《ニュース》

オーストラリアを訪問した中国の李強首相が16日、現地の動物園に新たなパンダを貸与することを発表しました。5月末にはアメリカ・ワシントンの国立動物園が、新たに2頭のパンダを中国から迎えることを発表しています。

 

《詳細》

オーストラリア南部のアデレート動物園では、中国から貸与されていたジャイアントパンダ2頭について、年内に貸与期限が切れる予定となっています。中国の首相として7年ぶりにオーストラリアを訪問した李強氏は、到着後最初の予定をアデレートで過ごし、新たなパンダのつがいを貸し出すことを表明しています。

 

オーストラリアはモリソン首相の時代に、新型コロナの起源を巡って、「中国で国際的な調査を行うべき」と呼びかけており、中国はオーストラリア産の材木や石炭の輸入を禁止しました。オーストラリア産ワインには200%以上の関税をかけていました。しかし、2022年に労働党のアルバニージー首相が就任すると、両国の関係は改善し、ワイン関税は3月に撤廃されていました。

 

また、アメリカはトランプ政権時代、米中関係の悪化に伴いパンダの契約が進んでおらず、2018年、19年にはサンディエゴの動物園で飼育されていたパンダが予定よりも早く中国に返還。ワシントン国立動物園のパンダ2頭も予定より早く中国に返還されることとなりました。

 

一方、バイデン政権下では2023年11月に習近平国家主席が6年ぶりに訪米し、習氏は「パンダ保護に関する米国との協力関係を継続する用意がある」と発言。5月末にはワシントン国立動物園が、新たに2頭のパンダを迎えることを発表しました。

 

この習氏の訪問の際、米商務省が貿易制裁リストに載せていた中国公安部・法医学研究所をリストから外すなどの譲歩を引き出しています。法医学研究所は、トランプ政権時代の2020年5月、中国政府が主導するムスリム少数民族に対する人権抑圧への加担を理由に、制裁リストに加えられていました。