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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

捏造事件以後、よくわかんなくなったぞ。

2005-11-10 22:03:37 | 日本の仲間
2000年11月に毎日新聞が旧石器捏造を暴露してから
ちょうど、5年になった。
北海道や東北の本を読んでいて、石器時代の話になると、
この記述正しいのかな?といつも思ってしまう。
本当に困ったものだ。

ちなみに私が愛用しているのは「日本全史」1991年版と古いので
石器時代の記述になるとまるで信用できない。

例えば、「ナウマン象を調理した日本列島最古に石器」という
記述があるが、これは馬場壇A遺跡(宮城)の14万年前の地層から
火を炊いた跡と20~30個の石器が発見された、とある。
(これこれだ、と思ったのだけど)

これが捏造だった。この「日本全史」が発行した後も、
なんと70万年前から日本に人類がいた痕跡があるとされた。
すごい話だと思ったら、捏造だった。
前期旧石器時代の遺跡がすべて?がついたわけだが、
今でも、私の頭は「いつの時代から日本に人類がいたといえるのか」
わからないままだ。

そう思っていた折に、暴露元の毎日新聞に2本の記事が掲載された。
11月8日「旧石器発掘捏造から5年」(伊藤和史記者)
11月10日「捏造問題と旧石器研究の課題」日本石器学会会長稲田孝司

正直なところ、よくわからない。特に稲田氏の文章はわからない。
そこで、ブログの中で書き進めながら、少しでもわかればと書いて
みたい。
読者の方には迷惑な話なのでうっちゃておいてください。

まず、旧石器時代とはいつか。
縄文時代以前の土器のない時代のこと。その旧石器時代は「後期、
中期、前期」と分れる。
後期はおおむね1万3000年~3万年前。
前期は、それより前になるから、先の記述の14万年前は
前期旧石器時代となる。(中期は記事からではわからず)

捏造発覚で崩壊したのは前期旧石器時代といわれるから、
3万年以上前の発掘石器は日本考古学協会によってほとんどすべて
否定された。
2003年のことだった。
2003年にはもう一つの発表があった。
「国内最古級の10万年前の石器発見」長崎県・入口遺跡。
しかし、これには異論がある。自然石だと断定する学者もいる。
事実なら、旧石器人類は日本列島にいたことになるが?

学会の動きは低調で、見るべき成果はないのではないかというのが
記者の結論だ。

一方、日本旧石器学会の会長稲田孝司氏の文章では、捏造事件以後、
研究者によって日本旧石器学会が発足したことが書かれている。
この学会には考古学、地質学、人類学、植物学、年代測定学等の
学者を含んでいる、ということだから、今までこのような連携が
できていなかったことを現している。

また、中国・韓国・ロシアの研究者とともに国際組織設立に向けて
準備を進めているという。
(国際研究の重要さを考えると「今から?」という感覚だ)
捏造発覚から5年。動きが鈍いといわざるをえないだろう。
(私が稲田孝司氏の文章が理解できないといったのは、専門的な
上に、論理の展開と個人的な感情が入り混じっているためか)

アイヌの祖先がどのように日本列島に来たのか、大いに興味の
ある私だが、この2つの記事を読むかぎり、当分期待できそうも
ないなー。

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