昨日お伝えしたように、今日は納涼祭があった。
予定通り、さしたる企画もなく、サクッと終わった。
ひと段落ついた午後三時過ぎ、三人の面会客があった。
五年八ヶ月ほど前から入居されている女性に、ご長女とご長男夫妻が会いにこられたのだ。
皆さん立派な方たちである。
ご長男は数年前に病に倒れて、一時は生命が危ぶまれるほどだった。
難手術後、奥様の献身的な援助とご本人のリハビリ努力の成果で、少しずつ回復していった。
今年の初めに面会されたときは、車椅子に乗られた。
だが今日は、杖を突いてずっと自力歩行をされた。
90歳をいくつも超えたご入居者は、「だれ?何しに来たの?」と、大声で不思議そうに問われた。
認知症状はかなりある方だが、そのせいばかりではないようだった。
驚きや喜び、それから本来その方の気性奥深くに潜む「衒い」が、こんなときにも出ているように感じられた。
そして、面会が終わった約一時間後。
お部屋から出るところにバッタリ私は出くわした。
入居者の女性は、すっかり変わっていた。
「どこいっちゃうの?もう来ないの?」
と、悲しげな表情で訴える。
「また、すぐにいらっしゃいますよ」とお伝えすると、
「来るの?ホント?いつくるの?」
と、いつになく甲高い声色になっておっしゃった。
エレベーターのドアが閉まるとき、ご長男は心なしか視線を反らしておられたように思った。
入居者の女性は、介護スタッフによって大勢の入居者が待つホールに向かって行った。
こういう職場にいなければ、こういう深い感情と出会うことは難しかっただろう。
予定通り、さしたる企画もなく、サクッと終わった。
ひと段落ついた午後三時過ぎ、三人の面会客があった。
五年八ヶ月ほど前から入居されている女性に、ご長女とご長男夫妻が会いにこられたのだ。
皆さん立派な方たちである。
ご長男は数年前に病に倒れて、一時は生命が危ぶまれるほどだった。
難手術後、奥様の献身的な援助とご本人のリハビリ努力の成果で、少しずつ回復していった。
今年の初めに面会されたときは、車椅子に乗られた。
だが今日は、杖を突いてずっと自力歩行をされた。
90歳をいくつも超えたご入居者は、「だれ?何しに来たの?」と、大声で不思議そうに問われた。
認知症状はかなりある方だが、そのせいばかりではないようだった。
驚きや喜び、それから本来その方の気性奥深くに潜む「衒い」が、こんなときにも出ているように感じられた。
そして、面会が終わった約一時間後。
お部屋から出るところにバッタリ私は出くわした。
入居者の女性は、すっかり変わっていた。
「どこいっちゃうの?もう来ないの?」
と、悲しげな表情で訴える。
「また、すぐにいらっしゃいますよ」とお伝えすると、
「来るの?ホント?いつくるの?」
と、いつになく甲高い声色になっておっしゃった。
エレベーターのドアが閉まるとき、ご長男は心なしか視線を反らしておられたように思った。
入居者の女性は、介護スタッフによって大勢の入居者が待つホールに向かって行った。
こういう職場にいなければ、こういう深い感情と出会うことは難しかっただろう。