岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

国際医療勉強会ILOHA主催「岡山防災シンポジウム~教えてください あなたの防災」に参加しました。

2014-09-21 06:50:51 | 岡山
国際医療勉強会ILOHAの理念や活動内容は、このページをご覧ください。
各地から岡山に来た学生(医学部系)さんたちが、「岡山で学び→現場を訪れ→岡山に還元する」をテーマに活動されています。

今回の勉強会は、防災シンポジウムでした。
岡山は比較的自然災害に襲われにくいと思われています。
東日本大震災での原発被害からの移住先として注目されている利用のひとつは「自然災害の少なさ」です。

確かに、南海トラフ大地震が発生しても津波が岡山沿岸に押し寄せるのは2時間後と想定されていますし、直下型地震の源である活断層も少ないと
思われています。

岡山市長自ら、自然災害の少なさを発言しています。

一方、自然災害を研究する人びとからは、日本列島自体が活発な地殻変動のエリアにあり、どこで大災害が発生しても不思議ではないとの発言があります。

私たちの心構えは、「大災害がいつ発生するかわからない。そのための防災、減災に常に備えておかなくてはならない」ということでなくてはなりません。

私たちの想定や予想には限界があります。

それを改めて教えてくれたのが東日本大震災であり、阪神淡路大震災です。

過去に同じような規模の大地震があったことが広く知られたのは、震災発生以後でした。

もう「想定外」という言葉が使われるようなことがあってはなりません。

岡山市の地震津波等被害想定結果(岡山市危機管理課発行)では、最大1400人の死者が想定されています。
大変な数です。
このことを前提にしなくてはなりません。

シンポジウムでは、以下の団体の方から発表がありました。

1.岡山大学津島キャンパスと鹿田キャンパスの安全管理者お二人
2.子ども防災ネットワーク岡山(全労済)の方
3.大学町町内会長
4.岡山市危機管理室の方

シンポジウムは、岡山大学鹿田キャンパスの免震棟で行われました。入院棟ということもあり、ほとんど揺れない構造になっているそうです。
ただ、鹿田キャンパスは大学病院併設であり、平日午前には外来客や職員の数が最大1万人に達するとのことです。
どのように避難誘導するか大きな課題です。
津島キャンバスも同程度の教職員と学生がキャンパスにいることも想定されます。
また、広域避難所にも指定されています。

災害発生時に、岡山県や中国地方の中核医療施設である岡山大学病院がどのように対応するかも重要です。
例えば、東日本大震災発生時には東北大学病院では外来診療をストップしたそうです。
そのような判断も迫られることになります。

子ども防災ネットワーク岡山の活動は、全労済が岡山県内で活動する子育て支援団体に呼びかけて設立した団体です。
岡山県内に、子どもも対象に防災を伝える活動を行っています。
災害時の子どもたちの活動は自分たちの身を守ることですが、東日本大震災の例でもわかるように、子どもたちの知識が大人を助けることに繋がりました。
また、学んだことを人に伝えるという面でも、子どもたちの力は大人以上です。
そして、もっとも長い間、伝えることが出来ます(余命が一番長い)。

町内会長には、地域と大学の切っても切れない関係について話していただきました。

岡山市の危機管理課からは、行政の取り組みと災害時通報システムについての説明がありました。

大変有意義なシンポジウムでした。

個人的には、築80年の木造家屋(実家)に住んでおり耐震補強もしておりません。
現在、私一人で実家を守っています。
両親はすでに介護施設(もちろん耐震構造です)中心の生活となりましたので安全です。
自宅は京都にあり、実家を耐震化する余裕もありません。

もし、大地震(震度6強予想)が起これば重大な被害(半壊、全壊)が予想されます。
1階に寝室があるので命の危険もあります。
また、倒壊した場合は道路を塞ぐようになることも想定されます。
これでは、住民の方々の避難にも影響しそうです。

寝室だけでも耐震化するというも効果があるようです。

真剣に考えることにしました。

私のようなケースは多いのではないでしょうか。

両親が高齢になり自ら自宅を改装することもできないままの状態であり、
遠方に住んでいる子どもではなかなか対応できないケースです。

改装より取り壊し処分するということも現実的かもしれません。
しかし、長いあいだ住んでいた両親の愛着ということにも配慮が必要です。

このようのことを改めて考える機会になりました。

それにしても中身の濃い素晴らしいシンポジウムでした。

ありがとうございました。

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