず、“自分たちは一生懸命にやってきたんだから、これ以上は無理だろう。もう、できないだろう”という、あきらめの心を打ち破っていくことです。いかに困難であるかということばかりに目がゆき、現状に甘んじて良しとしてしまう。それは、戦わずして心の魔に敗れてしまっていることになる。
 背伸びをする必要はありません。焦る必要もありません。しかし、必ず、このように広宣流布の道を切り開いていくという未来図を描き、目標を決めて、成就していくんです。
 時代は変わります。いや、変えることができるんです。最初にお題目を唱えられたのは日蓮大聖人ただお一人だったではありませんか。そこから一切が広がっていった。現代にあっても、敗戦間近の焼け野原に戸田先生が一人立たれたところから、戦後の広宣流布は始まっている。当時は、誰も、今日の学会の姿など、想像さえできなかったはずです。
 “岩手を必ず広宣流布の模範の県にしよう。断じて勝とう”と心を決めるんです。そして祈るんです。必死に祈るんです。智慧を涌現しながら、果敢に行動するんです。動いた分だけ、友情も、同志の連帯も、広宣流布も広がっていきます。そこに勝利がある。
 心を定め、祈って、動く――それを粘り強く、歓喜をもって実践する。単純なことのようだが、これが、活動にあっても、人生にあっても、勝利への不変の方程式なんです」
 皆、真剣な面持ちで話を聴いていた。
 伸一は、二階の大広間に入ると、題目を三唱し、そのまま県の幹部と懇談に入った。

 「岩手での活動の大変さは、よくわかります。県の面積としては日本一広い。交通の便もいいとはいえない。冬は長く寒い。旧習も深い。だから、その岩手が変われば、日本が変わる。“大変”ななかで“大変革”の波を起こすのが、私たちの広宣流布の戦いです」





【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月20日より転載】


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単衣(ひとえ)/今日の俳句 ≪第2172号≫

2016年06月19日 05時26分04秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月19日(日)≫(旧暦5/15)


 単帯かくまで胸のほそりけり    久保田万太郎

 汝にやる十二単衣といふ草を      高浜虚子

 単衣着て風よろこべば風まとふ     中村汀女

 巌門とひつぱり餠と単衣の子      神尾季羊

 魂去りし父の単衣のたたまるる     堤 高嶺




※ 単衣(ひとえ)→単物。
 四季の変化がはっきりしており、とくに暑さと湿気が特徴である日本の夏は、さまざまな素材を使った衣服を着てその暑さをしのいでいる。単衣は「単」とも書き、夏用の裏地をつけない衣服を指す。単衣の中でも五月はセル、六月は紺絣・紬・御召・縮緬(ちりめん)、七月は夏大島・平絽(ひらろ)・白絣・八月には麻や紗(さ、しゃ、うすぎぬ)を着た。なお、夏の礼装は男女とも絽である。冷房の普及により室内では暑さを感じなくなり、和服姿も少なくなった今日ではあるが、濃紺の羅(うすもの)に単衣の帯をしめた人に出会うと、さわやかな涼しさを感じる。


【「現代俳句歳時記(夏)/角川春樹編」(角川春樹事務所)より転載】





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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 人に会おう!

 友と語ろう!

 大きく動けば

 仏縁と境涯が広がる。

 さあ壁を破る挑戦を!


2016年6月19日





       ※☆*寸 鉄*☆※


 「いよいよ・はりあげてせむべし」。広布は言論の戦。破折精神光らせ挑め
      ◇
 埼玉男子部が乾坤一擲の猛反撃。若師子の爆発力で大逆転を!全国が声援
      ◇
 きょう「父の日」。広布と社会で奮闘する壮年部に感謝。頼もしき黄金柱よ
      ◇
 食中毒に注意!菌は付けない・増やさない・やっつける―加熱と手洗い励行
      ◇
 公明の政策には現場第一主義の姿勢が鮮明―識者庶民を守り抜く政治貫け


【聖教新聞:2016年(平成28年))6月19日(日)付】





      ※☆*名字の言*※


戦中、母と息子が疎開した富山に、東京で暮らす父が大きな荷物を背にやってきた。食べ物を期待したが、それは母が大切にするミシンだった。“息子”である作家・小中陽太郎さんの少年時代の話だ(「朝日新聞」1996年6月24日付朝刊)

出世に縁遠く、社交性もない父の人生を、地味だと軽んじていた。大人になった小中さんがある日、ミシンを移動しようとしたが、あまりの重さに動かない。その時、一家を守るために父が背負ってきたものの“本当の重さ”を感じ、心を改めたという

東日本大震災の日、ある女子未来部員は家族と会えず、一人で避難した。翌日、父親が見つけに来てくれた。ガラスの破片が足に刺さってけがをした彼女を、父はおぶって病院に向かった

当時はまだ、家族がバラバラで、全員の安否が分からなかった。一家のあるじとしての、父の気持ちは察するに余りある。それでも“娘を不安にさせまい”としっかり背負って歩いた。彼女は父の背中に顔をうずめた

今春、首都圏の大学に進んだ彼女は言う。「今も残る小さな傷を見るたび、あの日、父の背中から伝わった安心感が全身によみがえります」。きょうは「父の日」。わが家族、わが同志を守るため、黙々と奮闘する全ての父に感謝を。(代)

【聖教新聞:2016年(平成28年))6月19日(日)≫≫付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月18日(土)付

近くにいるタクシーを呼ぶと、運転手のいない車両が到着。配車、ドアの開閉、支払いはスマートフォンで簡単に操作できる。こんな時代がそう遠からず、やってくるのだろう

先日、いま話題の“無人タクシー”に乗る機会があった。実証実験中のため、運転席に人はいるが、確かにハンドルに手を掛けていない。曲がる所では、ハンドルが自動でクルクル回る。足でブレーキを踏むこともなし。スマホの指示通りに無事、目的地へ着いた

このタクシー。国内では2020年の実用化をめざしている。世界では、35年までに約2100万台販売される見通しもある自動運転車。普及するまでの課題は少なくないが、経済活性化に寄与するだけでなく、交通弱者の人々にとって、これほど便利な乗り物はない

公明党は参院選の重点政策で、モノとインターネットをつなぐ研究開発の推進を掲げている。情報化社会がもたらす恩恵を一部の人で占有せず、幅広く受けられるように。そのために、全力で後押しするとの発想である

もちろん、人間が開発した技術が、コントロールできずに暴走しては論外。人工知能もしかり。次の時代を人が暮らしていくための新たな支え、と位置付けることが欠かせない。理念なきところ、待っているのは成り行き任せの迷走と決まっている。(広)

夾竹桃/今日の俳句 ≪第2171号≫

2016年06月18日 07時07分30秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月18日(土)≫(旧暦5/14)



 夾竹桃花のをはりの海荒るる       桂 信子

 夾竹桃燃えそむ太田川河畔       松崎鉄之介

 夾竹桃日暮は街のよごれどき       福永耕二

 咲き満ちて昼のさみしさ夾竹桃      讃岐節子

 夾竹桃けぢめのつかぬ憎らしさ     柴田いさを



※ 夾竹桃→桃葉紅 インド原産の常緑潅木で、幹の高さは3メートル余りに達し、庭園に植えられたり街路樹として観賞される。葉秦家の竹の葉に似ていて厚い。夏、梢にたくさんの花を開き芳香がある。花期は長く、紅色の他に淡黄色・純白色などがあり、八重咲きもある。開花期が長く、夏中いたるところで目に触れる。

【「現代俳句歳時記(夏)/角川春樹編」(角川春樹事務所)より転載】




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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 「確信ある声」

 「真剣な言葉」が

 相手の心を変える。

 一度の出会いを大切に!

 大生命力で絆を結べ!

2016年6月18日







       ※☆*寸 鉄*☆※


「信念を持って戦い抜く民衆は、最後に必ず勝つ」英雄。堂々と栄光の峰へ
      ◇
 愛知男子部が師子奮迅の拡大。不撓不屈の闘魂で前進!勝利の一番星たれ
      ◇
 北海道婦人部の日。母の祈りで三代城は難攻不落希望と幸の道を賑やかに
      ◇
 「信心のこころ全ければ平等大慧の智水乾く事なし」。唱題根本の人は無敵
      ◇
 落下物での列車遅れ、2割がスマホ。操作は立ち止まって。安全を最優先


【聖教新聞:2016年(平成28年))6月18日(土)付】





      ※☆*名字の言*※


「父の日」の発祥は米国で、ウィルソン大統領が、この日に関する演説をして定着したという。演説から今年で100年。6月の第3日曜日が「父の日」と定められてからは50年となる

母の日があるなら、父の日もあるべき――20世紀初頭、米国で最初に提案したのは、女性の一市民だった。若くして母を亡くした彼女は、5人の兄弟と共に、父に育てられた。子の成長を見届けるように、やがて父は亡くなる。自らも子をもつ世代になった娘が、父が好きだった白バラを墓前に供えて、祈りをささげたのが6月だった

ある地区の集いで、地区部長が「ブロック5勇士を達成できたのは、婦人部の皆さんの応援のおかげです!」と感謝を述べた。すると婦人部、女子部が「もうすぐ父の日ですね」と合唱をプレゼント。手作りの感謝状も添えられた。思いがけない演出に、照れくさそうにする壮年の姿に、“創価家族”の温かさを感じた

慈愛と勇気あふれる“母”がいて、さらに黄金柱となって皆を守り、最後の勝利を決する“父”がいれば、後を継ぐ“子”らにとって、これほどの安心と希望はない

感謝の心が団結をつくり、前進の力を生む。ともどもに広布と社会のための奮闘をたたえ、励ましながら、7月へ進みたい。(鉄)




【聖教新聞:2016年(平成28年))6月18日(土)≫≫付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月17日(金)付

自動車教習所に通っている次女が「だろう運転」に注意することを学んできた。「あの曲がり角から自転車は飛び出さないだろう」「前方を走る車は急ブレーキを踏まないだろう」など、不用意な考えが事故につながることを戒めたものだ

公明党への支持拡大にも参考にしたい。例えば「あの人はいつも応援してくれるから大丈夫だろう」と思い込み、「よろしくね」だけで済ますようでは誠意を欠く。公明党や予定候補の政策・実績などを丁寧に語り、共感を得るように努めたい

一方、「あの人は駄目だろう」という先入観も避けたい。先日、他党支持者だった友人と久しぶりに再会し、公明支援を訴えてみたところ快く賛同してくれた。事故による大けがを治療していた時に公明党の福祉実績に触れ、考え方を変えたという

参院選は来週22日に公示される。日を追うごとにマスコミの報道が過熱し、各党の動きも活発化する中で、有権者の気持ちは揺れ動き、情勢は日々変化していく。支持拡大に当たっては「大丈夫だろう」という油断も、「駄目だろう」との諦めも排したい

過去の選挙戦で公明党は、劣勢をハネ返して逆転勝利したこともあれば、優勢が伝えられる中で涙をのんだ例もある。いかなる状況になろうとも一喜一憂することなく、最後の最後まで攻めの姿勢で戦い抜きたい。(幸)

清新/四〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月18日 05時12分38秒 | 今日の俳句
清新/四 法悟空 内田健一郎 画 (5829)



 一月十一日、山本伸一は、岩手県の水沢の地を踏んだ。
 水沢は、北から南に北上川が流れ、江戸時代には伊達氏の家臣・留守(水沢伊達)氏の城下町として栄え、南部鉄器の生産でも知られる。また、江戸末期の蘭学者・高野長英をはじめ、東京市長などを務めた政治家・後藤新平、さらに、首相を務めた斎藤実など、何人もの著名な人びとを育んできた。
 伸一が、水沢を訪れたのは、新しい同志を励まし、新しい岩手の未来を開きたかったからである。水沢訪問は六年半ぶりであった。
 午後三時半過ぎ、彼の乗った車が水沢文化会館に到着した。この会館は、前年の十二月に完成した、鉄筋コンクリート三階建ての白亜のモダンな新法城であった。
 玄関前で、岩手県長の南勝也らが一行を迎えた。
 車を降りるなり、伸一は言った。
 「いい会館だね。いよいよ岩手の時代が来たよ。戦いを起こそうじゃないか!」
 南が恰幅の良い体から声を絞り出すように、「はい!」と決意を込めて答えた。
 気温は氷点下であったが、冬の東北にしては珍しく雪はなかった。
 伸一は、玄関を入り、ロビーを歩きながら県の幹部らに言った。
 「私は、昨年、日本各地を回りました。
 大阪は“新・大阪の戦い”を開始し、永遠の常勝の都を創ろうと必死だ。兵庫は“二十一世紀の不落の広布城”を築くのだと、皆が燃えに燃えている。頼もしい限りです。
 中部で会った愛知の代表も、闘志満々だった。“堅塁”の気概にあふれている。
 この関西、中部とともに大奮闘しているのが九州であり、その先駆が福岡だ。大変な勢いがある。さらに前進、勝利するだろう。
 そして、いよいよこれからは東北が広宣流布の大舞台に躍り出る時であり、その牽引力となるのが岩手です。新時代の建設は、真面目で忍耐強いといわれる岩手人によってこそ、成し遂げられる事業であると私は思う」





【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月18日より転載】


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