けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

慰安婦問題は「棚上げ」で逃げ切れると主張する小金稼ぎのコメンテータ達

2013-06-17 23:55:28 | 政治
日本維新の会の橋下代表の慰安婦発言問題が下火になり、人々も忘れかけていたころであるが、テレビ大阪の「たかじんNoマネー」という番組の中で、問題が再燃しかけている。6月15日の放送に橋下代表が出演し、反橋下派のジャーナリスト大谷昭宏氏や須田慎一郎氏、タレントの水道橋博士などとの対決となった。橋下代表のツイッターの中でもその番組への出演と大谷氏との対決が取り上げられていたので気になっていたが、動画がネット上にアップされていたので全体を見てみた。笑ってしまうのであるが、この中で水道橋博士が撃沈し、理屈立てた議論で叶わずに番組降板宣言をしたので話題になった。その経緯が下記の新聞2紙に報道されている。

産経ニュース2013年06月16日「橋下氏の『小金稼ぎのコメンテーター』発言にキレた…水道橋博士が番組降板を宣言、生放送中に去る

毎日新聞2013年06月16日「水道橋博士:橋下氏発言に激怒『たかじんNOマネー』降板

これについて、さらに産経新聞は続報を出している。

産経ニュース2013年06月16日「『小金稼ぎのコメンテーター』発言、橋下氏がツイッターで撤回…『水道橋博士、ギャラ高いから怒った』

多分、産経ニュースでこの事件を知った人と、毎日新聞で知った人とでは、何が起きたのかの理解が180度違うのではないかと予想する。この産経ニュースの報道は結構フェアに報道しているが、実は毎日新聞は橋下代表のツイッター上で完全な戦闘関係にあり、上記の毎日新聞の記事ではある種、悪意をもって何も知らずに読んだ人が「なんか橋下さんって傲慢ね!」という感想を持つように誘導している感がある。話が逸れてしまうが、橋下氏はツイッターの中でも、新聞は「主観を挟まない客観的な事実」としての記事と、「主観を思いっきり盛り込んだ社説などの記事」とを明確に区別しないと、読者に誤解を与えるので注意すべし!と主張しているのであるが、まさに「主観を挟まない客観的な事実」と見せかけた「主観の押しつけ」のように見える。ちなみに、最近の時事ネタを扱う雑誌の中には、「記事」なのか「広告」なのか一見すると分からないような形で広告が掲載されていることをよく見る。これは同様の意味でアンフェアで、思いっきり主観の入った広告を、ついうっかり編集デスクによる客観的な事実と誤解してしまう。卑怯なやり方である。

話を戻せば、実は、先日の私のブログでも触れたが、この番組「たかじんNoマネー」では大谷氏、須田氏、水道橋博士などの論陣が出演した番組の中で、(こちらは動画を確認していないが)番組全編を通して橋下代表の批判大合唱を繰り返し、大谷氏に至っては「反吐が出る」とまで言い切ったという。完全に個人攻撃のレベルで、出演者は勝ち誇ったように番組を終えようとしていたのだが、その番組の中で行った電話投票の結果が番組最後に紹介され、橋下氏に問題アリが2割、問題ナシが8割と4倍の差をつけた橋下氏側の圧勝になった。それでも出演者たちは「集計の仕方が悪い」とか、「アンケートに答えたのは男ばかりじゃないか」とか、「大阪だけのローカルな意見だろ」と現実を認めず、橋下氏非難を続けた。そこまでされて、反論のチャンスを与えられた橋下代表が「有権者は冷静ですよ。小金稼ぎのコメンテーターとは違う」と押さえた声のトーンでさりげなくコメントしたのだから、かなりニュアンスは異なるのである。自分に対する非難に対しては耳を傾けるが、的外れな指摘にはそのおかしな部分を指摘する。政治家は有権者によって最後は裁かれるのだから、その有権者の意見が最も反映された結果を尊重したところ、自分の支持が「圧勝!」であったのだから、胸を張ることに何ら遠慮することはない。自分を人格攻撃した連中に、「小金稼ぎ」と言ったぐらいで責められる筋合もない。そして、どうも議論がかみ合わず、橋下代表が論点を整理しようとすると、他の反橋下派はゲリラ的にまた訳わからないことで攻撃する。

例えば、橋下代表が誤報というのに対して大谷氏は「誤報はありえない!」という。理由を聞けば、当初、毎日新聞の報道を橋下氏が「公正な報道をしている」と表現していたのだから、後から誤報だというのはおかしいと言う。しかし、当初の毎日新聞の報道では、1問1答式で書いていたのだが、続く報道ではその報道の中から主語や述語を適当に省略し、ワザと誤解を与える表現に終始した。橋下氏は「だから誤報だ!」と言っているのだが、それに対しての大谷氏からのコメントはない。その他の説明も同様だが、大谷氏などは絶えず攻撃をしては反撃を受け、反論されると論点をすり替えてまた次の批判をする。水道橋博士も「みんな、橋下さんの発言は国益を損ねていると言っている!」というので、「何処がいけないのか!」「『みんな』と言うなら、誰がその様に言っているのか!」と言い返すと、水道橋「みんな言ってる!」、橋下「具体的に名前を!」、水道橋「私はコメディアンだから、そんなこと言われても・・・」、橋下「それは卑怯だ」、水道橋「(小声で)例えば小林よしのり・・・」。世間一般では、こういうのを「トラの威を借る狐」という。人をテレビに出てまで批判するなら、せめてその理由ぐらいは一人称で説明できるだけの根拠を持つのは人として当然のことである。それすらできずに論破されて「番組辞めます」というなら、もう少し恥ずかしそうにしてもらいたいものである。

ところで、この番組の議論を聞いていると、大谷氏、須田氏の論点がおぼろげながら分かるようになってきた。どうやら彼らは、「(大声では言えないが)日本政府が中途半端ながらも謝罪をしているんだから、日本国中の全ての人が何も言わずに黙っていれば、どうせ韓国はいつかは許してくれる。だから黙っていればいいんだ!余計なことを言わないでくれ!」ということらしい。これは、多分、多くの新聞社などもこの路線だろう。しかし、河野談話から始まり小渕敬三内閣の頃までは、日本国内は一部の明らかに毛色の違う右翼系の人を除けば、少なくとも慰安婦問題については比較的、謝罪路線を評価する人々が多く続いていた。その後、第1次安倍内閣になって「強制性を示す証拠はない」と多少発言が変わってきたが、それまでは大谷氏、須田氏の望む状態が続いていたはずである。しかし、例えば金大中大統領などが日韓関係を修復しようとする試みをした時でさえ、韓国国内世論は慰安婦問題で国家賠償を求める主張を下火にしようとはしなかった。寧ろ、ますます過激になって反日色を強めてきた。盧武鉉大統領などは、後に自分が自殺に追い込まれるほどの状況だったから、藁をもすがる思いで反日カードを思いっきり利用しようとしていた。日本が円高で苦しみ、ウォン安でこの世の栄華を誇っていた時代には、ここぞとばかりに徹底的に日本にトドメを刺そうとして、李明博大統領は竹島で一線を超えてしまった。この様な状況を見て、どうして「黙っていればどうせ韓国は許してくれる」という主張が成り立つのか、その説明は一切ない。

橋下代表が「コメンテータは責任を取らない。無責任だ!」と言ったのに腹を立てた大谷氏に、橋下代表が「じゃあ、慰安婦問題で国家賠償をすべきなんですか?日韓基本条約で賠償問題は解決したはずなのに!どうなんですか?」と聞くと、大谷氏は「ここでこれだけ議論しても結論が出ないのだから答えられない!」と言い逃げる。別に「正解を言え!」といているのではなく、議論の中の一意見として、あなたの意見を言いなさいと言っているのに、ここで答えるとどちらの答えをしても集中砲火を浴びかねないから答えないと逃げようとする。「ほったらかしにして、棚上げにすればそのうち忘れるから逃げ切れるはず!」という主張を、橋下代表からの質問に対してまで実行した形である。しかし、逃げ切れないから未だに慰安婦問題は解決しないのである。番組の中で八代弁護士がコメントしていたが、中国韓国のロビー活動は凄まじいものがある。資金の桁が違い、滅茶苦茶に日本が悪者にされていると八代氏も指摘し、それに誰も異論はなかった。その流れの中で、橋下代表も「韓国は慰安婦とホロコーストは同一レベルのものと世界に吹聴し、実際、アメリカにあるホロコースト記念館の中に慰安婦展示館が出来そうになった。しかし、これに反論しようとする奴は殆どいない。」と指摘する。逃げ切るどころか、完全に尻に火が付いた状態になってしまった。この期に及んで逃げ切れると主張するなら、その勝算が何処にあるのかを聞いてみたい。

ただ、以前のブログにも書いたが、私も少しは冷静に考え、宮家邦彦氏が言うように日本のこれまでの謝罪の取り組みを丁寧に世界に発信する努力をまず行い、世界の人々が偏見を持たずに耳を傾けてくれるようになってから討って出ないと、議論をする前に門前払いを食らってしまうというのも一理あると思う。その意味で、下記のサイトを一読してもらいたい。

慰安婦問題とアジア女性基金/デジタル記念館

先日偶然見つけてまだ一部分しか見ていないのであるが、多分、建前上は民間の財団法人が仕切っているサイトなのだろうが、アジア女性基金自体がそうであるように、実効的には政府が陰ながらそこに関与して情報発信をしているように見える。そして、そこでの記述は日本人からすると「ちょっとやりすぎ!」と感じるほど、諸外国の人がフェアと感じられるものになっていると感じた。例えば、「慰安婦にされた女性たち」の記述を見れば、日本よりの弁解の言葉を交えずに、ストレートに被害者の言い分をそのまま掲載しているようだ。読めば明らかに「日本って、こんな酷いことをしたの?」と感じるものだろう。ヒラリー前国務長官がSex Slaveと呼んだことも理解できるような気がする。しかし、問題はこれが「国家的な事業として、これらの残虐な行為がなされた」のか、それとも軍はオフィシャルには関与していない中で、「民間の人達が商売として慰安所を切り盛りしていた」のかまでは明言していない。被害者からすれば、兵隊さんにひどい仕打ちを受けていたのだから、仮に民間の人が切り盛りしていたとしても「憎いのは日本軍」となる訳で、その意味で河野談話や村山談話、更には女性基金の中での歴代総理の手紙などで謝罪を行うことの必要性を認め、実際に謝罪を続けている。民間ベースの補償にも取り掛かり、殆ど国家的に補償の受け取りを暗に拒否するように仕向けられた韓国を除けば、多くの被害者に補償金が払われている。多分、その際の被害者であることの信憑性は厳密に確認されることもなしに・・・。そして、このサイトは英語版のページも用意され、少なくとも欧米人であれば自然に知識を得ることが可能な状態となっている。

ここでの記載内容が、ひょっとすると誤解を新たに生むきっかけになりそうなリスクも感じなくはないが、これらの事実を積極的にアピールし、日本が如何に歴史と真摯に向き合い、一方でその真摯な対応を無視してどれだけロビー活動で一方的に非難されているかの真実を訴えることで、橋下代表の主張のポイントが理解される日が来るような気がする。まだまだ遠い道のりであるが、少なくとも小(大?)金稼ぎのコメンテータの主張する棚上げろにょりは、遥かに前向きな議論であることは間違いないと思う。

せめて新聞社は、事態をフェアに報道するところから始めて欲しい。

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