10月19日(水)「あすチャレ!スクール」
「あぁ~⤵…」バスケットゴールにシュートが外れると、そんな声が体育館にもれてきます。『こういう時こそ「あぁ~⤵」ではなく、「頑張れ」とか「ファイト」と言った応援する言葉があると、プレーヤーの力になるよ』その言葉に子どもたちは、「はっ」とした様子です。子どもたちの応援の仕方が「あぁ~⤵」から「ドンマイ」「がんばれー!」「いけるよ!」と、前向きな声に変わりました。
このように、スポーツを見る視点を広げてくれているのは、あすチャレ!スクールの方たちです。今回のゲストティーチャーは、競泳をはじめアイススレッジスピードレースやパラアイスホッケーで夏冬パラリンピック合せて5回出場した 加藤正さんです。今日は、あすチャレ!スクールの方々と、共生社会(誰もが素敵に輝ける社会)について車いすバスケットボールを通して学習します。
ゲストの加藤さん(かとちゃん)は、小学2年生の時に左脚を失いました。その中で現在に至るまでの体験談を話して頂きました。小学生の時に体育の授業で、バスケットをした時、ドリブルができない自分に、「かとちゃんはゴール下にいてくれたらいいよ!パスを回すから」と言った友だちの声があったそうです。心づかいのあるように思える言葉ですが、加藤さんはこの時あまり楽しくなかったそうです。バスケットは、本来ドリブルや、パス回し、そしてシュートの要素があって、楽しむものです。加藤さんにとっては、シュートだけの役割では、本来の楽しさを知る機会とは言えなかったのではないでしょうか。
車いすバスケットボールは、車いすの操作ができれば、健常者も障がい者も同じようにチャレンジできます。(公平になるよう、細かなルールがあります)今日は、5・6年の代表の子どもたちに車いすバスケットボールの試合を体験してもらいました。試合のルール説明が始まると、その場を立って聞く子が出てきました。この真剣さが楽しさにつながる姿ですね。
試合開始、シュートが外れると「あぁ…」とため息が聞こえますが、(ここは応援だった!と気づいた子が)「頑張れー!」「まだいけるよ!」と前向きな声に変わっていきます。初めは、応援の仕方がわからないのか、車いすをこぐ音ばかりが聞こえていた体育館に、しだいに応援の声が増えてきました。こうした盛り上がりがでてくると、プレーヤーもどんどん輝きます。
試合終了後の子どもたちの感想は「車いすをこぐのが難しかったです…」でしたが、すかさず加藤さんが『でも?』と聞くと「でも、楽しかった!」と付け加えていました。そこからは「ゴールが高くて、シュートを決めれなかったけど、楽しかった」「自分にできるかな?と思ったけど、やってるうちに楽しくなってきました。機会があればみんなもやってみてほしいです」と、車いすバスケットの魅力を伝える声になっていました。みんな清々しい表情でした。
今日は、共生教育を学びました。「誰もがすてきに輝く社会」ってどんなものでしょう。公平なルールや、「みんなが同じように」、と言ったことも大切かもしれませんが、力を呼び起こす応援や、難しいことにチャレンジして楽しさをみつけていくことも、同じくらい大切なのでしょうね。
今日の学びから、さぁ、どんな小さなことでもいいので明日から新しいことにチャレンジできるといいです。
あすチャレ!スクールの方たちから、大切なことを、子どもたちも、先生たちも学ぶ機会になりました。あすチャレの皆さん、ありがとうございました。