けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

報道が率先する狂気の行く先

2013-06-03 23:58:21 | 政治
これまで散々、慰安婦に関する橋下発言についてコメントしてきたが、日本のマスコミの報道を見る限りでは、「大山鳴動して鼠一匹」というのが現状であろうか・・・。少し落ち着いてきたところで、自分なりの反省を込めて少しばかり書かせて頂く。

橋下代表は現在もTwitterなどで地道な戦いを続けていて、多分、単なる競技としてのディベートとして勝敗を判定したら圧勝している状況なのだと思う。しかし、にもかかわらず状況が好転しないのは、明らかに彼は「出る杭」だからであり、「あいつだけは潰しておきたい!」という意思がマスコミの中にある。これは個人的には非常に怖いものを感じる。オウム真理教のドタバタ劇において、確かにオウムは抹殺されてしかるべき狂気の集団ではあったが、報道におけるバッシングは超えてはいけない一線を確かに超えていたし、検察や裁判所ですら判例の示す量刑の相場を超えた「裏ドラ」が二つぐらいついたお裁きをしていたように思う。それは、「こいつなら、叩いても許される!」という暗黙の了解の様なものが国民の中に圧倒的な共通意識としてあり、このぐらいしないと収まらないという変な相場を作っていたのではないかと思う。

それは、変な比較になってしまうが、韓国の反日感情にも同じようなものがあり、一部の良識ある韓国人の間では対馬の仏像盗難問題に対して「まずは日本に返却すべきだ!」という声がありながらも、司法の世界では圧倒的多数の反日世論に誘導されて、司法のあるべき姿を逸脱してしまった。靖国放火犯の引き渡しも同様で、国際間の条約という非常に重たいお約束事も、国内の反日感情に比べれば「軽い、軽い!」という判断になってしまった。この様な多数派工作により導かれた「国民の(作られた)総意」は何事にも優先するという考え方が、ナチス・ドイツがファシズムの道をひた走っていったその通り道のようなものであり、その様なことを国家や報道機関がグルになってやっているというのは、もはや狂気としか言いようがない。

話を日本に戻せば、オウム事件は余りにも我々の想定を遥か彼方までぶっ飛ばすような有り得ない事件であったから我々が正気を失っていたとしても説明がつくが、今回の橋下発言に対するマスコミの総スカンについては私には説明がつかない。このまま橋下代表がフェードアウトしていけば何もなかったことになるかも知れないが、もし正論がまかり通って、日韓のこの問題に解決の道筋をつけることが出来たとしたら、その時に報道各社はどの様に自己総括をするつもりなのかと少々心配になってしまう。

とは言っても、私もフェアに見て、現在も橋下代表の立場が大いに劣勢であることは疑いもない。ここ最近の安倍内閣としては、「戦艦大和は舵を急に切れば沈没する」との考え方から、経済再生が最優先のこの時期に、その経済再生の妨げになることは全て封印するという意思統一を明確にしているようで、少なくとも橋下発言からは距離を置いている。安倍総理としては屈辱だろうが、経済再生最優先という問題意識の設定には感服する次第である。だから、何処からも援護射撃がない中で橋下代表は戦わなければならない。参院選までの時間がないことを考えれば、彼にとっては相当な痛手であることは間違いない。

ただ、状況は微妙に変わりつつあることも確かなようだ。韓国国内での橋下発言に対する評価は滅茶苦茶だが、それでも「認めるべきところは認める、謝罪すべきところは謝罪する」というスタンスにはそれなりの評価が得られているという。また、日韓基本条約の解釈に関する問題という特性から、慰安婦問題を国際司法裁判所で議論すべきという主張に関しては、韓国のマスコミからすると、思いっきりインハイの剛速球のストレートを受けて仰け反った感じで、続く発言が急に尻つぼみになっているという。(竹島問題はともかくとして、慰安婦問題に関しては)絶対に勝利を確信している韓国国民の感覚からすれば、「国際司法裁判所で日本にギャフンと言わせてやろう!」と思うところだろうが、橋下代表のコメントを受けて韓国のマスコミが何も言わなかったところを見ると、「ここで下手なことを言って、後で国に帰ってつるし上げられたら怖いから、ここは様子見としよう・・・」という損得勘定に迷う微妙な空気があるのだろう。韓国外相はこの件に関し、「韓国が協議を要請しているが、まだ日本が応じていない」と発言したそうだが、もし仮にそれが本当であれば事態が進展するきっかけになるかも知れない。仮に嘘であれば、それはそれで面白いことになる。

ところで、この橋下発言に対する最近の論調を少し紹介する。大手新聞社やテレビは、産経新聞を除き橋下総スカン攻撃であるのはその通りであるが、田原総一郎氏がブログで次の様に発言している。

田原総一朗 公式ブログ2013年6月3日「橋下徹大阪市長の『慰安婦発言』、何が問題か?

ここでは発言の内容について、理屈の部分については理解を示している。ただ、戦時中の韓国の恨みつらみが今回の騒動の背景にあり、その恨みについては今回の発言は不用意だったとしている。これは議論が噛みあっている良い例だろう。先日も触れたが、宮家邦彦氏などの主張の様に、言っていることは正しいが、韓国・中国以外の第三国の耳に入った時にの効果・効率を評価基準にするならば、今回のアプローチは非常に効率が悪いという評価も議論としてかみ合っている。その様な、議論が噛みあうところで前向きなディスカッションをすることで国益は最大化される。

さて、この様に書きながら以下の事実をどの様に受け止めるべきだろうか?私は関西在住でないから番組を見ていないが、6月1日の「たかじんNOマネー(テレビ大阪)」という番組の中で、「暴走する朝鮮半島SP!慰安婦問題の真実&拉致問題&原爆は天罰発言?」という議題で議論が行われ、そこで橋下発言の是非が話題になったという。詳しくは知らないが生放送の番組らしく、出演者全員の評価に加えて、視聴者による電話アンケートが行われたらしい。この辺のキーワードを検索してもらえば幾らでもヒットするが、8人の出演者は全員「問題アリ」と判定したのに対し、電話アンケートでは「問題アリ:2011票」「問題ナシ:7713票」と、約80%もの視聴者が問題ナシと判断したという。番組では予想外の展開に出演者全員が目が点になり、仰け反りながら「アンケートの仕方が悪い」「男性が多かったのでは?」とぼやいたという。ちなみに女性のみの結果は「問題ナシ:70%」のダブルスコアだという。大手新聞社の世論調査結果とは真逆の結果である。どちらが本当の結果なのだろうか?

この様に考えたとき、私の最後の結論は、外国特派員協会での記者会見後のファイナンシャル・タイムズの記者のコメントがポイントなのだと考える。その記者曰く「橋下代表の記者会見での説明の理屈は申し分ない(筋が通っている)。ただ、彼が信頼に足る人間かどうかが問題だ・・・。」つまり、報道機関が行っている活動は、彼の信頼性を失墜させる行動であり、その結果が海外にも伝搬しているということなのだろう。

まあ、多分、負け戦なのだろうが、それでもファイティングポーズをとり続け、エンドレスの記者会見に臨む橋下代表には今後もエールを送り続けたい。

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