アリスは自分を襲ったワイバーンを探した。
直ぐに見つけた。
近くで低空を旋回飛行している奴だ。
その下、地上には別のワイバーンがいた。
それはドタンバタンと藻掻き苦しんでいた。
断末魔か、・・・。
ああ、股間をロックオンした個体か。
それを旋回飛行している成体が見下ろしながら、
時折、アリスの方を警戒していた。
様子から二頭は番と判断した。
アリスは片割れも撃墜する事にした。
この位置からでは腹部が狙い辛い。
相手を刺激せぬ様にやっくり着地した。
よし、着弾点は狭いが狙える。
妖精魔法を起動した。
とっ、相手がこちらの意図に気付いた。
素早いブレス。
ウィンドスピアを放たれた。
【自動回避】はなし。
【探知、察知、魔力障壁ドーム】を選択した。
これでワイバーンのブレスに耐え切れるか、たぶん、耐え切れる。
試した。
ブレス・ウィンドスピアが風魔法を纏い、襲来した。
速い、大きい。
中々の威力だと分かった。
即、術式が立ち上がった。
魔力障壁ドームが、寸前で、ブレスを押し返す感じで張り巡らされた。
円形で機体を覆い、ブレスを押し返しつ、流す様に逸らした。
離れた地点に着弾した。
土塊が幾つも飛び、土埃が舞い散った。
そこに残ったのは小規模のクレーター。
アリスは機体を奴に合わせつ横へスライド、上を飛ぶ奴をロックオン。
これまた股間に光槍・ライトスピアを三連射した。
一射目で奴のシールドを破壊、
二射目、三射目が奴の股間に着弾。
奴の悲鳴。
上空で血肉が飛び散った。
アリスは慌てて離脱した。
危ない危ない、機体を汚してしまう。
【防寒、防暑、防水、防塵、防汚、防刃、防火】の術式が施されているが、
ワイバーンの血肉は御免被る。
アリスは仲間達を見た。
全機がノルマを達成したのか、気儘に戦っていた。
速度を上げて遊ぶ様に追い込む機体、蝶の様に舞って戦う機体、
戦いにそれぞれ個性が出ていた。
緩くはあるが、逃す気はなさそうだ。
そんなアリスに再びの危機。
低空飛行なので、森に潜む魔物の好奇心を刺激したのだろう。
大きなオーガが飛び出して来た。
角を持つ二足歩行の魔物だ。
こちらを魔物・コールビーと認識し、
頭上に振り翳す太い棍棒で叩き落すつもりらしい。
実際のコールビーよりちょっと大きいのだけど、たぶん、誤差の範囲かな。
まあ、良いけど。
アリスは余裕。
まずライトスピアで棍棒を真っ二つ。
続けてオーガの額にもライトスピア。
豆腐でもあるかの様に貫通した。
大きな個体がドッと倒れた。
せっかくだから魔卵を採取した。
ハッピーが傍に寄って来た。
『プップー、楽しいッペー』
『アンタもね』
皆を見回した。
残りのワイバーンは少ない。
一頭、二頭、三頭。
手が空いた妖精達はワイバーンの部位と魔卵の採取に励んでいた。
熱心なのは、お土産を期待しているダンジョンスライムを慮ってのこと。
何せ彼等彼女等は錬金による模倣も可能なのだが、
何よりもオリジナルを好む。
技術者としての拘りなのかも知れない。
後始末を終えた仲間達が一堂に会した。
誰からともなく、これからどうする、となった。
アリスは即答。
『人間の戦の帰趨を確認するわよ』
関わるつもりは毛頭ないが、気には掛かる。
早速、戦場へ引き返した。
それ程こちらとは離れてはいない。
森を一つ挟んだだけ。
ワイバーン群とあれだけの空戦を繰り広げたと言うのに、
人間は自分達の戦を止めなかった。
そして終始一貫して戦い抜いた結果がこれ。
あちらこちらに屍を晒し、大量の負傷者を放置していた
その負傷者に魔物が喰い付いていた。
屍より、新鮮な負傷者なのだろう。
魔物は正しい選択をしていた。
戦はと見ると、西の都城へ移動し、様相を変えていた。
野戦から攻城戦へと。
でもそれもそろそろ終わる。
決着ではなく、疲労の蓄積だ。
早朝から激戦続き。
朝駆け、陣地移転、突撃敢行、スタンピード、疲れない訳がない。
まだ昼前だというのに国軍が退いた。
外壁攻撃を止め、包囲陣構築に転じた。
キャメルソン傭兵団は城郭都市の中にいた。
練兵場らしき広い場所を占有していた。
当初は千余の頭数だったものが、眼下では半減。
手当てを受けている個体も多い。
それを見て妖精の一人が口にした。
『ちょっと皆、傭兵団にしては被害が多過ぎるわね』
その妖精が説明した。
傭兵団を維持するには、大きな被害を被る前に敗走するのが常識。
あれれっ、もしかして、傭兵団は隠れ蓑。
であれば納得できる。
西から、砂漠に点在するオアシス国家群を通って稼ぎに来た。
それにどれだけの経費が掛かるのか、誰も不審に思わないのだろうか。
そして、この被害。
これで収支を黒字にするには、・・・。
別の妖精が応じた。
『少なくても、九州の一角に足場が欲しいわね』
三人目の妖精。
『足場』
『そうよ、この先もこの国で傭兵活動できる足場がね。
そうすれば永続的に営業できるでしょう。
でなければ、傭兵団は隠れ蓑で、その正体は、西の方の国家かもね』
『国家の先兵だったら大変じゃない。
島津伯爵はそれを承知してるのかしら』
『どうなのかしらね』
『目の前の戦で一杯一杯か、だったら本当に大変だわ。
私達、どうしよう』
アリスは決断した。
『面倒臭いわね。
訳が分からないけど、潰せば問題解決でしょう』
ハッピーが呆れた。
『パー、訳が分からないから潰すの。
それで解決になるの』
『そこ、ぐちゃぐちゃ言わない。
問題は拳で解決するのよ。
これ世界の鉄則』
直ぐに見つけた。
近くで低空を旋回飛行している奴だ。
その下、地上には別のワイバーンがいた。
それはドタンバタンと藻掻き苦しんでいた。
断末魔か、・・・。
ああ、股間をロックオンした個体か。
それを旋回飛行している成体が見下ろしながら、
時折、アリスの方を警戒していた。
様子から二頭は番と判断した。
アリスは片割れも撃墜する事にした。
この位置からでは腹部が狙い辛い。
相手を刺激せぬ様にやっくり着地した。
よし、着弾点は狭いが狙える。
妖精魔法を起動した。
とっ、相手がこちらの意図に気付いた。
素早いブレス。
ウィンドスピアを放たれた。
【自動回避】はなし。
【探知、察知、魔力障壁ドーム】を選択した。
これでワイバーンのブレスに耐え切れるか、たぶん、耐え切れる。
試した。
ブレス・ウィンドスピアが風魔法を纏い、襲来した。
速い、大きい。
中々の威力だと分かった。
即、術式が立ち上がった。
魔力障壁ドームが、寸前で、ブレスを押し返す感じで張り巡らされた。
円形で機体を覆い、ブレスを押し返しつ、流す様に逸らした。
離れた地点に着弾した。
土塊が幾つも飛び、土埃が舞い散った。
そこに残ったのは小規模のクレーター。
アリスは機体を奴に合わせつ横へスライド、上を飛ぶ奴をロックオン。
これまた股間に光槍・ライトスピアを三連射した。
一射目で奴のシールドを破壊、
二射目、三射目が奴の股間に着弾。
奴の悲鳴。
上空で血肉が飛び散った。
アリスは慌てて離脱した。
危ない危ない、機体を汚してしまう。
【防寒、防暑、防水、防塵、防汚、防刃、防火】の術式が施されているが、
ワイバーンの血肉は御免被る。
アリスは仲間達を見た。
全機がノルマを達成したのか、気儘に戦っていた。
速度を上げて遊ぶ様に追い込む機体、蝶の様に舞って戦う機体、
戦いにそれぞれ個性が出ていた。
緩くはあるが、逃す気はなさそうだ。
そんなアリスに再びの危機。
低空飛行なので、森に潜む魔物の好奇心を刺激したのだろう。
大きなオーガが飛び出して来た。
角を持つ二足歩行の魔物だ。
こちらを魔物・コールビーと認識し、
頭上に振り翳す太い棍棒で叩き落すつもりらしい。
実際のコールビーよりちょっと大きいのだけど、たぶん、誤差の範囲かな。
まあ、良いけど。
アリスは余裕。
まずライトスピアで棍棒を真っ二つ。
続けてオーガの額にもライトスピア。
豆腐でもあるかの様に貫通した。
大きな個体がドッと倒れた。
せっかくだから魔卵を採取した。
ハッピーが傍に寄って来た。
『プップー、楽しいッペー』
『アンタもね』
皆を見回した。
残りのワイバーンは少ない。
一頭、二頭、三頭。
手が空いた妖精達はワイバーンの部位と魔卵の採取に励んでいた。
熱心なのは、お土産を期待しているダンジョンスライムを慮ってのこと。
何せ彼等彼女等は錬金による模倣も可能なのだが、
何よりもオリジナルを好む。
技術者としての拘りなのかも知れない。
後始末を終えた仲間達が一堂に会した。
誰からともなく、これからどうする、となった。
アリスは即答。
『人間の戦の帰趨を確認するわよ』
関わるつもりは毛頭ないが、気には掛かる。
早速、戦場へ引き返した。
それ程こちらとは離れてはいない。
森を一つ挟んだだけ。
ワイバーン群とあれだけの空戦を繰り広げたと言うのに、
人間は自分達の戦を止めなかった。
そして終始一貫して戦い抜いた結果がこれ。
あちらこちらに屍を晒し、大量の負傷者を放置していた
その負傷者に魔物が喰い付いていた。
屍より、新鮮な負傷者なのだろう。
魔物は正しい選択をしていた。
戦はと見ると、西の都城へ移動し、様相を変えていた。
野戦から攻城戦へと。
でもそれもそろそろ終わる。
決着ではなく、疲労の蓄積だ。
早朝から激戦続き。
朝駆け、陣地移転、突撃敢行、スタンピード、疲れない訳がない。
まだ昼前だというのに国軍が退いた。
外壁攻撃を止め、包囲陣構築に転じた。
キャメルソン傭兵団は城郭都市の中にいた。
練兵場らしき広い場所を占有していた。
当初は千余の頭数だったものが、眼下では半減。
手当てを受けている個体も多い。
それを見て妖精の一人が口にした。
『ちょっと皆、傭兵団にしては被害が多過ぎるわね』
その妖精が説明した。
傭兵団を維持するには、大きな被害を被る前に敗走するのが常識。
あれれっ、もしかして、傭兵団は隠れ蓑。
であれば納得できる。
西から、砂漠に点在するオアシス国家群を通って稼ぎに来た。
それにどれだけの経費が掛かるのか、誰も不審に思わないのだろうか。
そして、この被害。
これで収支を黒字にするには、・・・。
別の妖精が応じた。
『少なくても、九州の一角に足場が欲しいわね』
三人目の妖精。
『足場』
『そうよ、この先もこの国で傭兵活動できる足場がね。
そうすれば永続的に営業できるでしょう。
でなければ、傭兵団は隠れ蓑で、その正体は、西の方の国家かもね』
『国家の先兵だったら大変じゃない。
島津伯爵はそれを承知してるのかしら』
『どうなのかしらね』
『目の前の戦で一杯一杯か、だったら本当に大変だわ。
私達、どうしよう』
アリスは決断した。
『面倒臭いわね。
訳が分からないけど、潰せば問題解決でしょう』
ハッピーが呆れた。
『パー、訳が分からないから潰すの。
それで解決になるの』
『そこ、ぐちゃぐちゃ言わない。
問題は拳で解決するのよ。
これ世界の鉄則』