西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

アントン・ディアベッリ

2007-09-06 09:01:28 | 音楽一般
今日は、オーストリアの作曲家アントン・ディアベッリの生誕日です(1781年)。
アントン・ディアベッリ、who?という人が多いと思います。辞典を見ますと、室内楽曲、ピアノ曲に作品を残していて、特にピアノ曲は、練習曲として愛好されているとあります。ですから、ピアノを習う人にとっては、よく知られた作曲家なのかも知れません。そのような練習曲のことを全く知らない私にも、このディアベッリという名前は聞いたことがありました。それは、ベートーベンの大作、「ディアベッリのワルツの主題による33の変奏曲 ハ長調(通称 ディアベッリ変奏曲)」によってです。ディアベッリは作曲家であるだけでなく出版業者でもあり、1819年ウィーン在住の作曲家50人に自作による変奏曲を依頼し、ベートーベンがそれに応じたというわけです。ベートーベンは、最後のピアノ・ソナタ第32番を書いた後、ピアノは「不完全な楽器」との言葉を言い、ピアノの世界から離れましたが、やはり自分の思索を表すのにまたピアノの世界に戻ってきたのでしょうか。そのためか、この作品は33の変奏曲を伴う大作となりました。シューベルトにもこの依頼は来ました。シューベルトは、ディアベッリの主題をハ短調にしたということです。そして手元のCDでの演奏時間は1分28秒とあります。ベートーベンの1時間ほどの大作に比べると、シューベルトはあまりこの仕事に重きを置いてなかったということでしょうか。他に、この仕事を依頼された作曲家には、チェルニー、フンメル、ヒュッテンブレンナー、リスト、モーツァルトの息子、それにモーツァルトの知人のマクシミリアン・シュタードラーなどがいます。ディアベッリは、自作品によるよりも、この依頼仕事ゆえに(その多くはベートーベンの作によるが)、よく知られているように思います。



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