再び原点回帰なり!

未熟なビジネスマンの心のつぶやき

2007年の総括

2007-12-30 17:53:14 | チャット

「四十して惑わず、五十にして天命を知る。」

この有名な孔子の言葉通り、199740歳にして「日本で最初の総合エネルギーサービス会社(ファーストエスコ・FESCO)を創る」という「あどけない」夢からスタートし、本年2007年、50歳にして、その夢に一旦終止符を打つことになった。

このことで大変多くの人を裏切り、迷惑を掛けたことに対して、自責の念と慙愧の思いで一杯である。一生忘れようにも忘れられない一年であった。

私にとって、2007年という年は、50年の人生において最大の「挫折」を得た一年であったのだ。

ただ、その失意の真っただ中で、家族や親兄弟、友人、仕事上の先輩後輩など、さまざまな人達の温かい激励、理解、協力によって、その苦境をなんとか乗り越えることができた。

そして、あきらめることなく、もう一度10年前の夢と志を胸に秘めて、再チャレンジに向けてスタートを切ることができた。

この10年は、決して無駄ではなかったと思う。それどころか、この「挫折」こそが、天から授かった宝物なのだと思うようになれた。

まさに周囲の人達に支えられ、「五十にして天命を知った」のである。

2008年は再生を誓いつつ、今は感謝あるのみ!


実体験に基づいた起業論(6)

2007-12-29 08:14:55 | 連載:実戦的起業論

動機論(5):会社の理念と個人の思い

会社の創業理念や企業理念と創業者の思いとは、一緒であるべきだろうか。

会社の理念は、対外的かつ公式なものであり、会社の成長に伴って、多くの同志を求めるための「旗印」になるものである。

その理念には、創業者の強い思いが込められているのはもちろんであるが、果たして創業者の思いとは、その理念に反映されたものだけであろうか。

私は、当然のこととして、創業者には創業者の、起業家には起業家それぞれ個人の思いと企みがあってしかるべきだと思う。

どんな起業家でも、一人の人間にすぎない。聖人でも神でもなく、弱い人間である。

いろいろな人に言えないような思いがあって当然であろう。時に、それは「恨み」や「怨念」にも似た醜い感情かもしれない。

ただし、そうした必ずしも美しくなく、私欲的な思いをいかに胸の奥にしまい込めるか。それらを会社創業のための苦労を乗り切るエネルギーとして、自らを奮い立たせる精神的な活力としては利用するものの、表に出さないでいられるか。

その心の葛藤を超克することこそが、起業家の創業を志す本質であり、起業家の魅力につながっていくのではないだろうか。

私は、まったく私欲のない起業家はいないと思うが、むしろ起業家こそ、私欲の塊なのではないかとも思う。ただ、その溢れんばかりの私欲をいかに抑制できるか。その私心の抑制力という人間力の度合いで、起業家の真の価値が決まってくるのであろう。

今回で「実体験に基づいた起業論」の第一項としての「動機論」を終わり、次回からは、企業理念について語る「理念論」に移っていきたい。

(次回に続く)

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実体験に基づいた起業論(5)

2007-12-23 07:48:30 | 連載:実戦的起業論

動機論(4):ビジネスに正解はない!

前回、創業の動機として、「大義・志」の重要性を述べた。

しかし、一方でもう一つ起業家が腹をくくる必要があることがある。これは起業を目指す者のみならず、ビジネスパーソンすべてに言えることではあるが。

それは何か?

「ビジネスに正解なし」

という厳然たる事実であり、真実でもあろう。

どんなにうまく行った戦略でも戦術でも、二度と同じものは使えない。たとえ同じような場面や状況であっても。

つまり、「ビジネスは一回性」なのである。その意味では、「人生そのもの」なのかもしれない。

私は「生きること自体が一回性の連続だ」と覚悟を決めている。だからこそ、座右の銘は「一期一会」なのである。

起業家に対する「なぜ会社を立ち上げたいのか?」という質問の答えに、このビジネスの一回性に対するしっかりした覚悟があるのか、はたまたないのか。そのことで、彼の大義・志の深さも見えてくるものである。

逆に創業者には、この覚悟と人生観が必須であろう。

(次回に続く)

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日本は世界一の省エネ国か???

2007-12-20 14:43:14 | コラム

「日本は世界で一番省エネが進んでいる省エネ先進国である!」

私はこの言説を信じていますし、事実だと確信しています。ただし、COPのような世界会議では、どうも説得力が弱いように思います。

「日本は進んだ省エネ技術をベースに世界の省エネ推進のリーダーシップを取るべきだ!」

この言説にも、100%賛同しますし、そうあるべきだと願っています。また、そうすることが、日本の国益にも適うことだと信じています。ただし、このリーダーの立場も、残念ながら国際的なビジネスの場では、あまり取れていないように思います。

なぜなのか?進んだ省エネ技術も保有し、省エネマインドも強い国民であるにも関わらず。

何が問題で何が欠けているのか?

なかなかこの問いに対する明確な答えが見つからず、悶々とした日々が続いています。

そんな折、某環境エネルギー関連の友人から、聞いたことが心に残っています。

「日本以外の他の先進国は、あのヨーロッパでさえも、いわゆる需要側での省エネの意識は極めて低いのです。CO2排出権枠もすべてエネルギーの供給側に割り当てられており、エネルギーを使う側は、特に工場などは、ユーティリティをアウトソーシングするだけで、自工場内のエネルギー消費削減にはあまり関心がないですよ。排出権取引に熱心なのも、基本的にはエネルギー供給側の企業ばかりですよ。」

省エネの基本は、まずは「消費の削減」から。

「もったいない」の発想を持った日本人には、あまり違和感のないことですが、意外と欧米人などでは、まだまだ理解が進んでいない、というよりもそうした感覚に乏しいのではないか?

この友人の話が事実であるならば、消費削減型の省エネがコストダウンにもつながり、ひいては中長期的に企業の真の競争力を強めることになるという日本の優良企業においては、常識的な経営判断をいかに世界に実証していくか。真面目に実証するのみならず、まずはプレゼンテーションしていくか。

世界の省エネリーダーとなりうる戦略は、意外とこうした単純なことかもしれない。もっと積極的に日本の省エネ技術や商品をベースに海外に出て、ビジネス機会を創出し、儲けを出していくこと。

車やゲームのように、日本の省エネ技術や商品も国内市場重視からグローバルな視点重視へと、発想転換していくべき時なのではないだろうか。

友人の話に啓発されて、そんなことを考えた次第です。

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実体験に基づいた起業論(4)

2007-12-15 16:15:23 | 連載:実戦的起業論

動機論(3):大義ある創業者の思い・志とは?

前回は、創業者の存在をかなり自虐的に表現したが、やはり創業者には創業者しかない強い「思い・志」というものがある。また、そうした「思い・志」があるからこそ、創業という冒険の旅に出る勇気が湧いてくるものである。

創業の動機には、創業者も人間である以上、「本音」と「建前」があるものだろうが、同時に、その動機には、必ず「大義」がなくてはならないのではないか。

「なんのために会社を創るのか?」という問い掛けに対して、やはり周りが「なるほど!」と納得してくれるような「答え」がないといけないのではないか。

その答えの中に、万人とは言わずとも、少なくとも何人かの心を動かすような「思い」が感じられなければ、その創業者の下に人が集まってくることはないだろう。そうなれば、会社という組織そのものが成立しないことになる。

私も創業を志したころから、努めて創業社長の話を聞く機会を持つようにしている。それぞれに表現や言い回しはことなるものの、伝わってくる「思い・志」がある。そして、その創業者の「思い・志」には、やはり必ず何かしらの「大義」を感じる。

「本音」と「建前」とは、場面によって使い分けることができるが、この「思い・志」だけは、そうはいかない。つまり、その人間の生き様そのものであり、化粧をすることができない。化粧をしてもすぐにはげ落ちてしまう。

「なぜ、自分はこの世に生まれたのか?」

その問いを突き詰めるような思考から湧き出てくるある種の感覚、それは「使命感」と言い換えてもいいかもしれない。それが創業者の「大義ある思い・志」なのである。

 

(次回に続く)

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