再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

新年度・2010年度のはじまり!

2010-03-27 09:05:08 | コラム

2010年も早3ヶ月が経過。いよいよ来週半ばからは、2010年度・新年度のはじまりである。

この4月からは、改正省エネ法の報告義務が開始し、同時に東京都の総量削減義務規制と排出量取引制度が始まる。

エネルギー関連政策では、再生可能エネルギーの全量買取制度や排出量取引制度、さらにはエネルギー基本計画の再改定などの議論が熱を帯びてきている。

まさに2010年度はわが国独自の環境対応への新しい一歩が始まる年である。

いずれにしてもさまざまな領域における規制強化の話なので、それに対応すべきこととなる企業やその現場では、今まで以上の仕事量となり、さぞかし大変なことであろう。

ただ、こうした環境諸規制を単にやるべき義務として受身的に処理していくのではなく、これらへの諸対応を通じて、今までない新しい世界へ飛び立つ契機なると信じて、積極的に対応してもらいたいものだ。

そのような能動的な思考と行動こそが、今の日本に蔓延している閉そく感や焦燥感を打ち破る唯一の方法であると信じる。

そして、それは日本が世界に向けてもう一度その存在感を示して行く底力となっていくことに必ずつながっていく。

桜の満開のシーズンも近い。桜並木の下で、大いに飲んで食べて歌って踊って、元気を出していこう!!!


日本経済の危機

2010-03-22 09:06:13 | チャット

3月年度末の連休中、トークショー番組では日本経済悲観論が蔓延していた。

その中で多くのコメンテーターが指摘していたのは、日本経済の世界における地位低下の原因は、日本企業・産業のビジネスモデルがグローバル競争の中で勝てなくなっていることだとか。

確かに各種経済指標のデータは、その結果を物語ってはいるものの、ここにきて一斉に論調が悲観的になっているのには閉口する。

ましてや論じているのは、学者、政治家、元官僚など、直接ビジネス経験などまったくない人達ばかり。そして大抵の結論は、今の政権や政策が悪いとなる。

こういう世間的には有識者と言われる人々が、ある意味無責任な立場で、テレビなどで大々的に発言し、より悲観的な世論形成や扇動につながっていく。

現状に至った問題や課題の深堀りもなく、ましてやその対処法への真剣な議論もない。

われわれは、苦しい時こそ、こういう浅薄なマスコミ的な論調に乗せられることとないようにしなくてはいけない。今やるべきことは、まずは現状の把握のため足元をしっかりと見つめた上で、未来に向かって愚直に確実に行動していかなければならない。

ビジネスマンは、決して評論家では終われない。具体的に行動して結果を出さねばならない。

危機をチャンスに変える唯一の方法は、危機に動揺することなく、冷静かつ着実に行動していくことである。

世の中を変える行動のためには、ビジョンや戦略が必要かもしれないが、それらは政治や官に頼るべきものではなく、自らが頭に汗をかいて絞りだすものである。

政治や官は、日本経済を支えるべき企業や産業などが活性化するための、環境整備にひたすら取組んでもらいたいものである。


ラトビア報告

2010-03-13 22:52:57 | チャット

ラトビアから帰国して1週間が経過。やっと時差ぼけ体調も日本時間に戻った感じです。

そもそもラトビアになぜ行ったか?

それはラトビアが京都メカニズムに基づく排出権(AAU)の供給先だからです。

AAU とは、京都議定書の第一約束期間における初期割当量(Assigned Amount Units)を指し、CO2換算、トンで示されます。

日本はラトビア以外からもロシアや東欧(ブルガリア、ルーマニア、チェコなど)から、大量の排出権を購入しています。

そのわれわれの税金の使い道が、果たしてちゃんとCO2削減に使われるかどうか。その確認を前提としなくてはなりません。その一連のスキームをGISGreen Investment Scheme)と呼びます。

今回のラトビアもGISに基づく、特に省エネルギーに関する啓もう活動と日本の技術紹介のセミナーを行ったのです。

ではなぜラトビアがAAUの供給先になったかと言えば、実は彼らの省エネ努力ではなく、単なる経済破綻によって、結果として大幅なCO2削減ができただけなのです。

これはある意味、総量規制の矛盾かもしれません。

現地で訪問した某大手化学薬品工場などは、不況によって工場稼働率がピーク時の25%ほどでした。このような事業所では、とても省エネどころではありません。事業の存続そのものが危うい状況です。

とはいうものの、日本のお金が現地の景気対策に使われるのでは、まったく意味がありません。

CO2の削減規制に頭を悩まされるのは、ある意味幸せなのかもしれない。ラトビアは、それどころではないのです。

経済成長と環境規制の両立。

日本も総力を挙げてこのテーマに取り組むべきです。まだ間に合うことを信じて。


産業競争力部会の開始へのコメント

2010-03-06 15:24:16 | チャット

ラトビア出張の予定スケジュールをすべて終え、これから帰国の途につく土曜日の朝であるが、ラトビア報告は後日として、今週は「産業競争力部会」の開始についてコメントしたい。

経済産業省は、本年2月より産業構造審議会の下に、新たに「産業競争力部会」を設置し、今日の日本経済および産業の行き詰まりや深刻さを踏まえ、「今後、日本は、何で稼ぎ、雇用していくのか」というテーマを検討するようだ。

その第一回部会にて配布された資料の中で、経産省が提示した「日本の産業を巡る現状と課題」と題したパワーポイント資料が目を引いた。

その中で、日本経済の行き詰まりの証左として、いくつかのショッキングな数値が提示された。例えば、一人当たりのGDPランキング(2000年:3位 ⇒ 2008年:23位)、世界GDPに占めるシェア(1990年:14.3% ⇒ 2008年:8.9%)、国際競争力順位(1990年:1位 ⇒ 2008年:22位)などなど。

さらに、この行き詰まりは、決して一過性ではなく、3つの構造的問題があるとする。

1.産業構造全体の問題

2.企業のビジネスモデルの問題

3.企業を取り巻くビジネスインフラの問題

これらの問題に対して、対処療法ではないソリューションを検討し、「今後、日本は、何で稼ぎ、雇用していくのか」。 その方向性を出すとしている。

確かに海外に出てみると、どこへ行っても日本の地位低下を実感することが多い。日本社会全体はなんとなく元気がないものの、とは言っても、国民の間にそれほど切羽詰まった危機感もない。なんとなく弛緩した状態とでもいうべきか。

中国をはじめアジアは元気一杯であり、欧米は相変わらずの自己主張的マイペースを堅持している。

この日本の状況に、なんとかしなくてはいけない、このままではいけないという焦燥感は、私自身も多少ながらも感じつつも、同時に日々の生活に追われ、なにもできないでいる。

こうした中で、本部会ではわが国有数の有識者による議論が始まったわけで、これはこれで大変興味深く、その結果にも大いに期待したい。

しかし、経産省の資料に何度も目を通していると、どこか言われのない違和感もある。それが何か、ラトビア出張中ずっと考えていた。

ぼんやりではあるが、ひょっとしたら幕末の日本では、徳川が、会津が、薩摩が、長州が、と自分たちの領国のことだけを主張していた時代があったが、それに似た感じかもしれない。

それは、日本が、韓国が、米国が、EUが、中国が、それぞれが自国の利益と生き残りだけを主張し合うパラダイムと類似ではないのか。

いずれにしても、少子高齢化が急速に進んでいる日本は、人口も減少していくので、経済的な地位は低下するに決まっている。むしろ、日本のような小国こそが、「地球」という視座で物事を考えるべきことの重要性と必要性を世界に訴えて続けていくべきではないのか。

せっかく有識者が集まる会であるので、自国の経済や雇用も確かに大切ではあるものの、それらのもう一段高い見地から、日本の役割や日本の将来像のような夢の持てるビジョンを打ち出してもらいたいものだ。

そのような将来に向けた大きなビジョンの下に、日本人はもう一度奮起しなくてはならないことは確かである。今、弛緩している時ではない。

しかし、それは自国の地位低下に対する危機感から発せられるようなものではなく、地球益全体を考えた「健全なる危機感」から湧き出るエネルギーでなくてはならないのではないか。

帰国前のラトビアのホテルより