goo blog サービス終了のお知らせ 

西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

コレクション シューベルト 声楽曲 リート

2013-01-30 21:43:13 | 音楽一般
シューベルトの作品も残されたのは声楽曲となります。声楽曲には、合唱曲とそれに歌曲、ドイツ語でリートと呼ばれるものがあります。リートから取り上げたいと思います。

最初にシューベルトのリートを網羅的に取り上げたのは、昨年亡くなったディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウでしょう。ディースカウは、シューベルトから始めて次々にドイツ・リートの作曲家の作品を録音し、膨大な遺産を残してくれました。ディースカウは何度となくシューベルトの歌曲集を取り上げましたが、70年代にドイツ・グラモフォンに3巻LP29枚を発表しました。1巻は「音楽に寄す(D547)」から始まっています。そして2巻が最初期のリートから「音楽に寄す」前までが収められています。(ワーグナーの「指輪」の録音を2つ目の「ワルキューレ」から始める指揮者がいたのを思い起こします。そのようなこと?販売を考えて?)3巻が「3大歌曲集(美しき水車屋の娘・冬の旅・白鳥の歌)」です。曲数は、順に171曲・234曲・58曲です。合計463曲。一般にシューベルトは約600曲リートを作曲したと言われていますから、約4分の3ということになります。ドイツ・グラモフォンは、当時シューベルト歌曲の全貌を世に知らしめようとしたのでしょう、ディースカウが歌えない女声用のリートをグンドゥラ・ヤノヴィッツで出していました。LP5枚に52曲が入っています。このうちディースカウとダブルものが10曲ありました。また1曲はオペラの中の曲ということで、リートとしては41曲加わったことになります。さらにアルト歌手のクリスタ・ルートビヒが(私が購入したのはCDですが)2枚分、29曲出しました。このうち、ディースカウ、ヤノヴィッツと重なっていないものが2曲だけあり、結局グラモフォンからは506曲ということになります。膨大な数です。しばらくはシューベルトのリートで聞けるものはこれで全部だろうということでしたが、CD時代も進むと、驚くべき全集が出されました。シューベルトの未完のリートを後世の人が完成(?)させて録音するということが行われるようになったのです。ハイペリオンからまずその第1陣が出されました。CD40枚です。ただし最後の3枚は同時代の作曲家の作品ということで(なぜこのようにしたのか不明ですが)、シューベルトの作品はCD37枚ということになります。グラモフォンがLP36枚(CD2枚も加えました)ですから、CDはLPの場合によっては1.5倍くらいの作品を収めますから、それこそ600曲くらいに、つまりほぼ全作品ということになるでしょう。ハイペリオンに続いてもう一つ、CD38枚からなる全集が出されましたが、これは購入しませんでした。ハイペリオンにないリート、主に未完のリートが入っていますが。

シューベルトのリートのコレクションは、これで十分だと思っています。これからは、心行くまでそれらを聴いてまたできればドイツ語の歌詞も勉強していきたいと思っています。

シューベルトのリート作品で何が最高だろう。やはり「冬の旅」ということになるでしょうか。また「白鳥の歌」の中のセレナーデ、これは歳時記でも触れたと思いますが、やはりこれも本当に素晴らしいと心から言える作品です。今も頭の中でこの曲が鳴っています。最後の作品番号にあたる「岩上の牧人」(D965)も好きな作品です。これはピアノの他にクラリネットも伴奏に付く珍しいリートです。最初に挙げた「音楽に寄す」も偉大な作品です。本当にこのようにみるとシューベルトのリートには、宝が数多く含まれている、そのように思っています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿