ちょんまげから見る文明開化 １

　文明開化の授業のネタとして，ちょんまげを取り上げたことがある。
　ちょんまげから文明開化を見るのである。私のオリジナルのネタである。
　
　ネタとして使えそうな資料が２，３枚あった。
　まず明治天皇の肖像画である。

「明治天皇の髪型は，以前は違っていました。どんな髪型だったと思いますか。絵を描いてみましょう」

　こんな斬り込み方はなかなか面白い。
　私は実際に３年前，６年生相手にこの問題で授業した。授業の導入で投げ掛けたのである。
　ちょんまげにしたり，坊主頭にしたり，アフロにしたり…。
　何の根拠もなく，子どもたちはいろいろと考えを出してきた。
　この時点では，正解は子どもたちに告げなかったと記憶している。
　
　正解はちょんまげである。
　
　明治天皇が断髪を宣言したのは，1873年（明治6年）3月20日である。
　明治天皇のまげは，侍従たちの手で切り落とされている。
　明治天皇に文明開化と模範となっていただきたいというのが，木戸孝允，大久保利通，岩倉具視ら文明開化推進派の悲願だったのである（ただし,岩倉は当初ちょんまげ擁護派であった）。