サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

超右脳革命/七田真(七田式教育提唱者)/79歳

2009年04月24日 | 毎日がメメント・モリ

「超右脳革命」の七田真氏が死去


4月23日16時32分配信 産経新聞




 七田真氏(しちだ・まこと=しちだ・教育研究所会長)22日、死去、79歳。中国東北部生まれ。自宅は島根県江津市江津町527の5。葬儀・告別式は近親者のみで行う。社葬は26日午後2時から江津市江津町1110の17、江津市総合市民センターで。喪主は次男、厚(こう)氏。

 昭和53年に七田児童教育研究所を設立し、右脳を鍛える七田式教育を提唱した。主な著書に「超右脳革命」など。

ある時期、「赤ちゃんマーケット」の仕事をしていたので、この七田真が主宰する七田チャイルドアカデミーに対しては、なんだかな、という思いがある。
ベストセラー本である『超右脳革命』には、そんなに驚くべきことは書かれていないし、つっこみどころはあるが、その後の右脳・左脳論のポピュラリズムにはたした役割は大きかったと思う。
七田式幼児教育論に関する批判はいくつもある。
公文式と同じく、幼児から(胎児から)なんでしゃかりきになって幼児教育を神聖視しなくちゃいけないんだというもの。
あるいは、七田真は波動論者であるのだが、その物言いにトンデモのカルト的匂いがついてまわること。
あるいは、障害者に対する差別的言辞をあげつらう人もいるし、460もの教室運営をやっていることに、ある種の嫉妬心も含めて、そのカリキュラムや儲け主義や講師養成の促成栽培批判をする人もいる。
こどもの超能力の存在を示唆し、ESPテストまがいのことをしているという揶揄する面もあるが、僕はそんなことはどうでもいいと思っている。
脳の働きはまだまだそのメカニズムが未明なものであり、テトリア論ではないが、瞬時に本質を感知する能力が、もしかしたら幼児期にはたぶん普遍にそなわっており、「左脳」かどうかは別として、ある種の指示的言語の習得に従って、鈍感さに馴らされていくことは、じゅうぶんありうるからだ。
誰だって、ある時期は、天才であったかもしれない。
お受験のための幼児塾や躾け教室みたいなものも馬鹿馬鹿しいと思うのだが、七田式教室をのぞいてみたとき、なんかちょっといやーな空気を個人的には嗅いでしまったのだ。
それはこどもそのものというより、付き添いの母親たちからあるいは先生たちから醸し出されてくる類のものであった。
ある意味で、これは「選民思想」かもしれないな、というのが僕の感じたことだった。
個別の家族が、どのような「教育」方針を選ぼうが、それは自由である。
公文式もそうなのだが、過去のチャイルドアカデミーの卒業生たちが、その後どのような家族とあるいは価値意識の中で生きるようになったのか。
もちろん、その何年間かの中で、「認めて、褒めて、愛して、育てる」という思想に触れて、子どもを力いっぱい抱きしめる中で、世間的な「教育」ではない絶対愛の表現のようなものを若い母親たちが身につけたとしたらそれはそれで貴重なことである。
けれど、おおむね、思春期から成人にいたるあぶなっかしい時期にたいして、七田式メソッドで身につけた「感性」「人間力」のようなものが、どこまで社会に対する防衛力として機能するかどうか、それはおおいに疑問ではある・・・・合掌!


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