サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

mini review 09355「つぐない」★★★★★★★★☆☆

2009年02月14日 | 座布団シネマ:た行
ブッカー賞作家イアン・マキューアンのベストセラー小説を、『プライドと偏見』のジョー・ライト監督が映画化。幼く多感な少女のうそによって引き裂かれた男女が運命の波に翻弄(ほんろう)される姿と、うそをついた罪の重さを背負って生きる少女の姿が描かれる。運命に翻弄(ほんろう)される男女を演じるのはキーラ・ナイトレイと『ラストキング・オブ・スコットランド』のジェームズ・マカヴォイ。映像化は困難と言われた複雑な . . . 本文を読む

mini review 09350「テラビシアにかける橋」★★★★★★☆☆☆☆

2009年01月19日 | 座布団シネマ:た行
国際アンデルセン賞を受賞したキャサリン・パターソンの同名ベストセラー児童小説を映画化。いじめられっ子の少年と風変わりな少女が空想の王国テラビシアを作り上げ、友情を育んでいく姿を描く。監督はアニメ界出身のガボア・クスポ。主人公の少年少女を『ザスーラ』のジョシュ・ハッチャーソンと『チャーリーとチョコレート工場』のアナソフィア・ロブが演じる。CG技術を駆使して描いた子どもたちの空想世界と、涙を誘う感動の . . . 本文を読む

mini review 08333「トゥヤーの結婚」★★★★★★★☆☆☆

2008年11月20日 | 座布団シネマ:た行
砂漠化の進むモンゴルの草原でたくましく生きるヒロインの姿を描き、2007年ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いたヒューマンドラマ。厳しい現実の中でも凛としたトゥヤーを、コン・リー、チャン・ツィイーに続く中国出身の国際派女優として期待されるユー・ナンが熱演。監督は、脚本家として活躍し、デビュー作『月蝕』で注目を集めたワン・チュアンアン。自身の母の姿をヒロインに重ね、ユーモアを交えて描き出した物語が温かな感 . . . 本文を読む

mini review 08331「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」★★★★☆☆☆☆☆☆

2008年11月01日 | 座布団シネマ:た行
1980年代に実在したテキサス出身の下院議員チャーリー・ウィルソンが、世界情勢を劇的に変えた実話を映画化したコメディディータッチのヒューマンドラマ。『卒業』のマイク・ニコルズがメガホンを取り、アフガニスタンに侵攻したソ連軍を撤退させてしまう破天荒な男の姿を描く。主人公をトム・ハンクスが演じるほか、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマンらアカデミー賞に輝く演技派が脇を固める。お気楽な主人 . . . 本文を読む

mini review 08329「長江哀歌(エレジー)」★★★★★★★★☆☆

2008年10月11日 | 座布団シネマ:た行
長江の三峡ダム建設のため、水没する運命の古都・奉節を舞台にした人間讃歌。『世界』などのジャ・ジャンクー監督がタバコ、草、酒、茶、飴という市民の生活に根ざした嗜好品を題材に、美しくせつない物語を紡ぎ出す。『プラットホーム』のハン・サンミンが等身大の中年男を好演し、現地で起用された素人俳優たちと素晴らしいアンサンブルをみせる。本作は力強く生きる人々の現実と景勝地の最後のきらめきをとらえ、2006年ベネ . . . 本文を読む

mini review 08326「ダージリン急行」★★★★★★★☆☆

2008年09月04日 | 座布団シネマ:た行
魅惑的なインドを舞台に、大人に成り切れない3兄弟が列車での旅を繰り広げるヒューマン・コメディー。監督は『ライフ・アクアティック』のウェス・アンダーソン。主人公の3兄弟をアンダーソン監督の盟友オーウェン・ウィルソン、『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディ、『マリー・アントワネット』のジェイソン・シュワルツマンが演じている。とぼけた笑いと温かい感動に満ちた、アンダーソンならではの作品世界が魅力だ . . . 本文を読む

mini review 08314「転々」★★★★★☆☆☆☆☆

2008年07月17日 | 座布団シネマ:た行
借金を抱えた主人公が100万円の謝礼と引き換えに借金取りの散歩に付きあうコミカルな味わいの人間ドラマ。“脱力系”の代名詞で独自の映像世界を築いている三木聡監督が脚本も務め、直木賞作家・藤田宜永の同名小説を映像化。テレビドラマ「時効警察」シリーズで三木と組んだオダギリジョーが主演するほか、散歩を提案する借金取りを三浦友和が妙演。本筋とは無縁の小ネタ満載の三木ワールドはそのままに、秋深まる東京の風景が . . . 本文を読む

mini review 08308「憑神」★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2008年06月30日 | 座布団シネマ:た行
激動の幕末を舞台に、しがない下級武士が3人の災いの神様に取り憑(つ)かれて奮闘する姿を描いた時代劇ドラマ。1999年に公開され大ヒットした『鉄道員』の原作・浅田次郎と監督・降旗康男のコンビが8年ぶりにタッグを組み、時代が移りゆく世相の中で、武士としての本分を取り戻していく若きサムライの生き様を活写した。人生の意義に目覚める主人公の妻夫木聡をはじめ、災いの神様にふんした西田敏行、赤井英和ら演技派たち . . . 本文を読む

mini review 08304「題名のない子守唄」★★★★★★★☆☆☆

2008年06月09日 | 座布団シネマ:た行
『ニュー・シネマ・パラダイス』の巨匠ジュゼッペ・トルナトーレの監督最新作。北イタリアの港町を舞台に、忌まわしい過去を抱える美しきヒロイン、イレーナの愛と謎に満ちた物語を描く。イタリアのアカデミー賞ともいうべきダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最多12部門にノミネートした話題作。ミステリアスなヒロインを、ロシアの実力派女優クセニャ・ラポポルトが演じている。すべての謎が明らかになり、感動がこみ上げるラス . . . 本文を読む

mini review 08301「たとえ世界が終わっても」★★☆☆☆☆☆☆☆☆

2008年05月28日 | 座布団シネマ:た行
短編映画「演じ屋」シリーズやテレビドラマ「駄目ナリ!」で、若いファンを獲得した野口照夫の長編映画デビュー作。この“時をめぐる3部作”と題する連作の第1作で描かれるのは、生と死をめぐるスピリチュアルなファンタジー。日本、イタリア、カナダの合作映画『シルク』のヒロインに抜てきされた新人の芦名星に、TEAM NACSの安田顕、そして大森南朋といった実力派が競演。ヒロインが再生していく過程は、切ないながら . . . 本文を読む

mini review 08299「中国の植物学者の娘たち」★★★★★★★★☆☆

2008年05月26日 | 座布団シネマ:た行
『小さな中国のお針子』のダイ・シージエ監督が、中国ではタブーとされる同性愛に挑んだ禁断の愛の物語。互いに孤独な境遇で生きてきた2人の娘が、心を寄せ合い愛を育んでゆく姿を幻想的な映像で紡ぐ。主演は、フランスと中国の血を引くミレーヌ・ジャンパノイと、『かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート』のリー・シャオラン。緑が生い茂る植物園の情景やロケ地の美しい景色、そして中国に古くから伝わる風習が、エキゾチック . . . 本文を読む

mini review 08297「遠くの空に消えた」★★★☆☆☆☆☆☆☆

2008年05月17日 | 座布団シネマ:た行
『春の雪』の行定勲監督が7年間温めてきた物語を映画化した感動作。平和な田舎町で空港建設をめぐる大人たちの争いに巻き込まれながらも、たくましく生きる子どもたちが起こす小さな“奇跡”を描く。都会から来た主人公を演じるのは『妖怪大戦争』などの天才子役、神木隆之介。共演は『北の零年』『SAYURI』などで注目されている大後寿々花。彼らの名演が、忘れかけていた大切な“信じる心”を思い起こさせる。[もっと詳し . . . 本文を読む

mini review 08275「大日本人」★★★☆☆☆☆☆☆☆

2008年02月17日 | 座布団シネマ:た行
ダウンタウンの松本人志が、企画・初監督・主演を務めて撮り上げた長編映画。映画配給会社の松竹とタッグを組み、映画製作に乗り出した吉本興業の第1作目でもある本作は、松本自身の考える“ヒーロー像”を描いた異色作。脚本は松本の盟友で人気放送作家の高須光聖との共同執筆。出演は竹内力、UA、神木隆之介、後輩芸人でもある板尾創路。あくまでテレビの延長線上と位置づけ、面白さを追求するコンセ . . . 本文を読む

mini review 08272「天然コケッコー」★★★★★★★☆☆☆

2008年01月10日 | 座布団シネマ:た行
くらもちふさこ原作の同名人気少女漫画を、『リンダ リンダ リンダ』『松か根乱射事件』の俊英山下敦弘が映画化。脚本は『ジョゼと虎と魚たち』の渡辺あやが担当し、甘酸っぱい初恋や、友人や家族との何気ない日常を、のびやかに描き出す。みずみずしい魅力を発揮するヒロインに、映画初主演の夏帆がふんする。島根・浜田の四季の移り変わりや人々の心温まる交流に癒される。[もっと詳しく] 思春期は、回想するぐらいが、 . . . 本文を読む

mini review 08271「天国は待ってくれる」★★★★★☆☆☆☆☆

2008年01月09日 | 座布団シネマ:た行
人気脚本家の岡田惠和が初めて書き下ろした同名の小説を映画化した切ないラブストーリー。友情と愛情の間で揺れ動く幼なじみの男女3人の関係を丁寧につづる。新聞社勤務の柔和な青年をV6の井ノ原快彦、築地で働く威勢のいい青年役を本作が映画初出演となる歌手の清木場俊介、彼らのマドンナ役を『地下鉄(メトロ)に乗って』の岡本綾が演じる。劇中のみで流れる井ノ原と清木場による主題歌は聴き逃せない。[もっと詳しく] . . . 本文を読む