goo blog サービス終了のお知らせ 

岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

官僚は自分たちが作った法律をどう思っているのだろうか。

2009-09-19 22:21:23 | 国民と国会と政治
スタートした新政権の動きを見ながら、
「証言 日本の社会福祉」蟻塚昌克著を読みながら、
もしかすると、私自身少し思い違いをしているのかもしれないと思った。

それは、官僚の皆さんが実質作っている法律は、彼らの意に沿わない法律が多いのではないだろうかということだ。

「証言 日本の社会福祉」には、戦後GHQ統治下の社会局⇒厚生省の官僚たちの考え方や行動が書かれている。

社会局(1922年発足)は、発足時から欧米の社会福祉や労働立法の情報を収集していた。
社会局官僚にとってこれらから垣間見る先進国の社会福祉は憧れの的であった。
提出はされなかったものの欧州並みのさまざまな関連法案を検討しており、
内部には局から社会省への格上げ構想もあった。
「社会局の先輩の悲願」とは、欧米並みの社会福祉のわが国への導入と定着であった。
なかでも意識されたのがイギリスモデルである。
とはいえ、悲しいことに夢と現実の落差はあまりにもある。せいぜい社会局は救護法で甘んぜざるをえなかった。
道は果てしなく遠い。

だが、晴天の霹靂が起こった。GHQ命令だ。
「夢のまた夢」である先進国モデルを無条件でただちに構築すべき至上命令として登場してきた。
この絶好の機会を、時の官僚たちは自らの英知で(単に命令ではない)で、戦後社会福祉制度を構築していったという。
(要約部分もあります)

この話を現在の状況に当てはめるのは無理があるが、私は厚生官僚が作りたくて作っている法律は
少ないのではないかと思う。
予算削減の中、自立支援という言葉を利用しなくてならない仕事もあったのではないだろうか。

障害者自立支援法も苦し紛れの法律である。
介護保険2005年「改正」、後期高齢者医療制度。
理念とは関係のない制度設計である。

官僚自らが、したい仕事ができる時がきたのかもしれない。
もちろん、今までの政治と密着していた官僚にとってもとんでもない時代になったわけであるが。

私は期待していいと思う。
人間はだれでも、世の中の役に立ちたい。評価されたい。
これは当然の気持だ。

ならば、官僚たちにとっても「チェンジはチャンス」と言い切りたい。


※写真は倉敷川


最新の画像もっと見る