岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

倉敷児童誘拐事件の解決と今後。

2014-07-23 22:48:52 | 岡山
児童誘拐事件の経緯が少しづつわかってきました。
すべて計画的な犯行でした。
ナンバープレートは偽装もしていたようですが、それさえ住民に見通されていました。
計画的ながら、そこここにずさんさが見られました。
そのことが解決につながりました。

しかし、もっと通りすがり的な誘拐をされたら、手に負えない事態になっていたでしょう。
不幸中の幸いといえるでしょう。

今回の事件でも下校時のリスクの高さが再認識されました。
学校を出るときには集団でも途中から人数が減り最後は必ず一人になります。

防犯カメラの増設も叫ばれていますが、通学路全域をカバーするということは町や村の全域をカバーすることであり、とても現実的ではありません。

ボランティアや父兄の送迎も限界があります。
スクールバスという提案もありましたが現実的とはとても思えません。


視点を少し変えてみましょうか。
児童や生徒は守られるべき存在であるということは確かです。
では、守られるだけでいいのかと考えてみます。

逆のケースがあります。
防犯のケースではありませんが、
津波が襲った釜石市などの街では、小学生が彼らの知恵と知識が大人を救いました。
子どもは守られるだけではなく、他者を助けることもできることを証明しました。

最近、小学生が徘徊している人に声掛けをしようと実践が始まっています。
これは積極的なかかわり方です。
校長が反対した地域もあったそうですが、その校長の考えもなんとなくわかります。
前例がないとかです。

小中学生自ら、会う人には必ず声掛けする地域もあります。
声を掛けられたらとても気持ちのよいものです。
一方、私の地域は、小中学生が声掛けをすることはありません。
これは学校や家庭の方針かと思います。

どちらが防犯に繋がるのか考えがわかれるのかもしれませんが、
声掛けをするということは相手の顔をしっかり見ることでもあります。
不審者にとって顔を見られるということはとても嫌なことだと思います。
一方、小中学生にとっては、相手がどのような行動を取るのかを見極めることができます。
不審に思えば逃げればいいのです。可能なら大声を出して。

子どもたちは、成長過程で身につけなければならないことが多くあります。
その中には一人でも安全を確保し身を守ることができるノウハウを身につけることがあるはずです。
幼児期には守られるだけかもしれませんが、成長するに従い、我が身を守るノウハウを身につけるべきです。

社会はそのことを教えなくてはなりません。
大人になったとしても危険が近くにあることに変わりありません。
身を守るノウハウは、国の内外を問いません。会社の中でも有効です。議会でも有効です。

日本も安全な社会ではなくなったと言われますが、世界的基準でみればとても安全です。
海外で日本的基準で行動すれば、大きなリスクを負うことになります。
最近も海外で夜間に出かけた姉妹が行方不明になりました。
夜間に歩いてもまず安全という国は世界では稀です。

子どもたちを守りながら、やがて子どもたちが自ら危険から身を守る様々なノウハウを身につけることこそ重要だと思います。

ドラマ「官兵衛」で嫡男の長政の初陣の話が出てきます。
戦国の世、武士は必ず初陣がありました。
それまでに武術に励み備えるわけですが、軍場ではなにが起こるかわかりません。
周りの大人が助太刀をすることもあるのですが、あえなく討ち死にすることも多かったようです。

今は乱世ではありませんが、この軍場への心がけの百分の一でも身につけておくべきだと思います。


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