メニューをじっくり見ながら、穏やかな口調で彼女はこう言う。
「そうだねぇ~、私はねぇ・・・餃子食べようっかな!」
何てことはない一言なのに餃子すら可愛く見えてくるから不思議だ。
それにしても、この子は本当にピュアで素直だな。
ちょっと引っ込み思案で、ちょっと人見知りするけど、笑顔がとても素敵。
「で?好きな人がいるってのは聞いてるけど、何というか・・・進展はあった?連絡とか取ってるの?」
「そう、あのね・・・好きな人がその場にいるとね、意識しちゃって話しかけられないから進展はないの」
「そうなんだ・・・ということはアレだな。さっきから張り切って話をしてるところを見ると、その『好きな人』っていうのは俺じゃないってことだな?」
「そうだねぇ・・・っていうか、この前誰が好きか言ったじゃない!」
笑いながら、バシバシッとボクの肩を叩く。
痛い・・・けど、その笑顔、素敵です。
時間をかけて根掘り葉掘り聞いていくと、どうやら今までも比較的「引っ込み思案」な恋愛をしてきたようだ。
自分から告白をしたことはない。
付き合っても束縛されてしまう。
色々な意味で「受身」だ。
だからこそ、今回は「さりげない優しさ」を見せる人を好きになったのだと言う。
自分の恋愛スタイルが「受身」であり、それを変えられないことを前提とするのであれば、そういう男性の方が確かに幸せになれるのかもしれない。
ただ、やはり自分から何かを仕掛けるというところに関しては引っ込み思案になってしまうようで、話が進展する気配がまるでない。
うーん。
どうしたものか。
「運命」や「縁」という、制御出来ない大きなうねりの中で、良くも悪くも「なるようになってしまう」なのだろうか。
それとも、過干渉をしない程度に何かしらのキッカケ作りをした方が良いのだろうか。
いや、その「干渉」ですら「運命」や「縁」の計算式に組み込まれているのだろうか。
ただ、いずれの場合も、何か具体的なアクションを起こすのは彼女自身だ。
そこに関しては何も出来やしないし、やってはいけない。
だけれども、そういう「場」を作るぐらいだったら大丈夫なんじゃないか。
言うなれば、厨房とセイロだけ貸すから、あとは自分で蒸して、熱々の餃子を意中の人に出してあげてね、といったところか。
そんな話をしながら二人で盛り上がっていると、店員がセイロを持ってやってきた。
さっき頼んだ餃子がようやく来たようだ。
ふたを開けると、立ち込める湯気の中から熱々の餃子が顔を見せた。
醤油をタップリ付けて迷わず口の中に放り込むと・・・ん!熱っ!
「大丈夫?熱かった?でもね、おいしいよ!」
と、笑顔で話しかけるその彼女。
うん、熱かったよ、かなり・・・けど、その笑顔、素敵です。
「で?けんたくんはどうするの?」
ん?あー、はいはい、俺の話ね。
うーん・・・そうだね、それも大問題だよね。
そうだなぁ。
どうやら自分が作る餃子はどうもイマイチらしいんだよね。
毎回頑張って作ってるつもりなんだけどね。
「まずくはないけど、何かが物足りない」らしいんだよね。
でもなぁ、いつか彼女みたいに素敵な笑顔が作れる日が来たら、俺も素敵な餃子が作れるようになるのかなぁ。
嬉しそうに俺の餃子食べてくれる人が出てくるのかなぁ。
ま、いっか!
人生なるようになる!
適当に気楽にやっていきますよ!
(ここまで散々話を引っ張っておきながらのこのオチはヒドイですけど)
「そうだねぇ~、私はねぇ・・・餃子食べようっかな!」
何てことはない一言なのに餃子すら可愛く見えてくるから不思議だ。
それにしても、この子は本当にピュアで素直だな。
ちょっと引っ込み思案で、ちょっと人見知りするけど、笑顔がとても素敵。
「で?好きな人がいるってのは聞いてるけど、何というか・・・進展はあった?連絡とか取ってるの?」
「そう、あのね・・・好きな人がその場にいるとね、意識しちゃって話しかけられないから進展はないの」
「そうなんだ・・・ということはアレだな。さっきから張り切って話をしてるところを見ると、その『好きな人』っていうのは俺じゃないってことだな?」
「そうだねぇ・・・っていうか、この前誰が好きか言ったじゃない!」
笑いながら、バシバシッとボクの肩を叩く。
痛い・・・けど、その笑顔、素敵です。
時間をかけて根掘り葉掘り聞いていくと、どうやら今までも比較的「引っ込み思案」な恋愛をしてきたようだ。
自分から告白をしたことはない。
付き合っても束縛されてしまう。
色々な意味で「受身」だ。
だからこそ、今回は「さりげない優しさ」を見せる人を好きになったのだと言う。
自分の恋愛スタイルが「受身」であり、それを変えられないことを前提とするのであれば、そういう男性の方が確かに幸せになれるのかもしれない。
ただ、やはり自分から何かを仕掛けるというところに関しては引っ込み思案になってしまうようで、話が進展する気配がまるでない。
うーん。
どうしたものか。
「運命」や「縁」という、制御出来ない大きなうねりの中で、良くも悪くも「なるようになってしまう」なのだろうか。
それとも、過干渉をしない程度に何かしらのキッカケ作りをした方が良いのだろうか。
いや、その「干渉」ですら「運命」や「縁」の計算式に組み込まれているのだろうか。
ただ、いずれの場合も、何か具体的なアクションを起こすのは彼女自身だ。
そこに関しては何も出来やしないし、やってはいけない。
だけれども、そういう「場」を作るぐらいだったら大丈夫なんじゃないか。
言うなれば、厨房とセイロだけ貸すから、あとは自分で蒸して、熱々の餃子を意中の人に出してあげてね、といったところか。
そんな話をしながら二人で盛り上がっていると、店員がセイロを持ってやってきた。
さっき頼んだ餃子がようやく来たようだ。
ふたを開けると、立ち込める湯気の中から熱々の餃子が顔を見せた。
醤油をタップリ付けて迷わず口の中に放り込むと・・・ん!熱っ!
「大丈夫?熱かった?でもね、おいしいよ!」
と、笑顔で話しかけるその彼女。
うん、熱かったよ、かなり・・・けど、その笑顔、素敵です。
「で?けんたくんはどうするの?」
ん?あー、はいはい、俺の話ね。
うーん・・・そうだね、それも大問題だよね。
そうだなぁ。
どうやら自分が作る餃子はどうもイマイチらしいんだよね。
毎回頑張って作ってるつもりなんだけどね。
「まずくはないけど、何かが物足りない」らしいんだよね。
でもなぁ、いつか彼女みたいに素敵な笑顔が作れる日が来たら、俺も素敵な餃子が作れるようになるのかなぁ。
嬉しそうに俺の餃子食べてくれる人が出てくるのかなぁ。
ま、いっか!
人生なるようになる!
適当に気楽にやっていきますよ!
(ここまで散々話を引っ張っておきながらのこのオチはヒドイですけど)
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