再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

エナジーショックとどう闘うか-6

2022-10-30 06:36:00 | 日記
EP(Energy Productivity:エネルギー生産性)が会社経営のKPIとして、しっかりと把握し管理ができれば、容易にCP(Carbon Productivity:炭素生産性)やROC(Return on Carbon:炭素収益率)を経営KPIに取り込むことが可能となる。
これらの指標は、脱炭素・カーボンニュートラル時代における企業の持続可能性(サステナビリィティ)や強靭性(レジリエンス)を投資家が判断する重要な目安となる。
私としては、近い将来、これらの指標を積極的に開示することは当たり前になるだろうし、むしろ義務化されるではないかと予想している。
企業経営者としては、世界的な脱炭素・カーボンニュートラル潮流に対応するためにも、こうしたデータドリブンな経営管理体制をいち早く構築することが必須であり、同時に今回のエナジーショックを乗り切るための経営基盤となることにも、いち早く目覚め、具体的な投資行動へとつなげるべきだと強調したい。
では、そのたのにはまず何から始めれば良いのか、次回よりそのあたりの具体的なプロセス論に移っていきたい。

エナジーショックとどう闘うか-5

2022-10-29 03:29:00 | 日記
EP100イニシアチブへの日本企業の無関心さはなぜなのか⁉️
その理由を考える前に、EP100について、その概要を説明する。
このEP100の認定を受けるには、次の3つの基準のうち、どれか一つをクリアすることとなっている。
第一に、「全社的なエネルギー管理体制を構築すること」である。
第二に、「全社のエネルギー生産性を2倍にすること」である。
第三に、「会社として、ZEBを保有すること」である。
第一の全社的なエネルギー管理体制を敷くためには、EnMS(Energy Management System)を導入することが前提となっており、要は企業の脱炭素度をリアルタイムで測る体重計を持てということ。
つまり体重計を持たずして、ダイエットは不可能だということで、極めて当たり前のことではないか。
第二のエネルギー生産性を2倍というのは、どういうことか。このエネルギー生産性とは、国内の省エネ法などで規定されているエネルギー原単位の逆数をエネルギー生産性と定義している。つまり、分子が売上・利益などの企業活動により生み出す経済価値であり、分母がその企業活動に要するエネルギー消費量であり、それを2倍にするということは、エネルギー消費量が一定とすると、売上・利益を2倍にすること。または、売上・利益を一定とすると、エネルギー消費量を半分にすることである。
以上の2つの基準のどちらかのクリアを目指すことが、EP100の要件であるが、私は個人的には、脱炭素・カーボンニュートラル時代のグローバルな潮流をうまく捉えて、真に持続可能な企業成長を目指すのであれば、両方の要件を同時に目指すべきではないかと思っている。
日本企業の失われた20年、30年において、日本社会全体の生産性を上げれなかったこと、その根底にデジタル化の潮流に乗り遅れたこと、この現実とEP100への日本企業の無関心さとのアナロジーを強く感じているのは、私だけなのだろうか⁉️
このあたりをもう少し突っ込んで考えていきたい‼️そこにこそ、日本企業復活のヒントが隠されているのではないか、それこそが私の現時点での問題意識である。

エナジーショックとどう闘うか-4‼️

2022-10-22 04:32:30 | 日記
前回エナジーショックへの闘い方の要諦として、世界の潮流を巧く活用することを提言し、その中でSBTイニシアチブへの対応を推奨した。
このSBTイニシアチブとある意味一体とも言える国際的なイニシアチブとして、RE100とEP100というものがある。どちらも英国のクライメートグループというNGOが主催している。
RE100は、自らの事業に必要なエネルギーを全て再生可能エネルギーで賄うというもの。EP100は、少し分かり難いが、EP(Energy Productivity:エネルギー生産性)をKPIとして、その改善を目指すもの。つまり、EP100は、自らの事業の省エネ・エネルギー効率化に関わるもの。
今回の強烈なエナジーショックをどう切り抜け、むしろ自らの成長の糧とするしたたかな戦略として、強く推奨するのは、SBTにこのRE100とEP100を加えた三位一体の活動である。
さらに言えば、その三つのイニシアチブの位置付け、優先順位として、まず自らの事業全体を筋肉質にするためのEP100がベースとする。その上でRE100による事業の再エネ化を図る。さらに事業のサプライチェーンも含めた事業全体を脱炭素・カーボンニュートラルへと進めるためのKPIとして、SBTに取組むこと、この三位一体活動が理想的である。
これらのグローバルに認知された諸活動を通じて会社や事業全体を全社員の納得のもとにグリーントランスフォーメーションしていくという戦略感を出来るだけ多くの経営者と共有したい。それが私の切なる願いでもある。
ただ、ここで少し残念なことがある。日本の優良企業と言われるところでは、すでにSBTやRE100への取組みは、グローバルレベルで見ても、宣言している企業数は上位であるが、なぜかEP100だけが低調なのである。
具体的には、SBTについては前回記したが、RE100は、2022年10月現在でグローバルで383社の中、日本企業は74社が参加表明しており、EP100はグローバルで120社の中、日本企業はたったの3社なのである。
このEP100への低参加の実態は、私には日本企業が今抱えている課題・問題の本質の一つを表しているような感覚がある。
今後、このことについては、順次語っていくが、私としてはこの課題・問題を広く世間に訴え少しでも改善していくことが、自らの人生最後の挑戦、役割だと覚悟して対応していく。

エナジーショックとどう闘うか-3‼️

2022-10-16 04:50:00 | 日記
闘い方の要諦は、世界の大きな流れに逆らうのではなく、むしろ積極的に活用すべし。
今世紀半ばまでの脱炭素・カーボンニュートラルを達成すること、これが今の不可逆的な潮流である。
この流れに対する企業としてのグローバルな動きとして、SBTというイニシアチブが定着してきた。SBT(Scgence Based Targets、科学と整合した目標設定)とは、パリ協定の水準に整合する企業における温室効果ガス削減目標のことである。
その中では、3つの項目について具体的な削減行動が求められており、その項目をScope1、Scope2、Scope3と呼ぶ。
Scope1と2は、企業の個別事業所をたいしとした温室効果ガス削減行動を指し、Scope3は、企業の取引先など、自社ビジネスを推進するためのサプライチェーン全体での削減行動である。
このSBT構想に申請し、すでに認定された企業は、グローバルで1,803社、日本国内では、277社に達している(2022年10月現在)。
Scope1と2については、これまでの削減活動の継続ではあるが、Scope1は、当該事業所から直接排出する温室効果ガスを対象とし、Scope2は、外部からのエネルギー等の購入により間接的に排出する温室効果ガスをはっきりと分けてカウントするところが、今までの活動と異なるところである。
具体的には、Scope1はガスやオイルを事業所で燃焼することで、直接CO2を排出することであり、Scope2は電力を購入することで、その電力の発電段階でのCO2の排出量をカウントすることである。
さらにScope3においては、ビジネス上のつながりのある上流、下流のすべての事業者によるCO2排出の捕捉であり、こちらはかなり面倒な作業になる。
いずれにしても、グローバルでビジネスを展開する企業においては、SBTの対応は必須になりつつあり、この複雑かつ面倒な作業を自らの経営体制にいかに組み込んでいくか、この巧拙が問われている。
ビジネスプロセスのデジタル化遅れた日本企業としては、こうしたグローバル構想への積極的な取組みを通じて、自社及び自社グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進して欲しいものだ。

エナジーショックとどう闘うか-2⁉️

2022-10-10 03:34:00 | 日記
今回のエナジーショックは、半世紀前のオイルショック同様に、世界規模で起こっている。
この種のグローバル問題への対処の基本的な心構えは、世界の大きな潮流を見定めながら、無闇にそれに逆らおうとせず、その流れを最大限に利用・活用しようとすることかと。
その大きな潮流とは、「脱炭素・カーボンニュートラル」である。
「こんなにエネルギーが高騰している時に、脱炭素やカーボンニュートラルはないやろ‼️」
この種のネガティブな発想は即捨てるべきだ。
むしろ「この動きを利用して、上手く対応するには、どうしたらいいか⁉️」と前向きな発想が大切である。
問題や課題が複雑であればあるほど、「こっちか、あっちか?」というトレードオフ発想は、役に立たない。「こっちも、あっちも‼️」というトレードオン発想が肝心である。
22世紀の未来において、「あの時、エナジーショックがあったからこそ、人類は気候変動問題を乗り越えることができた‼️」と歴史の教科書に記されることを期待したいものだ。