アパートの庭に去年の冬植えた蜜柑の木。
よもや今年、実がなるとは思ってもいなかった。4月ころ花が咲いたときも驚いたがその後、ふくらんできて実であることがわかった。
だんだん蜜柑の様相を呈してきて夏にはすっかりふくれた。緑色が秋になるにつれて黄変してきて食えそうになった。
今日思い切ってひとつ食べたら味は薄いがそうまずくない。
全部とった。
しかしだ、まだ木の高さがぼくの腰まで達していない。
人間でいえばこの木は15歳の少女である。
それが実をつけてどうなるのだ。
もっと身体じたいを太く高くしてから実をつければいいじゃないか。
ぼくは早熟を期待していない。早熟は早老に通じると思っている。
4年後、ぼくが70歳になったときこの木が2mくらいの高さにになって蜜柑を50個つけてくれることを望んでいる。
はやく木じたいを大きくして実りにそなえてほしいと願うばかり。
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