「ごちそうさん」にみるNHK現場の心意気。

少しタイトルが大げさになったけれど、戦時中を扱う今週の進行を観て感じました。
現政権は、積極的平和主義という「戦争のできる普通の国」を目指しているけれど、
庶民にとって戦争とはどのようなものか、人々の生活の中に見ている。

め以子の次男が、志願して海軍に入りたいという。
次男は志願しなくともすぐに徴兵される年になるから今すぐ行きたい。
行って、兵隊さんのために美味しい料理を作りたいという。

め以子は、戦争が終わるかもしれないのだから自分から志願することはないという。
生きて帰れるとは思えない戦地だから、親御さんは誰しもそう思っただろう。

彼のような志願者を募る人たちが戦時中に活動していた。
山奥の村々を歩いて、少年たちの愛国の情に訴えていた。
少年たちは親を説き伏せ戦地へと向かった。
赤紙が来なくても戦場にいった人々は多い。

近江の里を歩くと、村の墓地に戦士たちの墓が並んでいる。
その地方に志願者を募って回った人の手記を読んだ。
悔やんでも悔やみきれないという。
胸の中にしまい込んだまま亡くなった人も多いだろう。

多くの若い人たちは、国のために戦いたいと考え、
国や人々は、そんな若者を称賛した。
戦死者の家には、「殉国の家」の小札が取り付けられた。
今でも見ることができる。
戦死は家の名誉でもあったが、家族が亡くなることのつらさは変わらない。
息子が海軍に入ることを止められないめ以子の気持ちを思う。