Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

授業開きでの毅然とした対応

2008-01-13 22:42:30 | 教師修業
 向山洋一先生の「大きな数」のCDを購入し,聴き進めているところです。
 これは4月の授業開きから8時間の記録です。学年の最初にいったいどのような授業をしていったのか,大変興味深く聴いています。

 第1時間目の最初に,向山先生は自己紹介をしています。
 そして,「向山先生と言ってごらんなさい。さんはい」と投げ掛けます。
 このとき,ふざけた声で「向山先生」といった子がいました。
 その子に対して,向山先生は毅然と対応しています。短く,ビシッと叱っています。

 大切な子どもたちとの出会いの場面です。
 アマ教師ならば,子どもに悪い印象を与えることを避けようと,見逃してしまうことも考えられると思います。
 しかし,プロ教師は見逃しません。毅然とした対応をとるのです。アドバルーンに対してしかるべき対応をしなければ,子どもは教師をなめてかかります。

 この場面を聴いていて,私が中学2年のときの,理科の授業開きを思い出しました。
 授業の最初に,「注目。お願いします」という日直の号令で挨拶をしました。
 すると,理科担当だったK先生は毅然とした態度,低音でよく響く声で「やり直し」と命じました。続けて「それが2年生の態度か」とビシッと言いました。
 その一言で私たちは目が覚めました。「この先生をなめてかかってはいけない」と直感しました。1年間,K先生の理科の時間に私語が聞かれることはありませんでした。もちろん,授業内容も知的で分かりやすく,おもしろいものでした。

 中学3年のときも,理科はK先生が担当でした。
 その授業開きの場面もはっきりと覚えています。「注目。お願いします」と挨拶をすると,K先生は前年と同じく「やり直し。それが最高学年3年生の態度か」と毅然として言いました。

 他のクラスの友達に聞いてみたところ,K先生はどのクラスの授業開きでも,このような対応をしていたことが分かりました。

 授業開きで子どもに媚びるのではなく,毅然とした対応を取る。このことによって,逆に子どもの信頼を得ることができるのです。