岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「バッシング」ではなく「クール」な頭を保て。

2006-01-25 09:08:29 | 日本の仲間
1億総バッシングがはじまった。テレビは同じ情報を繰り返し流す。
ライブドア忘年会にビデオを垂れ流す局にはほとほとあきれた。
政治、経済、投機、三面記事、これだけ揃うマスコミネタもあるものでは
ない。
しかし、私たちが追及しなくてはならないのは、なぜこの犯罪が
見ぬけなかったのかという問題だ。

確かに、形だけなのかもしれないがチェック機関もあるが、とりあえず
置いておくというレベルである。
民間検査機関と同じ構造である。形だけの検査機関ですましているのは
理由がある。
例えば、ヒューザーの小嶋社長が「イーホームズ」はけしからん、と
いっているが、では検査体制を強化して、法律上も整備しようとなると、
政治家を通じで大反対したに違いない。
その言い分は、「自由でスピーディな競争を阻害する」という決り文句だ。

今回のホリエモン事件では株式分割が悪用されたわけだが、その行為を
取り締まるべき金融庁は、まったく対策を練っていなかった。
上場市場の活性化を妨げることになると思っているのだろう。
まさに、株式市場の統治能力のなさを露呈している。
無法者を違法にしない制度しか、つくっていなかったのだ。

今回の事件では、武部氏以上の竹中氏の責任が問われなくてはならない。
彼が進めてきた規制緩和がザルであったことの証明だ。
規制緩和はいい、しかし規制緩和においても新たな規制が必要なのだ。
この2つの「規制」は、別物だが、新たな規制が機能していないのだ。

それは、新たな規制作りに強固に抵抗する勢力があるし、自身も必要と
思っていなかったのだろう。
とんだ楽天家だ。

同じ人間が「規制緩和」と叫びながら、うらで「抵抗」しているのが
現状である。

かって、田中真紀子氏が、前へ行こうとするとスカートを踏んでいる人が
いる、見ると本人だった」というのは、けだし名言である。

これは「改革を止めるな」といいながら「改革を止めていた」という現状を
数年前に、明かにしてくれた言葉だったのだが。

バッシングや熱情には、クールな頭で「抵抗」してほしい。

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