「ダダこね育ち」のすすめ
=育児学級・育児相談・一歳6か月児健診配布教材=
私は以前、阿部秀雄先生の「心を育てる抱っこ法」を読ませていただき、乳幼児期にそのように努力したお陰で娘が発語できたのだと確信、感謝しております。阿部先生の文章を読ませていただくにつれ、私の頭の中に「インフォームド・コンセント」という言葉が思い浮かびます。
医療現場で、医師の十分な説明に基づく患者の同意をインフォームド・コンセントと言います。医師が手術前後に予想されるすべての過程を患者に細かく説明することによって、その結果、たとえ痛みがあっても患者の不安は和らぎます。「患者にとってどうするのが最も幸せなのか」を考え、幾つかの選択肢を示してくれる医療こそが、本当のインフォームド・コンセント(十分な説明上の同意)だと信じています。
これは日常的な親子関係はもちろん、あらゆる人間関係にも当てはまる大切なコミュニケーション方法だと思いませんか?
~子どもの本音は「かくれんぼが大好き」~
子どもは心の中の思いをストレートに表現するのが上手ではありません。だから親に自分の本音を気づいてほしくて間接的に伏線を置いて話してしまいます。その子なりの音色(泣き声)・しぐさや行動で親にサインを送ります。でも、そのサインは親を困らせる形で表れることが多いので要注意!この時の見極めが明暗を分けるキーポイントなのです。
子どもが泣くとうるさくて困るからと、泣かせないように、すぐにお菓子やおもちゃを与えてしまっているとしたら、貴方は大切なインフォームド・コンセントの機会を逃していることになります。
子どもが泣くという表面的な形に惑わされずに、何故そうしているのか?(泣いているのか?)親を困らせるのか?の原因・経過を考えて、その時の子どもの気持ちを親が代弁し、共感し、説明と同意を十分に続けていく必要性を強く感じます。
家の中でなら周囲に気を使わず、親はじっくり子どもの気持ちに寄り添い、子どもも思い切り泣くことが出来ます。でも外では世間体が気になり、そう上手くは出来ません。特に電車やバスの中で乳幼児が泣くと「親の躾が悪い、静かに!」という視線のナイフを周囲から感じてしまうのは苦しい限りです。
乳幼児のコミュニケーション方法の大切な「泣く」という行為に対して、もっと理解を示し、温かく見守れる社会的背景を望みます。その為にももっと、より多くの方々にこの小冊子「ダダこね育ち」のすすめを読んで頂きたいと声を大にしてお願い申し上げます。
小冊子 「ダダこね育ち」のすすめ 著者 阿部秀雄
発行所 社団法人日本家族計画協会
問い合わせ ジャフパ☎03・3269・4727
-P.S- 平成12年度 市の中央公民館に、阿部秀雄先生が来て下さり、初の第一 回教育講演会「癒しの子育てと抱っこ法」が実現出来ました。