言葉の遅い子・心を育てる育児相談

親子信頼関係を深める子育て。心&脳&感性を磨く方法。料理・語学・介護・哲学・音楽ライブ活動等を日頃の感謝と共に綴ります!

「ダダこね育ち」のすすめ

2007-06-28 20:23:36 | 母:親子の愛着・信頼関係を深める子育て法

「ダダこね育ち」のすすめ

            =育児学級・育児相談・一歳6か月児健診配布教材=

  私は以前、阿部秀雄先生の「心を育てる抱っこ法」を読ませていただき、乳幼児期にそのように努力したお陰で娘が発語できたのだと確信、感謝しております。阿部先生の文章を読ませていただくにつれ、私の頭の中に「インフォームド・コンセント」という言葉が思い浮かびます。

 医療現場で、医師の十分な説明に基づく患者の同意をインフォームド・コンセントと言います。医師が手術前後に予想されるすべての過程を患者に細かく説明することによって、その結果、たとえ痛みがあっても患者の不安は和らぎます。「患者にとってどうするのが最も幸せなのか」を考え、幾つかの選択肢を示してくれる医療こそが、本当のインフォームド・コンセント(十分な説明上の同意)だと信じています。

 これは日常的な親子関係はもちろん、あらゆる人間関係にも当てはまる大切なコミュニケーション方法だと思いませんか?

 ~子どもの本音は「かくれんぼが大好き」~
 
子どもは心の中の思いをストレートに表現するのが上手ではありません。だから親に自分の本音を気づいてほしくて間接的に伏線を置いて話してしまいます。その子なりの音色(泣き声)・しぐさや行動で親にサインを送ります。でも、そのサインは親を困らせる形で表れることが多いので要注意!この時の見極めが明暗を分けるキーポイントなのです。 

 子どもが泣くとうるさくて困るからと、泣かせないように、すぐにお菓子やおもちゃを与えてしまっているとしたら、貴方は大切なインフォームド・コンセントの機会を逃していることになります。
 子どもが泣くという表面的な形に惑わされずに、何故そうしているのか?(泣いているのか?)親を困らせるのか?の原因・経過を考えて、その時の子どもの気持ちを親が代弁し、共感し、説明と同意を十分に続けていく必要性を強く感じます。

 家の中でなら周囲に気を使わず、親はじっくり子どもの気持ちに寄り添い、子どもも思い切り泣くことが出来ます。でも外では世間体が気になり、そう上手くは出来ません。特に電車やバスの中で乳幼児が泣くと「親の躾が悪い、静かに!」という視線のナイフを周囲から感じてしまうのは苦しい限りです。

 乳幼児のコミュニケーション方法の大切な「泣く」という行為に対して、もっと理解を示し、温かく見守れる社会的背景を望みます。その為にももっと、より多くの方々にこの小冊子「ダダこね育ち」のすすめを読んで頂きたいと声を大にしてお願い申し上げます。  

     小冊子 「ダダこね育ち」のすすめ 著者  阿部秀雄 
                  発行所  社団法人日本家族計画協会 
                           問い合わせ  ジャフパ☎03・3269・4727    

  -P.S- 平成12年度 市の中央公民館に、阿部秀雄先生が来て下さり、初の第一                回教育講演会「癒しの子育てと抱っこ法」が実現出来ました。


「言葉の遅い子育児相談」窓口の連携

2007-06-26 17:21:38 | 母:統合教育「障害のある子も普通学級へ」

         「言葉の遅い子育児相談」窓口の連携

 長女の発語がなかった頃の約五年間、私達親子はありとあらゆる行政機関の相談所や病院へ何度も足を運びました。
 しかし、そこでは「六歳から十歳までに言葉が出なければ望みは薄いでしょう。」とか「四歳だけど二歳程度の知能です。」などと親を気落ちさせてしまう検査や知能テストの結果ばかりが強調され、更なるあせりと不安に悩まされてしまいました。
 肝心な日常生活における子どもとの接し方や具体的な言葉かけの指導方法が受けられた所は少なかったように思われます。

 それで、遠くまで色々な教育講演会を聴きに行き、良かれと思う本をとことん読破し続けました。娘のお陰で、より新たに多くのことを学び、充実感を得ることが出来ました。
 その中でも、言葉が出る基礎になる母子の愛着と親子の信頼関係が大切に書かれている「心を育てる抱っこ法」「子育ての新しい世界・親業」の本は私の心の拠所となりました。
 そこから学んだ指導方法に子どもを決して無理に当てはめるのではなく、その方法を子ども本人に合う興味の持てるやり方にアレンジし、即実行に移しました。

 そして、心の抱っこ法でもある代弁を、どこでもどんな時でも恥ずかしがらずに、娘の気持ちと状況を周囲の人たちにも理解できるように話し続けてきたことが、発語のきっかけを生み出したと確信しています。

 医師や専門相談員による子どもの為の指導方法も大切ですが、その子どもを支えている母親自身の悩み・不安を取り除き、明るく前向きに子育てが出来るような親の心のケアが、第一に必要だと感じました。 

 そして、以前の私のように子どもの言葉が遅くて悩んでいるお母さん方の不安を少しでも和らげるお手伝いが出来たらと思い、今までの経験と幼稚園教諭の資格を活かして「言葉の遅い子育児相談」の窓口を開こうと決意しました。
 
 行動し始めたのは、平成9年の1月からでした。まず、市役所の保健婦さん・一歳半健診の心理の先生・福祉事務所の主任児童委員・児童相談所・かかりつけの小児科・保健所・総合病院など、教育・医療・福祉関係の方々に私の思いを伝えに行きました。
 次に、出身校の同窓会記念誌・地域の子育て通信・サークル機関誌等に投稿し、教育委員会生涯学習課が発行する「子育てサークル&団体情報誌」・生協たすけあいネットワークに記事掲載をお願いし、社会福祉協議会の個人ボランティア登録もさせていただきました。
 
 そうした結果、福祉事務所・総合福祉センターから講師依頼を受け「子育て」の講演をさせていただく機会に恵まれました。少しずつですが、小児科からの紹介、各方面からの電話相談、時には来訪を受けて、具体的なお薦め資料をお渡しすることが出来ました。 

 そして、「この内容を読んで実践したら言葉が出た、増えた。」と報告を聴けた瞬間、今まで大変だった自分の子育てが報われたような、又、私達親子が今までお世話になった方々に少しでもご恩返しが出来たような気がして、嬉しさと感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。 

 反対に苦しい状況を知ることにもなりました。地域によってはハンディのある子の幼稚園入園を拒んでいる。健常児においても言葉が少ない遅い子は、言葉が増えるまで入園を見合わせている。
 やっと、保育園に入園できても対応が不十分。このような状況を知ってしまうと、教育・医療・福祉関係の学校授業の枠組みに言葉の遅い子・ハンディのある子の子育て講演会を是非取り入れて頂きたいと思わずにはいられません。 

 更に、子どもの世界で、いじめ・不登校・自殺・学級崩壊・傷害事件などが起こる問題の原因は乳幼児期に親子の信頼関係の基礎ができているか、というところまで遡ると以前新聞報道されていました。 
 それは、発育・言葉の遅い子・ハンディのある子にとって、最も重要な「人間関係の基本的信頼感を確立すべき親子の絆」がまさに今、求められている「親学」の緊急提言に成りえると裏付けられるような記事でした。
 
 そこで、これから初めて育児のスタート地点に立つ親達が迷わず安心して子育てができるように、病院・保健所」・児童相談所・御役所・文部科学省・教育関係者の先生方にお願い申し上げます。
 母子手帳の交付・母親(両親)学級受講・産婦人科入院から出産、退院までの間・出産後の乳児健診・乳幼児教室・一歳半、三歳児健診の時にこそ、子どもの健やかな成長に向けて、親子を無条件に結びつける「親学手帳」を是非、全世帯に公布していただきたいです。連携の必要性をひしひしと身にしみて感じる今日この頃です。  

   参考文献:「心を育てる抱っこ法」 阿部秀雄著 日本学校図書
 
     
          子育ての新しい世界「親業」 近藤千恵監修親業訓練協会編 企画室