気が小さいはずの私が、周囲に「うっそ~!」と言われるようになったのは、単に年齢と場数のせいで、内心は心臓はバクバクで手はいつも汗握っている。
それでも、ガンガンに出て行くことが多くなったことは確かなので、企業展示での私、ドクターに絡む(しかもシラフで)私を見ていると、もはやどこが小心者なんだ?と言われても仕方がないのだけれど。
先日のシンポジウムの展示では、久しぶりに新しい測定器やランセットを見せてもらったが、こういう場では私はメーカーさんに【メチャ振り】をして楽しんでしまうことがある。
まず、リリーさんではラグジュラの欠点や0.5単位のハーフドーズの話をした。
(現物は以前に望月先生に見せてもらったことがある)
そして新しいデザインのポーチをもらった。
中はこんな感じ。
本当は注射器専用だが、私が使っている測定器ワンタッチウルトラのミニは細長い形状なのでこのケースには収まりがいい。
ただし、チップの筒をどこに入れるか…これがいつも困り種。
これの場合はランセットとウルトラミニを奧に入れるとちょうどチップの筒のスペースが上に空くので、そこに入れて(置いて)いる。
このポーチの裏側には針など入れられるファスナー付きのポケットがふたつついている。
私が使ってきた血糖測定器は三和化学のグルテスト→バイエルのデキスターZ→そしてJ&Jのワンタッチウルトラの愛用歴はかなり長いと思う。
今は、いただいたこのウルトラミニを使っている(アメリカで売っているもので、当時はニコールジョンソンさんが使っていたものと同じもの、同じ色だと聞いた)。
J&Jの人にきくと、私の使っているウルトラミニは日本では発売の予定はないとのこと。
(チップは日本で使われている器械と同じものが使える)
そしてJ&Jの人とこんな会話を交わした。
「私、東京の本社に行ったことあるんですよ~。3年くらい前かな…社員研修でパネリストやったことあるんです。そのときにストラップつけられるようにしてって言ったんだけど…」
「あ…じゃこれもしかして…」
「え?」
そう!大きくなった日本で作られた新しい器械にはストラップ用のホール(?)がついていたのにはびっくり!
いや~私の意見が反映されたんだったらうれしいけどなあ~
そして、あの使いにくいランセットが改良されていた。
針の交換もスムーズにできるようになっている。
どこも企業努力してることを実感する。
三和化学のブースには知っている女の子がいた。
「こんにちは。お久しぶりです」
大阪にいた女の子が京都に異動してきてた。
ひととおり機器の説明をしてもらう。
ロシュのブースでは、こんな会話を。
「あたし、この器械好きなんだけど、戦略が下手ですよね。でもランセットはここのが痛くないので愛用してますよ。私も黒田先生も」
「そうですか!」
「だって川村先生もお薦めだもの」
すると針がブレない理由を、パラパラマンガみたいなもので見せてくれた。
ノボさんにはノボペン4を、アベンティスにはイタンゴを見せてもらい、使い方を教えてもらった。
私自身は今のところ使う予定はないけれど、1型患者との接点の多い私にはとても大事な情報である。
インスリンデバイスも血糖測定器の使い方も。
そしてグリコでカロリーコントロールアイスをもらった。
本当においしい。
企業努力をここでも感じる。
エクセルエイドの人も私を覚えておられて、声をかけてくださった。
「ご無沙汰しております。あの節はいろいろご迷惑をおかけしました」
以前、VOXにアクセスされたときに、VOXでは企業の宣伝となるものは扱わないということで、チラシさえもお断りするという状況があった。
患者さんにメリットがあるからといって、何でもできるかといえばそうではない事情がそれぞれの組織にはある。
そんなバランス感覚を持っていないと、DMVOXは思わぬ方向に行ってしまう。
「僕らは当時は糖尿病のことも、様々な事情もわかっていませんでした」
そのようなことを言われたと思う。
他にあといくつかの企業が来てくださっていた。
日本IDDMネットワークの方が、
「来てくれるメーカーは、デモというより、患者さんの生の声を聞きたいといって来てくれるんです」
そう言われていた。
それは患者としてはとてもありがたい言葉だし、企業の姿勢でもあると思う。
そして展示では、普通では得られない多くの情報を得ることができる。
みなさま、学会やイベントなどに参加の機会があれば企業展示を見に行きましょう!