車で5人殺傷の被告に無罪 大阪地裁「心神喪失状態」
2007年2月28日(水)17:21大阪府茨木市で04年11月に乗用車で男女5人を次々とはねて殺傷したとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた元新聞販売所従業員の被告(25)の判決が28日、大阪地裁であった。西田真基裁判長は「被告は『悪魔の声』と称する幻聴に命令されて犯行に及んでおり、統合失調症による心神喪失状態だった」と述べ、無罪(求刑無期懲役)を言い渡した。被告は05年5月の初公判で「悪魔に命令された」と供述し、弁護側は無罪を主張していた。
被告は通行人を道連れにして自殺しようと考え、04年11月18日午前6時20分ごろ、同市中穂積3丁目などで男女5人を乗用車で次々とはねたうえに引きずるなどし、自転車の会社員村田忠治郎さん(当時61)と米林和夫さん(同56)を殺害、男女3人を負傷させたとして起訴された。
被害者たちは、怒りに声を震わせて、泣き崩れていた。当たり前である。「悪魔の声」が万能であれば、僕が弁護士であれば、「悪魔の声」を使いなさいとアドバイスするかもしれない。過去にも、「心神喪失状態」ということで、「殺意」は認定できないという判決は多くある。いったん心神喪失と認定されれば、精神障害の領域で、追求することもタブーの状態に移行する。
実際の、医者の鑑定を精読しているわけではないので、是非論は避けたとしても、遺族感情の持って行き場としては、判決不服で控訴を検察に期待するしかない。
こうした精神判定で係争中の場合、僕は、一定のルールを設けて、被害者=遺族救済に直ちに国レベルで入るべきだと思う。そうした制度のことはよく知らないが、被害にあった人には、一定の見舞金、治療費などを国が補償し、最終判決に従って、精算するかたちで、被告に負わせるなり、国が負担するなりを考えたほうがよい。
もちろん、遺族、被害者、被害者家族にとって、刑の確定を求めるのは当たり前だ。しかし、並行して、補償の問題を履行しないと、精神的な怒りのほかに、経済的にも破綻しかねない。
天災にあったようなものだ、などと口が裂けてもいえない。「悪魔にそそのかされようが」加害者は5人を殺害するという明確な「意思」を持って、行動したのだから。もし、この事件が「無罪」であるのなら、オウム事件の加害者たちは、当然、「教祖にそそのかされて」「通常の判断をできる状態になかった」ということで、免罪になることだってできるのではないか。
精神障害をもつ人たちへの偏見や差別も、逆に、こういう判決の積み重ねの中で、助長されていくことが恐怖でもある。
もうホント、基地外、、、
裁判長も、施設に入れないとね。
こういう事件はほかにもたくさんあるでしょうし、実際、心神喪失までいかなくても失調統合症の患者が事件を起こす確率自体は、きわめて低いといわれています。
この新聞販売員になにがおこったのか、可能ならば、後追いしようかと思っています。