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甲府市の市民レポーターがこうふの話題をお届け!

湯村・厄地蔵さんと温泉福祉施設

2013-01-15 11:00:00 | 地域スポット

 弘法大師の時代から続く信仰と温泉活用  


こんにちは、市民レポーターの内藤です。
塩澤寺で毎年行われる「厄除け地蔵尊祭り」が近づいてきました。

そこで今回は、文化遺産としても有名なお寺「塩澤寺」と
「厄地蔵~湯村温泉通り」の中心地にある「志麻の郷・湯村」や、
「湯村温泉病院」等の健康・福祉関係施設についてご紹介します。 

 

◆◇◆ 春を呼ぶ「厄除け地蔵尊祭り」について ◆◇◆

毎年2月13日PM~14日AMにかけて10数万人が訪れる厄除け地蔵尊祭りは、
湯村温泉街入口から温泉街観光道路沿いに露天が軒を連ね、多くの方が訪れることで有名です。

塩澤寺のお地蔵さんは、普段は耳が聞こえないのですが、
2月13日正午から14日正午にかけては耳がよく聞こえるといわれ、
願いを聞いてもらおうと厄払いや願かけに、また、ご利益にあやかろうと、
たくさんの参拝客が全国各地から訪れます。

湯村厄地蔵・塩澤寺の正門
  この階段下が伊勢町循環バス通り

 

◆◇◆ 「塩澤寺・厄地蔵さん」の歴史 ◆◇◆

大同3年(808年)に甲府地区・湯村を真言宗の祖・弘法大師が「諸国・大衆救済」行脚で訪れました。
その際に、当地にて厄除け地蔵大菩薩の霊験を感じ、六寸余りの坐像を彫刻され、
その尊像を開眼されたのが塩澤寺・龍源寺の始まりであり、
2013年で開創1205年になるといわれています。

以来救いを求めて、近隣の老若男女が2月14日・15日に多数参拝する伝統が築き上げられたのです。
その後、天暦9年(955)年、文永3年(1266年)に有名高僧等が訪れて、さらに霊験を感じ、
今日の風評を形成したといわれています。

徳川時代の1643年には京都から良純親王(京都知恩院初代門跡)が帝命で流されて、
湯村温泉郷に幽閉されました。(旅館明治入口にはその史跡表示があります。)

良純親王は、後陽成天皇の第8王子ですが、
天皇の怒りに触れて京都を追われて甲州に流されたのです。
しかし親王は信仰深く厄地蔵尊を拝み、病や事故で不運となった人を慰めたそうです。

 

◆◇◆ 厄地蔵・塩澤寺の歴史と関係した福祉施設 ◆◇◆

皇室の方々が宿泊する常磐ホテルや、
高級温泉の柳屋、甲府富士屋ホテル等を含めた大小いくつかの温泉宿は、
武田信玄公が愛用・推薦した「隠し湯」としても歴史的に有名です

この温泉街本通りに沿って、いくつかの健康・福祉・老人介護施設が開業したのも、
「厄除け地蔵・塩澤寺」と、湯村山火山の豊富な温泉の存在があるからではないでしょうか。

湯村地区に伝統を誇ったかつてのホテル湯伝(2008年閉館)は、
「特別養護老人ホーム・志麻の郷・湯村」に姿を変えました。

私が学生時代に入浴した男女混浴可能な技芸衆でにぎやかだった「千人風呂」は、
今は姿を変え「湯村温泉病院」という温泉活用の健康福祉施設となり、病理・福祉面でも活用されています。

その他の施設も、塩澤寺・厄地蔵尊・弘法大師の信仰と関係した福祉施設として、
現在も温泉資源を活用しています。

 

湯村温泉街のバス通り
  この道路に沿って温泉ホテルと福祉施設の「介護センター」が多数分布している。
  右端が旧・ホテル湯伝(現・特別養護老人ホーム・志麻の郷・湯村)
  道路前方正面が常磐ホテル

 

◆◇◆ 湯村地域に残る弘法大師の遺跡を守っていきましょう ◆◇◆

湯村地域には、弘法大師が杖を突いたところから温泉が湧き出たという「杖の湯」や、
馬が体休めに入浴したという「馬の湯」、鷲が傷ついた脚を癒した「鷲の湯」等の伝統的温泉があります

また、厄除け地蔵・塩澤寺には、国指定重要文化財・地蔵堂、県指定文化財3点、
県指定天然記念物・舞鶴松、市指定天然記念物・しら樫などの文化財的資産がいくつかあります

なかでも、重要文化財の塩澤寺地蔵堂は、室町時代末期の建築で、
和様・唐様の混合した密教・真言宗風の地方の代表的史跡ともいわれています。

厄年の老若男女が厄払いに多数参拝する「厄地蔵さん祭り」は、
甲府市の文化財行事としても意義があります。

甲府市・湯村温泉郷の発展を期待して、これらの文化財を守り、
私たち市民が甲府市湯村温泉街を活用していこうとすることが大切です

今回のブログで少しでも塩澤寺や湯村温泉郷に興味を持った方は、
「西山郡志・甲斐国社記寺記」で「厄地蔵さん」のいわれ等をぜひ学習してみてください
生涯学習をしながら、温泉と福祉施設の普及・研究に市民一同が励んでいくことができれば、
この素晴らしい伝統や文化を後世に残していくことができるのではないでしょうか

「塩澤寺」正門東端の県天然記念物「五葉松の大木」

 

正門をくぐり、階段を上り詰めると、 国指定重要文化財・地蔵堂が納入されている本殿が見られる。
  ここにお賽銭を入れて祈願します。

 

 


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