サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

mini review 07270「棚の隅」★★★★★★★☆☆☆

2007年12月23日 | 座布団シネマ:た行
直木賞作家、連城三紀彦原作の短篇を映画化した珠玉の愛の名作。かつて夫婦だった中年の男女が再び出会い、互いに新たなスタートを切るまでの葛藤(かっとう)を描く。主演は『悪夢探偵』など300本以上の作品に出演しているベテランの大杉漣。そのほかの出演者も『無花果の顔』の渡辺真起子や、『嫌われ松子の一生』の榊英雄など実力派たちが顔をそろえる。派手なドラマはないが、等身大の登場人物たちの悩みや迷いが胸にしみる . . . 本文を読む

mini review 07264「天上の恋人」★★★★★★★☆☆☆

2007年11月17日 | 座布団シネマ:た行
 「至福のとき」のドン・ジェと「山の郵便配達」のリィウ・イエ共演の純愛ストーリー。中国広西省チワン族自治区の山村。子供の頃、爆竹工場の爆発事故で母を亡くし、自身も聴覚を失ったチャークァンは、銃の暴発で盲目となった父と二人暮らし。 ある日そこへ、兄を探しに村にやって来た口のきけない少女・ユイチェンが訪ねてくる。家事を手伝い、一緒に暮らすようになるユイチェン。チャークァンを兄のように慕い、村一番の美少 . . . 本文を読む

mini review 07260「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」★★★★★★☆☆☆☆

2007年10月30日 | 座布団シネマ:た行
リリー・フランキーが亡き母への思いをつづって、200万部を超える大ベストセラーとなった同名の自伝小説の映画化。監督を『さよなら、クロ』の松岡錠司、脚本をリリーと同郷の松尾スズキが担当し、社会現象的なブームにまでなった原作の映画化に挑んだ。主人公の“ボク”にオダギリジョー、“オカン”にベテラン女優の樹木希林。昭和から平成を見つめてきた東京タワーをめぐる母子の深い愛情のドラマに胸打たれる感動作。どこか . . . 本文を読む

mini review 07259「トランスアメリカ」★★★★★★★☆☆☆

2007年10月03日 | 座布団シネマ:た行
女性の心を持ちながら、体は男性として生まれた主人公の葛藤をモチーフにしたハートフルな人間ドラマ。愛を忘れてしまった親と愛を知らない息子の複雑な関係を、新鋭監督のダンカ・タッカーが、彼らのアメリカ大陸横断の旅を通してたおやかに描き出す。人気TVドラマ「デスパレートな妻たち」の“女優”フェリシティ・ハフマンが、女性になる手術を待つ“中年男”にふんし、夢と親心の間で揺れる“ヒロイン”を好演している。[も . . . 本文を読む

mini review 07251「ディア・ピョンヤン」★★★★★★★★☆☆

2007年08月08日 | 座布団シネマ:た行
大阪育ちで在日二世の梁英姫が、10年に渡り自身の家族にカメラを向けたドキュメンタリー。さまざまな苦難を乗り越えてきた両親や、北朝鮮に渡った兄たちの日常を通して、それぞれの抱える問題を浮き彫りにしていく。世代間の考え方の違いや、いまだ国交のない日本と北朝鮮の関係、そして在日問題。山積みの難問を前にしながらも、ひたすら明るく元気に生きるヤン家の人々の姿に励まされる。[もっと詳しく] 「信」と「不信 . . . 本文を読む

mini review 07248「デジャヴ」★★★★★★★☆☆☆

2007年08月05日 | 座布団シネマ:た行
初めて体験する事象だが身に覚えがあるデジャヴ(=既視感)感覚をモチーフにしたサスペンスアクション。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどを手掛けた、敏腕プロデューサーとして知られるジェリー・ブラッカイマーが製作を担当、盟友トニー・スコット監督とコンビを組み、デジャヴを過去からの警告と解釈した大胆なドラマを作り上げた。主演はオスカー俳優のデンゼル・ワシントン。先の読めないスリリングな展開や未曾 . . . 本文を読む

mini review 07244「天使の卵」★★☆☆☆☆☆☆☆☆

2007年07月15日 | 座布団シネマ:た行
村山由佳原作の人気小説「天使の卵 エンジェルス・エッグ」を映画化したピュアなラブストーリー。運命の恋に翻弄される男女の姿を描く。一人の女性を愛し抜く青年を『 チェケラッチョ!!』の市原隼人が好演し、その年上の恋人役に『UDON』の小西真奈美、恋人を姉に奪われる妹役を『パッチギ!』の沢尻エリカが演じるなど、注目の若手豪華キャストが結集した。レトロな街京都で繰り広げられる愛の物語が観る者の心を締め付け . . . 本文を読む

mini review 07241「ディパーテッド」★★★★★☆☆☆☆☆

2007年07月04日 | 座布団シネマ:た行
貧困と犯罪が渦巻く、ボストン南部で生まれ育った2人の男。犯罪者一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別するために警察官を志すビリー。マフィアのボス・コステロに育てられ、忠実な“内通者”となるために警察官を目指すコリン。2人は互... 続き 映画の質とは無関係に、僕は東洋的な「無間」のトーンに惹かれてしまう。 もちろん香港映画の歴史を変えたといわれるアンドリュー・ラウ監督「インファナル・アフェア三部 . . . 本文を読む

mini review 07234「手紙」★★★★★★☆☆☆☆

2007年05月30日 | 座布団シネマ:た行
殺人を犯した兄のせいで、人生を狂わされる弟の苦悩を描く東野圭吾のロングセラー小説を映画化した社会派ドラマ。『電車男』の山田孝之が、兄の罪に翻弄される弟としての重みある演技をみせる。直貴(山田孝之)の兄(玉山鉄二)は、... 続き 「最後の場所」を静かに暖かく、東野圭吾は保存している。 ある女性から打ち明けられたことがある。 実兄が人を殺めてしまった、と。 妹である彼女と両親は、その十字架を背 . . . 本文を読む

mini review 07233「とかげの可愛い嘘」★★★★★☆☆☆☆☆

2007年05月20日 | 座布団シネマ:た行
いつもポケットにとかげを入れた黄色いレインコートを着て嘘ばかりついている転校生のアリ。そんなアリを好きになったジョガンだが、ある日アリは忽然と姿を消した。10年後、高校生になった二人は再会するものの、またもアリは行方を... 続き きっと誰もが、自分たちだけの、「秘密の呪文」を持っていたいのだろう。 タイトルだけで、ファンタジー映画だとわかる。 韓国映画の場合、まあ7割~8割の確率で、この種 . . . 本文を読む

mini review 07226「太陽」★★★★★★★★☆☆

2007年05月04日 | 座布団シネマ:た行
1945年8月。その時、質素な身なりをした昭和天皇ヒロヒトは、地下の待避壕か、唯一被災を免れた石造りの生物研究所で暮らしていた。宮殿はすでに焼け落ちていたのだ。 続き 不可思議なヒロヒトを、日本人よりも理解しているであろうソクーロフ。 ああ、こんな映画はとっても日本人スタッフでは、つくることができないな、というのが第一の感想であった。昭和天皇ヒロヒトをもう存命していないとはいえ、劇場映画のモ . . . 本文を読む

mini review 07213「トンマッコルへようこそ」★★★★★★★☆☆☆

2007年03月10日 | 座布団シネマ:た行
50年代、朝鮮戦争が続く中、戦争とはまるで無縁の平和な村”トンマッコル”へアメリカ人パイロットのスミス、韓国軍の2人、それに敵対する人民軍の3人がやってきた。最初は警戒し合うものの、次第に打ち解けるようになっていく・・・ 続き トンマッコルというユートピアを、静かに記憶野に保存するために。 この作品は、2005年韓国の劇場公開動員が800万人で、もちろん、この年のNO.1を記録している。「8 . . . 本文を読む

mini review 07208「チェケラッチョ!!」★★★★☆☆☆☆☆☆

2007年02月17日 | 座布団シネマ:た行
透、暁、哲雄は高校3年生。進路も決まらないまま、退屈な日々を送っていた。ある日、バイト先の水族館で年上の美女、渚と出会った透は、ひと目で恋に落ちた。同じ頃3人は、幼なじみの唯に連れられていったライブで、人気バンド「ワー... 続き 若い役者たちを見ているのは、楽しみなものだ。 企画・プロデュースが大多亮、製作が亀山千広とくれば、またまたフジテレビである。嫌だな、という感じがついてまわる。 でも、 . . . 本文を読む

mini review 07205「どこまでもいこう」★★★★★★☆☆☆☆

2007年02月11日 | 座布団シネマ:た行
郊外のニュータウン。アキラと光一は同じ団地に住む超悪ガキコンビ。今日は5年生の新学期が始まる日。そしてクラス替え発表の日だ。体育教師に宣告されていた通り、ふたりは別々のクラスに引き裂かれてしまった。「関係ねぇよ!」友... 続き 一瞬の「黄金の日々」が、年輪を重ねても、ふと甦るときがある。 小学校5年生。10歳ぐらいの多感な頃。思春期にさしかかる頃。明らかに女子のほうが発育が早熟で、男子はそん . . . 本文を読む