再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

創業精神の役割

2008-09-28 05:37:23 | チャット

先日、創業40年以上経過した一部上場企業の「設立趣意書」を拝見する機会を得ました。もちろん、それはその会社の創業者が書いたものです。

その会社は超大手企業のグループ会社であり、親会社の意向で設立されたと、失礼ながら思っていたので、ある意味驚きでした。

その設立趣意書には、創業者の熱い思いと覚悟が綴られています。さらに、その行間には、言葉にならない、また言葉にできない創業者のエネルギーを感じます。そのエネルギーは、ある種の悔しさや怒りのようなものかもしれません。

ソニー、ホンダ、パナソニックなど、現在の日本を代表する会社も、それぞれに創業者の精神が受け継がれています。歴代の社長が、その時代の要請に合わせて、創業者の創業時の思いやエネルギーを読み解きながら、後世に伝える努力を惜しんでいないからでしょう。

どんな企業でも、背骨のように「一本筋が通った」企業は、どこか気品のような気高さを感じるものです。その理由の一つには、役職員全員が創業精神に誇りを持って仕事をしていることがあるのではないでしょうか。

もちろん、創業精神がうまく受け継がれていることだけで、収益的にも優良企業だというようなことはないかもしれませんが、一つの不可欠な条件ではないかと思います。


今年も集中講義をしました。

2008-09-20 10:24:57 | チャット

今年も東京農工大学大学院の修士課程の学生を対象に、集中講義をさせていただきました。

お世話になった教授の依頼がきっかけでしたが、今年で6回目となり、すっかり恒例化してきました。最初は私の担当は14時間程度でしたが、一昨年から2日で8時間(4時間/日)という、まさに集中講義です。

講座名は、「アントレプレナー特論」ということで、起業をテーマとしたものです。

起業というのは、それなりに荒波を覚悟すべきものですが、まさに私の5年間は、荒波と共にありました。

5年前の20039月の最初の講義は、まだFESCOの将来が見えず暗中模索の時。4年前の20049月の2回目の講義は、FESCO上場を半年後に控え緊張していた時。3回目の20059月は、上場初の株主総会を間近に控え高揚していた時。4回目の20069月は、大幅な赤字決算を出してしまった苦渋の時。5回目の20079月は、あいつぐ業績不振の責任でFESCO社長退任を余儀なくされた失意の時。6回目の今年は、気力を振り絞って2回目の創業に挑戦し1年が経過した原点回帰の時。

このように過去6回の講義をする当方の立場が、めまぐるしく変化しており、まさに起業家冥利に尽きるというべきか。

そのような中で、私が若い学生の皆さんに伝えたいことは、たった一つです。

「起業することも人生の一つの選択肢であり、創業はやってみないと分からない」

来年の今頃の自分はどうしているだろうか?果たして7回目の講義は?

「未来を予測する唯一の方法は、それを創造することである」

こんな先人の言葉が頭をよぎりました。


三種の神器ならぬ「三種の電池」

2008-09-13 18:23:06 | コラム

今後のエネルギー分野における「三種の神器」は、「太陽電池」「燃料電池」「蓄電池」「三種の電池」だそうです。

それぞれに電池と呼んでも、ご承知のように、太陽電池は太陽光を電気に変換する装置であり、燃料電池は化学反応による発電と発熱装置であり、蓄電池は電気を溜める装置です。

太陽光は無尽蔵でクリーンなエネルギー源であり、低炭素社会の構築には不可欠なものでしょう。わが国は太陽光発電の導入量の、再度世界一の座を目指して、政府も本格的な支援を開始しました。もっと高効率で低価格が実現できれば、間違いなく温暖化対策のエースで4番となることでしょう。

燃料電池も近未来の技術であり、本格的な実用化は目前に迫っております。ただ燃料電池にもいろいろな種類があります。今最も注目されているのは、固体高分子型(PEFC)と固体酸化物型(SOFC)であり、前者は小型で高効率、ON/OFFに柔軟などの特徴があり、特に自動車用として開発が進められております。後者は、PEFCよりもさらに発電効率が高く、かつ大型化にも対応できることから、未来のカーボンフリー大規模発電所として期待されています。

蓄電池は、そのコスト下がりと寿命が延びれば、電力業界の大変革をもたらすものです。現時点の技術水準では、電気は「生産即消費」が原則であり、そのことが電力ビジネスのある意味大きなボトルネックになっています。そのネックを解消できるのが、蓄電池というわけです。

2050年に温暖化ガスの排出を半減するというビジョンを世界に提示した日本としては、これらの三種の電池の技術開発と商品化で、世界をリードしていきたいものです。おそらくその日もそれほど遠くないと予感しております。


エネルギー政策の大転換

2008-09-06 13:29:57 | ニュース

94日付の電気新聞によると、経済産業省・資源エネルギー庁が「石油代替エネルギー促進法(通称:代エネ法)」を約30年ぶりに見直す方針を発表しました。

そもそもこの代エネ法は、第一次、第二次石油危機を教訓として、石油への依存度を下げることを目的した1980年に施行された法律です。その後、石油依存度が約半分になる効果を挙げました。

今回の改正方針は、「脱石油」からさらに一歩進めて、石炭や天然ガスも含めた「脱化石燃料」を目標とするものです。現状の世界の資源情勢を見ると、単に石油のみならず、石炭や天然ガスも高騰しており、今後とも新興国の経済成長が見込まれる中で、さらに需給がひっ迫するリスクは大いにあると思われます。

そこで、一日も早く、不安定な化石燃料への依存度を下げつつ、再生可能エネルギーのような国産かつカーボンフリーエネルギーの比率を高めることです。そうすれば、来るべき低炭素社会にも十分に対応できる社会構造の基盤構築に役立てることができます。

これによって、石油会社やガス会社には、バイオ系燃料の開発や供給量が義務化されることになるでしょう。電力会社には、すでにRPS法による再生可能エネルギー調達の義務化に加えて、低カーボンという点で原子力にも一定の義務化が進むかもしれません。

いずれにしても、世界の大きな潮流の中で、わが国もその流れに逆らうことなく、同時に、資源に乏しいわが国の国益を守り繁栄を期するためにも、今回の政策転換は時期を得たものだと評価したいと思います。

同時に、エネルギービジネスの普及と発展を期する者としては、この政策転換はさらに大いなるビジネスチャンスの到来だと思っております。いかにこの契機をビジネスとして捉えていくか、その知恵が問われることになるでしょう。

一日も早い法律の制定と施行を期待したいものです。