カメの甲羅、正体はなんとあばら骨 理研チームが解明
【小宮山亮磨】カメの甲羅の正体は、変形して板状になったあばら骨が、筋肉を押しのけて体の表面に出てきたものであることを、理化学研究所などのグループが明らかにした。皮膚で作られる「殻」ではないことがはっきりしたという。
カメは、あばら骨同士がくっついて板状になった甲羅が、六角形や五角形の幾何学模様をしたうろこのすぐ下にある。体の表面でできた殻があばら骨と一体化して板状になったのか、あばら骨が単独で変形してできたものなのか、19世紀から議論されてきた。
理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の平沢達矢研究員らは、スッポンを例に甲羅の作られ方を精密に調べた。卵の中で育つ経過を観察すると、皮膚より下にある組織で、あばら骨同士がすき間を埋めるように伸びる様子を確認。殻と一体化しなくても、あばら骨だけで板状の構造がつくれることがわかった。
カメは万年と言われるが、カメの甲羅が殻なのかあばら骨なのか、そんなこともわからないできたんだな、と思う。
ふと、ガメラの特殊撮影チームのことを思う。
ガメラのフィギュアはどういう想定の元に、その甲羅部分を設計したのだろう?
同じように見えるアルマジロの甲羅部分は、明らかに殻としての甲羅がのっかかっているのだというのも、なんだか興味深い。
こんなことが発見されたからと言って、僕たちの生活はほとんど変わらない。
けれども、生物学者たちもっと限定してもカメ類の学者たちにとっては、とても多きいことなのだろう。
文字の最古は、亀の甲に書かれた亀甲文字だという。
そういう研究をずっとやっておられた白川静博士などにとっては、あくまでも漢字の起源が問題であって、書かれた甲羅があばら骨の変形かどうかなどはどうでもいい話なのだろうか。
僕たちは、もうほとんどの観察したり解剖したり解析できたりする自然科学では、森羅万象おおよそのことがわかっているのではないかと思っているが、それは錯覚なのかもしれない。
カメの甲羅の成り立ちひとつにしても、ようやくわかったことなのだから。
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