goo blog サービス終了のお知らせ 

岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『壊れた脳 生存する知』 著者 山田 規畝子 講談社

2014-09-22 05:54:37 | 
学ぶことが とても多い本です。
医科大学在学中から一過性虚血発作と脳出血を起こし、34歳時の脳出血で脳梗塞を併発。「高次脳機能障害」となり、外科医からリハビリ医へ。1964年、香川県高松市生まれ。本が発行された2004年時点では愛媛県の老健施設長をされていた。現在は高松市在住だそうです。

医師であり、当事者である山田 規畝子さんが、綴る「高次脳機能障害」。

「何やっているんだろう、私」
そう。高次機能障害の本当のつらさがここにある。
おかしな自分がわかるからつらい。
知能の低下はひどくないので、自分の失敗がわかる。
だから悲しい。
いっこうにしゃんとしてくれない頭にイライラする。
度重なるミスに、われながらあきれるわ、へこむわ、
まったく自分でいやになる。

表紙裏の文章より転載。

読んでも著者の思いや病気の厳しさが実感できるわけではないのですが、学ぶことにあふれた本です。
当事者の方がこれだけ生活や病気について書くということもめずらしいことです。
大変貴重な本だと思います。

著者は香川県在住の医師。香川、徳島、愛媛の病院で働き、手術や治療は岡山大学病院が中心です。
中四国地方の医療機関の関係を垣間見ることもできます。

もちろん「高次脳機能障害」についての知見を得る事ができる本ですが、もっとも広範囲に人間のありふれた行動がどのように組み立てられているも想像できます。

推薦です。


壊れた脳 生存する知
山田 規畝子
講談社

最新の画像もっと見る