受け止める横綱(左)
大相撲名古屋場所9日目、いちばんの見物は横綱・照ノ富士と小結・大栄翔が対戦した結びであった。
休場明けの横綱がここまで勝ち続けるとは予想していなかった。2敗なら上出来くらいに思っていた。
その横綱にとって一番の難敵が大栄翔である。2敗は不戦敗を含むとはいえ両者の対戦成績は照ノ富士の8勝7敗。
幕内全力士の中で立ち合いの推進力ナンバーワンが大栄翔である。照ノ富士が負けるときは立ち合いで一気にふところに飛び込まれてのけぞる。そうなると低い体勢の大栄翔に一気に押し出される。そのシーンを何度も見てきた。
大栄翔は天敵である。相撲は単純明快に前へ出る推進力であると大栄翔は教えてくれる。
立ち合いにすべてがある。
照ノ富士は受けて上体が伸びない。大栄翔がしゃにむに押して出るが横綱は下がらない。
このとき負けないだろうと思った。相手の攻撃を受けて余裕を感じた。
はたして大栄翔は次第に力を削がれていき土俵に這った。決まり手は「上手出し投げ」だが巌にぶち当って撥ね返された感じであった。
盤石である。
いちばん嫌な押し相撲を退けて追ってくるやからと2差。
今日取り組む霧島は敵ではない。前で出る力が鈍い。後は大関・琴櫻だが横綱の優位は揺るがない。
舞の海さんが稽古不足からくるスタミナ切れを心配していたが、今のところいけそうである。
こうなったときの横綱は優勝のしかたを熟知している。久々に2敗以内の優勝が見られそうである。
盤石に撥ね返された大栄翔
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