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森毅・京都大名誉教授=2005年4月 |
【森毅さんが語る「この国はどこへ行こうとしているのか」(2005年11月掲載)】
1928年東京生まれ。父親が昭和恐慌のあおりで仕事を失い、5歳の時、両親と共に大阪府・豊中に移り住んだ。北野中学(現府立北野高校)から旧制三高へ進み、東京大理学部数学科を経て、51年北海道大助手。57年京大助教授、71年教授となり、数学教育協議会副委員長なども務めた。91年定年退官。
専攻は関数解析学。退官後も幅広い文筆・講演活動を展開し、テレビやラジオにも頻繁に出演。豊富な知識を生かし、政治や教育、公務員の不祥事はもちろん、プロ野球、クリントン元米大統領の不倫問題などあらゆる問題を論評した。
著書は「位相のこころ」「ものぐさ数学のすすめ」「チャランポランのすすめ」など100冊を超える。
森先生とお会いしたのは、僕が20代前半の頃だ。
原稿やインタヴューをお願いしたこともある。
いつも「チャランポラン」論で、愉しい人だった。
数学関係の著書も多いが、別に画期的論文はなく、なぜ数学で教授になれたのか京大の七不思議だと笑っておられた。
しかし考えてみれば、それも30年ぐらい前の話であり、その時お会いしていた森先生は50歳代前半だったから、いまの僕より下の年齢となる。
うーん、そうなのかと思ってしまう・・・合掌!
「指数・対数のはなし」森毅著に、
≪…「logを使わない世間」のほうが誤っている。≫
≪…指数世界について考えるなんて、あまりに空想的にすぎるかもしれないが、そんなのがあったらいいな、と思っている。≫
≪異世界としての指数世界≫は、本当は人の[理性]を湧き立たせる源である。
【数そのモノ】を弄繰り回していたころに、遥かな霞のような幻の夢みたいな[靄]があった。
『離散的有理数の組み合わせの多変数創発関数論 命題Ⅱ』の[自己無撞着の摂動方程式]である種の[離散対数問題]の[靄]だ。
[自己無撞着の摂動方程式]が[自己無撞着の非摂動方程式]としての助変数(パラメータ)を人間に繰れる事が、[靄]を晴れさせる理性なのかもしれない。
≪人さまざまに、旅にはその人なりのエピソードがあるほうがいい。≫
≪人間にとっての死の意識のように、本質的で深く意味のあるものでなければつまらぬ。…「数学として役に立つ」…≫
≪「数学として役に立つ」≫との視座から、『旅のエピソード』を洩らさせて頂く。