再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

実体験に基づいた起業論(19)

2008-04-05 09:00:47 | 連載:実戦的起業論

組織論(3):会社の成長と組織の拡大をいかにバランスさせるか?

ベンチャー企業として創業したら、株式公開という通過点ではあるものの、明確な目標を立てるものであろう。

そのためには、会社の成長に応じて、組織を拡大させていくことが重要な課題となる。そして、社長はそのバランスをいかに取るかということに、心血を注がざるを得なくなる。

同時に、組織は人なので、拡大するということは、新たに人材を採用するということである。もちろん、アウトソーシングなど、人件費の一部変動費用化は可能だが、やはり中長期的に中核を担ってもらうような優秀かつモチベーションの高い人をどのくらい採用できるかが、組織の成長の質とスピードに大きく影響する。

とはいうものの、人を採用すれば当然人件費がかさみ、収益を圧迫する。また、どんなに優秀な人でも、利益貢献できるようになるまでに、半年や一年はかかる。つまり、人材はある種の投資と同じであり、その投資回収には、時間と忍耐が必要になる。時には、回収不能も覚悟しなくてはならない。

このような早く会社を成長させ、利益を安定化させたいという社長としての基本的ニーズを満たすことと、有能な人材を確保していくこととは、密接で深い関係がありつつも、短期的に見ると利益相反することになる。このバランスは難しく、おそらく正解を導く便利な方程式はない。

私の拙い経験から言うと、ベンチャー企業をうまく立ち上げるには、できるだけ現有勢力で「泣きながら」も対応し、人材採用は遅らせるべきである。そうしないと、あっという間に資金繰りに息詰まる。

一方、採用と言っても、名もなきベンチャーの場合、こちらが相手を選ぶというような贅沢は一般的には許されない。人とは、ある種の「出会い」であり、その出会いを大切にする。

私の座右の銘は、「一期一会」である。つまり、どこにどんな出会いがあるか分からないからこそ、常に最初の出会いの一瞬を大切にする。

そして直観的に「この人だ」と思った場合は、その場で「あなたの力を貸してほしい」と頼み込む。先ほど述べた「採用は遅らせるべき」という言とすでに矛盾しているが、こうした直観的な出会いは逃すべきではない。

経営とは、常に矛盾との正対である。

(次回に続く)

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