サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

駐車場案内板(これもまた全国に拡がるお役所仕事の典型度80点)

2010年06月09日 | それでも世界は回る

ああ10億円…長野市、駐車場案内板撤去


読売新聞2010年6月9日(水)23:41


ああ10億円…長野市、駐車場案内板撤去
(読売新聞)


 長野市が設置した「駐車場案内システム」の運用が昨年末で終わり、撤去作業が進められている。


 有効性への疑問符がつき、認知度も高まらないままに終わった、この事業に10億円以上の税金が投入された。


 長野市は1997年、駐車場を探す観光客の車で、市中心部が渋滞するのを避けるため、国の補助も合わせ約8億1000万円をかけてシステムを整備。中心部の国道上などに、駐車場の空き情報を知らせる案内板24基を設置した。


 市交通政策課は、97年の善光寺御開帳や98年の長野冬季五輪では、駐車場待ちの車が減少し、「当初は一定の効果があった」と分析する。だが、その後は、不況の影響などで、市中心部の更地が増え、それに伴って時間貸し駐車場も増加。97年には約40か所(約4600台分)だったのが、昨年は約100か所(約7200台分)にまで増え、駐車場待ちも減った。


 システムの存在は、市民の間にも、あまり浸透しなかった。05年に市が行ったアンケートでは、「利用したことがある」市民は約29%、「有効」とした市民は約22%に過ぎなかった。同じ年に、システムに参加する駐車場の経営者を対象に行ったアンケートでも、「システムに参加して利用者が増えた」は0%で、「今後も必要」としたのは約38%にとどまった。


 さらに、年7万2000円~9万6000円かかる管理運営負担金を嫌い、97年度に24か所あった参加駐車場も、09年度には13か所にまで減った。案内板などの設備が老朽化し、部品製造が中止されたこともあり、市は09年末でシステムの運用を終えることを決定。昨年度から今年度にかけて、約2000万円かけて撤去作業を行っている。これまでにかかった維持管理費は計約2億4000万円。市都市計画課は「設置当時は役立ったが、パソコンや携帯電話、ナビなどで駐車場情報が取れるようになった。時代の流れに取り残された」としている。


 国土交通省街路交通施設課によると、国はこれまで、建設費の3分の1を補助して、約80都市で同システムの整備を支援してきた。だが、少なくとも十数か所の都市で、同システムはすでに廃止。地方行政に詳しい信州大経済学部の沼尾史久教授は「納税者からすれば、本当に有効かどうかの見通しがきかないまま事業を進めるのは困る」と話している。

こういうのがお役所仕事の最たるものである。
97年に設置されたということは、もうすでにモバイルによる情報提供やNAVIも進化しつつある時だった。
そのロードマップが読めれば、こんな馬鹿でかいシステム構築は不要であった。
全国に80都市でやられたということは、仮に長野と同じように10億円が事業費用や維持・撤去費用だとすれば、800億円近くが国と地方自治体で事業予算化されたということだ。
モデル事業整備というと聞こえはいいが、これぐらいの規模で全国に展開できるものが、お役人にとっては一番わかりやすく、予算分捕りしやすいものだ。
この情報システムの統括に、またぞろ国土交通省の息のかかった特殊法人やメーカーが絡んでいるような気もする。



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