総括論(1):社長とは?
本連載もまとめの総括論に入る。その第1回目は、そもそも社長とは、どういう存在かという私見を述べたい。
ただし、社長とはいっても、私自身が実体験として語れるのは、ゼロから創業したベンチャー企業の社長である。それは、一部上場企業のような大企業の社長とは、まったく違うものであろうし、私にはそちらを語る資格も経験もない。
さて、創業社長の特徴は、とにかく事業へのこだわりが強い。作った会社は、自分の子供のようなもので、出来の良し悪しには関係なく、自分の分身のような感覚を覚えるものだ。むしろ、出来の悪い方が、可愛いという点では、子どもと同じかもしれない。
会社の創業理念や社名にも、自分の志と思いを込める。自分自身の生き様そのものであり、日々の生活と一体化する。
朝から晩まで、会社のことばかり考え、時には夢の中でも会社のことを心配している。ある種の「狂の世界」にいるようなものだが、自分ではまったく違和感がない。時として、周りが見えなくなり、自分の世界に没入する。
ある時は、大きな夢を語り、ある時は、些細なことにくよくよし落ち込む。創業社長というのは、とてもまともな人格では勤まらない。かなり分裂的、躁鬱的である。
創業後、数年間は「ベンチャー死の谷」に急降下。日々、お金がなくなっていく。その気分は、恐怖を超えた快感かもしれない。
などなど、いろいろと表現しても語り尽くせない。やはり、創業は自らやってみるしかない。
若い人には、とにかくチャレンジして欲しい。そこにはやった人だけが分かるユニークな世界が待っている。
そして、創業社長は一度やったらやめられないのである。
(次回に続く)
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