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西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

アルベール・ルーセル

2007-08-23 09:19:36 | 20世紀音楽
今日は、フランスの作曲家アルベール・ルーセルの亡くなった日です(1937年)。
ルーセルの名前を聞いて、私が最初に思い出すのは、「蜘蛛の饗宴」というバレエ音楽の作者ということです。このタイトルが目を引いたということです。これは彼の作品のなかでも傑作にあげられ、よく取り上げられて、CD化されていると思います。なぜ蜘蛛が出てくるのかというと有名な生物学者ファーブルの「昆虫記」に題材を得た作品だからということです。他に蜘蛛がタイトルに取り上げられているのはないのでは。(と思って辞典を見たら、ブラームスに「蜘蛛の糸」(カンディドゥスの詩による)というリートがありました。)
経歴を見ると、海軍に入っていたということで(当時仏領インドシナに行ったことがある、ということです)、同郷のイベール、それにロシアのリムスキー・コルサコフに通じるところがあります。交響曲も4曲書いていて、未完のものも含めてですが、リムスキー・コルサコフと同数です。この交響曲がやはり彼の作品の中心をなしているように思います。室内楽にも有名な作品がいくつかあります。60歳を過ぎてただ1曲だけ書いた弦楽四重奏曲や作曲家としてのスタートを切るきっかけとなったピアノ三重奏曲、など。弦楽四重奏曲を1曲だけ書いて、しかもそれがよく取り上げられる作品であるというフランス人の作曲家は多くいるように思います。ドビュッシー、ラヴェル(この2つはよくカプリングされています)、それにフランク、ショーソン、それにこのルーセル。歌曲を見ると、ロンサールやアンクレオンなど昔の詩人によるものの他に、中国の詩に付けたものもいくつかあり、どのような詩を使ったのだろうと興味が持たれます。有名なマーラーの「大地の歌」については、ほぼその原作が確定されているようですが、ルーセルの場合はどうなのだろう。彼の歌曲集はあまり出ていないようですが、いつか調べてみたいと思います。今、さきほどから聴いていた弦楽四重奏曲を聴き終えました。



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