◆本と歩こう⑧◆
今回は、1月20日(月)に行われた「四季折々のむかし話 語り:藤巻愛子(ふじまき あいこ)」のご報告です。
山梨を代表する昔話の語り部、藤巻愛子さん。県内外で甲州弁の昔話を語って、45年になるそうです。
この語りの会は、第12回藤村ライブとして、藤村記念館で開催されました。
(主催:NPO法人甲府駅北口まちづくり委員会 入場無料 午後2時開演)
▲当日配布されたプログラムとチラシ
会場は満席で、臨時席が設けられるほど。舞台には猫柳や菜の花が飾られて、早春の趣に。
そして、和服姿の藤巻愛子さんが登場すると、たくさんの拍手とともに客席が沸きました。
藤巻さんの「おっぱじめても、ようごいすけぇ(はじめても、いいですか)?」という掛け声に、
「ようごいすよぉ(いいですよ)」と観客の皆さんが応じて、むかし話の世界が始まりました。
▲ほっこりと心地よい語りで魅了する藤巻さん
▲会場全体があたたかい雰囲気につつまれて
【プログラム】
第1部 ①五臼の餅 ②ネズミの見合い ③喰わず女房 ④字のない手紙 (休憩)
第2部 ①猿のひとりごと ②小山のおかんなりさん ③屁っぴり嫁 ④笛吹権三郎 ⑤鬼は内
お正月の餅つきの話や、端午の節句のやまんばの話。笛吹市境川の雷の話に、柿の実を屁で落とす嫁の話。動物たちや夫婦、節分の話など、笑いあり涙ありの四季折々の昔話を、時空を超えてしみじみと味わったひとときでした。
▲終演後の花束贈呈
▲語りの会の(希少な)男性メンバーからも
終わりに、藤巻愛子さんが指導されている山梨むかしがたりの会の公演予定について紹介がありました。
◆『聴いておくんなって きさらぎ*昔語りの会 』 (出演:きしゃごグループ)
令和2年2月1日(土) 開場:午後1時 開演:午後1時30分 甲州市民文化会館3階 第2研修室(入場無料)
◆『聴いておくんなって 弥生 むかし語りの会』 (出演:かっこんじょグループ)
令和2年3月8日(日) 開場:午後1時 開演:午後1時30分 甲府市立図書館 視聴覚ホール(入場無料)
上記グループのほか、「つくしんぼうグループ」・「えんまるグループ」も公演を行っています。
甲州弁の民話を多くの方に楽しんでもらい、未来に継承することを目的に活動しています。
四つのグループともに、いつでも「会員募集中」です。年齢制限はありません。
学校や福祉施設でも活動中です。ご興味のある方はぜひ、各公演にて会員の方にお問合せください。
~本と歩こう⑧~ 今回は、藤巻愛子さんの著作から2冊をご紹介します。
(※書影は藤巻さんの承諾を得ています)
①『藤巻愛子が語る 山梨のむかし話と伝説 第一集』 藤巻愛子/再話・絵 甲州弁民話房
2005年 定価1,000円(絶版) (右)
②『甲州弁で語る山梨の昔話と伝説 第二集』 2010年 定価1,200円(税別) (左)
藤巻愛子さんが、長年のフィールドワークで採集・再話した、山梨県の昔話集(2冊)です。
「山梨の風土と歴史、甲州弁のぬくもりを、子どもたちに語って聞かせてほしい」という、
藤巻さんの願いがこめられています。ぜひ多くの方に手に取っていただきたい本です。
◆藤巻愛子さんのこれからの予定◆
藤巻さんは現在、「甲府開府500年」にちなみ、『武田氏の伝説』の再話に取り組まれています。
信虎が信玄の誕生を夢見たという『夢見山』からはじまり、勝頼亡き後、信長の寺社焼き討ちから逃げのびたという僧侶の話『黒ほっさん』まで11話を、武田氏三代の伝説を語りむけに再編集されました。
(出典:『山梨県の武田氏伝説』笹本正治編・著 山梨日日新聞社 1996年)
この『武田氏の伝説』は、山梨むかしがたりの会の皆さんとともに、今年から県内各地で公演されるそうです。今後の活動にもご注目ください♪♪
― 藤巻愛子さん、山梨むかしがたりの会の皆さん、取材へのご協力ありがとうございました ―
機会がありましたら、ぜひ甲州弁のむかし話のひとときをお楽しみください。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。