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イタリア旅行記(5) 白い獅子

2010年02月04日 | なんとなくアレなやつ
カネには糸目をつけない巡礼には、それこそ最高級の、他国の王や大臣たちも泊るホテルが紹介される。一三三五年に作られた旅館組合法によれば、高級ホテルとして、次の名が記載されている。
「イギリス女王館」「フランスの盾館」「マルタ十字館」「白い獅子」。

塩野七生「海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年(4)」より抜粋



ヴェネツィアと言えば水路が有名だが、





実はこういう小路も個人的には好きだったりする。



限られた土地に所狭しと隙間無く並べられた建物は、どこか京都の町並みを彷彿させないこともない。



さて、リアルト橋から東に歩いて5分ぐらいのところに、こういう小路がある。



この小路の奥にある緑の門を開け、表札も何も出ていない扉を開け、冷たく鈍い石段を上る。



Locanda Leon Bianco(白い獅子)。



これが今回の旅行の宿泊地であり、一種のメインイベントでもあったりする。
くんだりヴェネツィアまで来たのだから「当時の高級ホテル」に泊まり、当時の雰囲気を肌で感じたかったのだ。

ちなみに、ナナミーからは「お前、このチョイス素晴らしいよ!塩野七生ゼミの生徒としては満点だよ!」とお褒めの言葉を頂きました。



というわけで部屋。



クラシカルな調度品。
よいねー。



バルコニーからの景色。



よいねー。
カナル・グランデの目の前だ。



でもそれだけ。
他には何もない。
テレビもない。

確かに当時の人たちが見たもの、感じたものを自分も味わってみたかった。
確かに当時はテレビなんてなかった。

でも、せめてテレビぐらいは・・・。
ユースホステルじゃないんだからさ・・・。

そしてダブルベッド。
シングル二つで頼んでいたのに、何故か野郎とダブルベッド。
これならユースホステルの二段ベッドの方がまだマシだった・・・。



ただ、今現在はともかくとして、昔はきっと高級宿泊地だったんだろうなと。

ヴェネツィアの不動産価格は、恐らくなのだが、カナル・グランデからの距離で決まっている・・・と思う。
何故なら「便利」だから。

その証拠に、現在ヴェネツィアで超高級ホテルと位置付けられている「ダニエリ」や「グリッティ」。
これらはいずれも、カナル・グランデに面しているが、それは名門貴族の邸宅だったから。
金持貴族たちが貿易品の積み下ろしをしやすくするために、カナル・グランデの目の前に家を建てたのだ。

要するに、カナル・グランデ沿いに住むというのは金持ちの特権だったのだ。
ということを考えると、「白い獅子」も、立地条件だけで見れば「当時は高級ホテル」だったんだろうなと。

ただ、だからと言って、テレビすら無い部屋で野郎とダブルベッドをシェアするという事実が変わるわけはなくてですね、ものすごくアレだったわけです。
やっぱね、野郎二人で旅行なんてするもんじゃないですよ。



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