稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

攻めの継続性、その延長線上で打つ(木曜会、2018年8月30日)

2018年08月31日 | 木曜会(誠先生の剣道教室)
木曜会稽古。四條畷の市民活動センター。
今年29回目。人数は20名少し。
お盆前と変わらず体育館の中は蒸し暑い。

面を着けずに素振り、座学。
面を着けて剣先の攻め合い、123の足捌き、切返し。
123から正面打ち、
無理やり打つのではなく体幹に委ねて打つ。
体幹が出来ていない打ちは正確に打てる確率が悪くなる。
123の3で揺らがないように。揺らぐと攻めの継続性が無くなる。
打ちは、攻めの継続の延長で打つことが大事。

無理に遠くから打とうとすると崩れてしまう。
まずは近い間合いまでしっかり入って確実に打つこと。
体幹が出来てから遠間で打てる努力をすること。
(最初から遠間で打とうとするべからず)

攻めて動かない相手には・・・(これは口伝とします)。

今回は師匠より、ラインにて復習ポイントの伝達があったのでそれを記す。
----------------------------------------
昨夜の復習

打突の好機は、

自分から積極的に攻め上げて、相手に恐懼疑惑を起こさせ、
三つの隙(心、動作、構え)をとらえる。

三つの先(先々の先、先、後の先)
①崩して打つ
②技を起こさせて打つ
③引き出して返して打つ

打突の好機は、一瞬、その瞬間に機先を制して打つのか、
捌くのか、応じ返すのか、間を切るのかを瞬時に判断し
迷いなくすぐさま打突出来るように剣道を磨いていかなければならない。

打突の好機をつくるためには、相手を観察し、相手の気の攻め、
癖などあらゆるものを感じ取り、攻めるための糸口をさがし自分から仕掛ける。
打突の好機が現れた一閃に躊躇せず打ち込む。

☆そのためには正しい構え、竹刀の握り、
目線、間合いの基礎的要素が身に付いていることはもちろん、
一拍子、一挙動の打突が身に付いていなければならない。
----------------------------------------


(触刃から交刃の間へ)


(確実に打てる自分の打ち間まで入って準備する)


(準備完了とともに右足を出しながら中心を取り打ちに転ずる)


(打つ寸前まで剣先は上げない・写真は打ち始めの初動の部分)


最後の挨拶での師匠の言葉。

しっかりした技を出すためには、間合い、構え、竹刀の握り方、
足の出し方、面の打ち方を丁寧にするということが大事である。

稽古の中で究極の基本稽古が出来なければ駄目。
知らない相手とでも、究極の基本打ちが出来るように心掛ける。
負けまいとばかりに横から打ってみたり変な技を使ったりせず、
竹刀の横手のところから鎬を削るような稽古をすること。

鎬を削って中心を取って相手の四戒(驚、懼、疑、惑)を感じて、
心の隙、動作の隙、構えの隙が出来たところを、瞬時に技に変える。
そのためには心気力が一致していなければならない。
それでこそ気剣体一致の技が出るのである。


【感想・反省点】

久々の木曜会。
最初の素振りで、自分の構えが崩れてきているのを感じた。
正しい構えに比べると若干丸っこくなっているのだ。
木曜会の稽古が無ければ気付かなかったかも。

師匠に指摘されたが、気を抜くと、打つ前に剣先を開いてしまうクセが出る。
開いてしまうほどで無くても中心を取っていないのだ。
中心を取る取らないで自分の気迫が相手に伝わる度合が違うのは感じる。
剣先で圧力をかける方法、度合いは明確にして行きたい。


(休憩中、師匠の背比べ丈比べの個人指導)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長正館自主剣道稽古(矢田中学校、8月29日)

2018年08月30日 | 剣道・剣術
東住吉の矢田中学校体育館で19時半から21時まで。
やっぱり暑い。蒸し暑い。少し風が入ってくるのがありがたい。
先週決めた急な自主稽古だったが最終は9人になった。


(全員で準備運動と素振り)


(いつも通り基本稽古)


(K川四段とK野三段)


(稽古終了)

【感想・反省点】

基本稽古の時間に初心者のTちゃんを指導。
足捌きと素振り、打ち込みの基本。
お姉ちゃんに教わっているので良い感じだ。
あとで大人に交じって面打ちだけすることにする。

あとは自由稽古。暑いので稽古を短く休憩を長く。
今回、元立ちが長かったので稽古中の写真はほとんど無い。

しかし元に立つとつらい。
甲手が小さ過ぎるのも違和感が抜けなかった。

4人続けて受けた時点で待ったをかけて扇風機に当る。
大型の扇風機だが、面の中の顔に風を当てるだけでも気持ちがいい。

S口二段には相面で、真正面でぶつかる気で打ち込めと指導する。
打って横に抜ける気持ちがあると竹刀が当る前に気持ちが逸れてしまうからだ。
相面は心の勝負。少しでも逸れる気持ちがあると打ち負ける。

長正館は伝統的に8月は夏休みである。
8月、合計5回の自主稽古は今回でおしまい。
最初はどうなることかと思ったが無事に終了して良かった。

次回の長正館の稽古は、9月2日(日曜日)の18時半~、湯里小学校での月例稽古。
定例稽古は9月5日の東住吉区矢田中学校で19時半~。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

注意!詐欺メール「電子契約利用分:ご精算依頼」

2018年08月29日 | 詐欺、迷惑、防犯、防災、危機管理
また詐欺メールが来た。
件名は「******@********.**.**:電子契約利用分:ご精算依頼」とある。
(******@********.**.** が私のメールアドレス)

2017年09月16日に書いた「電磁記録追跡による債権回収委託手続きの通知」と似ている。
同じグループなのかどうかわからないが、注意を喚起するために紹介します。

2017年09月16日「電磁記録追跡による債権回収委託手続きの通知」
https://blog.goo.ne.jp/kendokun/d/20170916


下が今回の文面のコピペ。
こんなのは気にせず、ゴミ箱にポイしちゃいましょう。
けっして返信したりしないように。

------------------------------


貴殿(******@********.**.**)はFC.comが管理するWEBContents(インターネット上における電子商取引に基づいた有料サイト及び無料期間を設けた月額制サービス)ご登録後、無料期間終了後に正式な解約処理を行わないまま放置をされ現在、利用料金を滞納している状態となっております。

電子商取引による利用履歴に基づき、貴殿に対して利用料金のお支払については、再三のインフォメーション内の督促通知にてお知らせしていたにもかかわらず、支払いがなく、現在多額の延滞金が発生しております。
暫定未納金総額
(【623,600円】 )
※遅延金等を含む

つきましては、未納分及び延滞損害金をお支払頂く様本状にて勧告とし、貴殿に穏便に問題解決する意思がある場合は、当方にて合意解約(和解契約)の手続きを行えるよう手配致しましたのでご確認ください。

fc2(下記WEBコンテンツ一覧)に登録をしてない、利用した記憶がない、その他間違いである場合、当カスタマーセンターにご連絡を頂きましたら、登録情報の確認並びに本人確認を行うことが可能となっております。
申請された登録情報が一致し、本人確認が完了した場合のみ、【有料アカウント削除】を行うことができ、fc2提供サービスを管理する運営元が現在発生してる遅延損害金を含む未納金全額の債権放棄をします。

債権放棄履行後、遅延損害金を含む未納金の債務は消滅し、データベースに保存されてる登録されてる一切の個人情報を抹消し、登録されましたアカウントのご利用はできませんので、注意下さい。
当該アカウントにてネットショッピングの商品、デジタルコンテンツ等が注文処理中の場合、全てキャンセルとなりますので予めご了承下さい。

=削除申請の手続き方法=

現在発生してる遅延損害金を含む未納金【623,600円】の債務消滅、個人情報抹消を希望される場合、回答期限である本通知閲覧後24時間以内に【アカウント解除】と本通知に記載し、ご返信下さい。
申請のご確認が取れましたら、利用履歴およびアカウント情報の削除処理および利用契約破棄の手続きを進めてまいります。

※必ず本状が受信されたアドレスからご返信下さい。
その他のアドレスからではご本人確認が取れず申請が無効となります。

尚、このままアカウント解除による和解手続きのご返答が確認できなかった場合は債権回収三次団体への委託処分となります。
債権回収三次団体は国からの認可を受け、合法的な強制処分を執行できる機関となります。

1.ご口座及び給与の差押え
2.所有財産(ご自宅、家財、車)の競売処分
3.自宅への訪問及びご自宅のポスト及びドア等への督促状の貼り付け
4.ご親族、職場へのご連絡と代理返済の要求
を代理人弁護士を通じて法的手続きによる執行と致します。
このような事態にならないよう貴殿の速やかな対応をお願い致します。

※ご自宅訪問の際は財産物の強制没収と売却が行われます。
 (テレビやパソコン、携帯電話など生活必需品以外の全ての財産物を強制売却致します)

上記のように、手続きを拒否した場合認可団体へ債権が委託され日常生活に支障をきたし、更に親族や知人にまで多大な迷惑がかかる事となります。
貴殿の速やかな対応が予期せぬトラブルを防ぎ、これ以上の請求の発生を防ぐ唯一の手段となりますのでご対応の程、お願い申し上げます。

以上、其々電子商取引法、契約法に基づく催告とする
[-消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該電子消費者契約の申し込み又は承諾の意思表示があった際、サービスの利用規約について同意し利用したものとする-] (電子商取引法)

■会社概要およびサービス概要
運営法人
FC2,INC
・本社所在地
101 Convention RideCenter Dr.Suite 700 LasVegas,NV 89109
・設立
1999年7月20日
事業内容
ドメイン名販売
デジタルコンテンツ配信
ウェブホスティングDFesmXZa
アプリケーション開発

【反社会的勢力排除宣言】
当社は反社会的経済活動により利益を追求する集団又は個人、(いわゆる反社会的勢力)による被害を防止し、組織的に反社会的勢力を排除するため、次の基本方針を宣言します。

第1条 利益供与の禁止
反社会的な活動を行う個人、団体に対して、利益を供与しない。これらの個人、 団体との交際は断じて行わず、また、金品の提供、書籍、情報誌などの購入、その他、利益の供与となるような行為を行わない。

第2条 反社会的行為への加担の禁止
反社会的行為に、決して加担しない。暴力的活動、組織的破壊活動など反社会的活動を行う団体や、人権侵害行為、非人道的行為を行う組織などに対して、理由の如何を問わず、一切の取引、融資、援助、同調その他の加担行為をしない。

■サービス一覧
FC2,comが提供するWEBホスティングサービス
FC2ブログ
FC2WIKI
FC2動画
SayMove!
ひまわり動画
無料ストリーム動画
音楽視聴
FC2ライブ
FC2コンテンツマーケット
ねとらじ
ソーシャル・ネットワーキング・サービス
[ニュースサイト、占いサイト、チャットサービス]
ミニブログ
掲示板
ブログランキング
ホームページ
レンタルサーバ
バーチャル・プライベート・サーバ
専用サーバー
ドメイン
ショッピング・カート
ショッピングモール
アフィリエイト
レンタルフォーム
アクセスカウンター
プロフ
アクセス解析
アクセスランキング
R18[成年向けコンテンツ]
テキスト広告

pPuCm



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

老いを感じた、五ヶ所城址「鍛錬の段」

2018年08月28日 | 剣道・剣術
昨日は愛洲氏顕彰祭・剣祖祭の事を書いたが、
自分的には少々、いやかなりショックだったことがある。

駐車場に車を置き、「愛洲の館」の道場で着替え、
それから「鍛錬の段」と名付けられた急な階段を登って五ヶ所城址へ向かうのだが、
この階段がけっこう辛く感じるようになったからだ。



以前からきつかったが今回は完全に息切れしてしまった。
暑いせいもあるのかも知れないが、いや以前はもっと楽に登っていたはず。

戻ってネットで何となく「ロコモ何とか」という記事を見て、
年を取ってから急に運動をするのも良くないとか何とかかんとか書いてある。

で、「ロコモ度テスト - 立ち上がりテスト」というのがあった。
楽勝の気持ちでやってみたら、40センチの片足がまったく出来ないのである。

まったく出来ない!



いやはやショックである。足はすでに爺さん化してるわけだ。特に左足が駄目だ。

剣道をずっと続けているので、人よりは筋肉に自身があったのだが、
それは剣道で使う限られた部分の筋肉しか鍛えていなかったのではないか?

そういやこの10数年、車で通勤し、歩くことも少ないし、
他の運動もしたことが無いし、足の筋肉はかなり低下しているのかも知れない。

サラリーマン通勤時代は片道30分の電車は立ってたし、
難波から心斎橋まで片道2キロは歩いていた。
会社でもエレベーターはなるべく使わず階段で上り下りした。

最近、腰痛が慢性化しているのも、背筋ばかりが鍛えられ、
腹筋やその他の筋肉とのバランスが悪くなってきているのだろう。

ふと思い出す。

30年ほど前、日本武道館の武道学園に通っていた。
九段下から武道館まで、けっこう長い坂道を上がる。

ある日、ふと前を見ると、
目の前の防具を担いだ人が、猫背で、ゆっくりゆっくり坂道を登っている。
後姿がやけに貧相に見えた。

たちまち追いつき追い越して振り向くと、
いつもコテンパンにされる強い七段の先生だったのだ。



考えてみると今の自分はその先生の年に近づいてきている。
いやすでに越してるのかも。

いくら剣道で頑張ってみても基礎体力は落ちてきているに違いない。
剣道や剣術だけをやっていては駄目なのでは無いか?
いまにそのうち要介護で足腰立たなくなるのではないか?

そう思うと居てもたってもいられず、今も仕事の合間に運動をしている次第。

せめて「ロコモ度立ち上がりテスト」で、
40センチの片足が出来るところまでは頑張ってみるつもりである。

マジで、えらいこっちゃ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛洲氏顕彰祭・剣祖祭(2018年8月26日)

2018年08月27日 | 剣道・剣術
平成30年度(第37回)愛洲氏顕彰祭・剣祖祭に参加した。
毎年、小野派一刀流として、長正館から数組が参加している。

前日は定宿の民宿「海晴」に宿泊した。
大和柳生さん達のグループと食事が一緒になり酒も盛り上がった。
散々飲んだあと、最後に残った越乃寒梅を湯飲みに3杯飲み干したがあれが響いた。


(25日、長正館、前泊のメンバーと)


(25日、大和柳生の植木康行宗家と)


(26日朝、民宿「海晴」の前で)

朝は5時半頃には目覚めて6時過ぎから朝食。7時出発。
急な階段の上の五ヶ所城祉にて受付は8時、開会は8時半である。

奉納演武は、演武順に、
日本剣道形、愛洲影流継承広島柳生新影流兵法、伊勢神桜流、直新影流、伯耆流、
肥後新陰流、大阪居合抜刀術戦闘法研究会、兵法タイ捨流、山中念流、
小野派一刀流長正館、無双直伝英信流居合術古傳専心會道場、素心流居合抜刀術、
北辰神櫻流居合兵法、無双直傳英信流、無双直伝英信流居合兵法頒風会、
大和柳生新陰流(江戸柳生)、柳生制剛流、心形刀流武芸形、影流、
尾張貫流柳生新陰流兵法、柳生新陰流兵法、日本戸山流居合道、
宝蔵院流高田派槍術、少年剣士による野試合、少年剣道大会奉納稽古・・と多彩である。

今回も事前に相方と特に形合わせはしなかった。
「拳の払い」という形で、普通の形の間合いよりわざと深く入り、
仕方の小手を本気で斬り払いに行ったが、相方が応じたのは流石である。

帰りは松阪市内で鰻を食して解散。
事務所に戻って夜の10時近くまで仕事をして帰宅。
早朝に起きて演武して運転して仕事。さすがに疲れてはててしまった。


(長正館、前半組の演武、その1)


(長正館、前半組の演武、その2)


(長正館、後半組の演武)


(終了後に相方の松本英一氏と)


(山中念流十七代宗家の小林正司先生と)


(長正館の演武メンバー全員)


(帰りに食べた鰻重特上)


【感想・反省点】

演武は緊張することも無く、いつもの調子で演じた。
少し遊び心が出て、仕方の小手を本気で斬り払いに行ったが、
相方も大したもので、とっさに応じたのは賞賛ものである。
他の者なら怪我をしていたかも知れない。

前日は飲み過ぎた。かなり飲んだ。最後は一人で飲んでた。
飲んだからと言って演武を失敗などしたら末代までの恥である。
今回は問題無かったが、前日の酒量は制限せねばならぬ。

演武より前日の料理と酒のほうが楽しみなのは内緒であるが・・・

以下、余談。


(刺身が新鮮で無茶苦茶に美味かった)

新鮮な鰹の刺身があったが、最初の一口は堪らないほど旨い。
鰹の刺身は個人的に一番好きかも知れない。
量が多く、残った刺身はバター焼きにしてもらった。
このバター焼きも超旨かった。酒が進むはずである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.19(昭和60年9月30日)

2018年08月26日 | 長井長正範士の遺文


○前項でうそとかけひきは違うという事をもう少し具体的に説明すると、
うそは悪いものを良いというように罪悪を中心にしたかけひきである。

宗教も正しい者を作るための方便である。剣道では技で言える。

例えば甲手にみせかけ面にゆく技は、始めはそれで良いが、
だんだんそれはうそであることに気付かねばならない。
甲手を打ち、これを防がせてから面を打つ。これはうそでなく技である。

○刀剣と日常生活
あの人には刃が立たぬ。あの男は切れる。真剣に考える。鍔ぜり合い。
せっぱつまる。目ぬき通り。つかの間。さや当て。ほこ先を変える。
等々、このことで判るように刀剣と日本民族のつながりの深さを知ることが出来る。

○剣道は互いに命をかけて斬り合う。
この真剣勝負の中にも最高の道徳を乱さない。
その心構え、それを学ぶのが剣の修行である。即ちこれを武士道と言ったのである。

○剣道を指導するのには、立派な賢い人間ににするためやらしているのだから
習う者は強くなりたい勝ちたいと思うのは間違いである。
剣道は剣を通じて立派な道を習うことである。
第一、相手に勝つということでなく、自分に勝つこと、即ち悪い点を直すことである。
悪い点とは正しくないことが悪い。

この小さい日本の国内で日本人同士が叩き合いして、
勝った負けたと喜んでいる時代ではない。
世界に対し立派な日本を作ることが大切。
之が為、剣道を修練し立派な心と立派な体を作ることである。
間違った剣道は剣道ではない。
如何に立派な字を書いても間違った字では駄目であるように。

○昔の古流の形を研究すれば形の大切さが判る。
今の日本剣道形は一本目、二本目というだけで名称がない。
古流には何本目何と必ず名称がある。その名称の中に形の尊い精神が含まれている。

今の形を仮りに名称をつけると

一本目 相上段抜き面
二本目 甲手抜き甲手
三本目 突きの応じ返し
四本目 脇、八相 巻き返し面
五本目 追い込み 表摺り上げ面
六本目 追い落し 裏摺り上げ甲手
七本目 抜き打ち胴

私は形を指導するに当っては上記のように名称を言って、
その名称の精神理合を説明して形をやらせている。

○花は美しい
然し山吹の花よりも梅の花が良い。
何故か?枝が立派で綺麗ばかりじゃいけない。香りがなくてはいけない。
香りこそ長年かかって修業した賜物から出て来るもので、
剣道もつまり、いつまでたっても修業また修業である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.18(昭和60年9月28日)剣道即実生活について

2018年08月25日 | 長井長正範士の遺文


○剣道即実生活について

剣道は古流の形を中心にして考えねばならないことは前に述べた通りで、
あらゆる形を見ても剣道に大事な仕太刀が師の位の打太刀に対し、
自分の調子で先に打ってゆく形は少しもないのである。

打太刀が心気で攻めて、
さあ、ここがお前(仕太刀)も勝つ機会だと必ず先に打って出てくる。

これに対し仕太刀は必ず安心して先先の先、或いは後の先で勝たせて貰うわけであるが、
打太刀があらゆる手段で千変万化の技を出して打って来ても、
これに応じて必ず勝って生きのびる技を教えてある。

剣道即実生活なら、如何なる時代に遭遇しても、その時代、時代に応じて
必ず正しく生き抜いてゆくという剣道でなければならない。

それを深く考えないで、昔の剣道は良かった、
今の剣道は真剣味がなく骨抜き剣道だと嘆いている方があるが、これは思慮が浅い。

私はこれを、わらじの時代と車の時代とは違うのだ、と言いたい。

昔はわらじがけで何里の道を歩いてやっと道場へたどりついて、それから稽古した。
真剣勝負も野外である。地面は凸凹だし、
大きな草の株、木の(株)など踏みまたがって斬り合ったから右足は高くあげて踏み込んだ。

これは自然の現象だが、今は道場で稽古するんだから摺り足で踏み込む。
これを右足を大きくあげて、どすんと踏み込んだらよいかと言えばそうではない。
いけない事になっているように、すべて時代と共に変わりつつあり、
特に今は剣の理法の修練による人間形成の道であるとはっきり明示され、
竹刀を剣として本筋の昔乍らの立派な剣道を要求されている時代である。

近時、少年少年剣道始め一般大学に至るまで試合の数が多く、
之が為、勝負にこだわって手段を選ばず、
とにかく勝てばよい剣道になりつつあるのが嘆かわしい次第で、
余計人間形成という点に力を入れなければならない時代である。

ゆえに「温故知新」古流を研修し、新らしく迎える時代に応じた剣道は
どうあらねばならないかを知らねばならない。

いつまでも昔の先生の指導はよかったと
過去の郷愁に甘んじ今を嘆いているのは進歩がないのである。

それなら昔の先生が組打ち体当りで道場の窓から突きほうり出され、
あばらの骨の一本や二本折られた命がけの剣道を今やれば、
それは暴力になるという時代である。

嘆いてばかりいずに今の剣道はどうあらねばならぬか、
よくよく考えねばならない時代が来ている。

あえて言うとこれは古流を見直し、
本物の剣道の理念を究明し立派な剣道を精進することである。

○剣道をする前に相手を見抜くことが肝要である。
元に立つ者は相手が間合いが明るければつめて稽古してやる。
そうでない者は引いてやる。

商売で言うと、店に入った客がひやかしか、物を買う客か、この人は沢山買うか、
少ししか買わないか、値切る客かどうか見抜くことが大事であるように、
剣道のかけひき精神即人生であり、剣道は日常生活に役立つものでなければならない。
(註:うそとかけひきは違うこと注意のこと)

ただ剣道は心身の鍛錬だというだけでは誰でも言えるが、
何をどうして鍛錬するのか、科学的に物理的に医学的に生理的に解明出来なければいけない。
相手から要求されればいつでも説明出来るものでないと剣道家とは言われないのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【考察】打ちの強度と冴えについて

2018年08月24日 | 剣道・剣術


上のイラストは、長正館の道場に貼ってあったもの。
正面打ちをすると右腕は床と水平になるようにと教えている。

しかし、剣道未経験者でかつ剣術の初心者に、剣道で言う「正面打ち」をやらせると
かなりの割合で独特のフォームになることが多いことに気がついた。

当った瞬間、右拳が胸や水月まで下がり、
右腕が水平ではなく前方に大きく下がるのである。(下の図2)


(図1、正しい正面打ち)


(図2、間違った正面打ち)

図2のように竹刀が立ってしまうのは、
第1の原因として、上に振り上げた形のまま振り下げることにある。
大きく振り上げた時、横から見ると竹刀の角度は45度付近となる。
この角度のまま、肘も手首も固定されたままで振り下げてしまうのである。

剣道家は、当る直前に、肘と手首を使って剣先のスピードを上げる。
そうしないと打突部に当った時に強度と冴えが生れないからだ。
振り下ろす途中で左手が少し先行し、右手が追従して手首を使う打ちである。
結果として打突時の剣先のスピードは最大限となる。

第2の原因としては妙な思い込みである。
剣先の円運動の途中に当たる物があると、腕はそのまま円運動を続けようとするが、
障害物のために剣先の動きが止まるが腕は動きを続けることになって下がる。
結果的に図2のような形になるからだと言うのだ。

「剣道は当てる技法だから剣術とは違います」と言う剣術家もいる。
さて本当にそうだろうか。

確かに剣道の打ちは当てる事に特化しているが本来は斬るための技法である。
けっして肘や手首のスナップだけで打っているわけではない。

面ならば顎まで、小手ならば切り落とすぐらい、
胴ならば真っ二つにするぐらいの強度となるように打っている。

長さで言うと、面ならば20センチ程度、小手ならば5センチ程度、
胴ならば30センチ程度を想定して斬り込むような感じではないだろうか。

これ以上の強度は無駄になる。痛いだけ。
叩きつけるような薪割り剣道は無駄だらけということになる。

剣道は、打突部位に合わせてた必要かつ充分な強度で打つ(斬り込む)のだ。
そして打突部位に合わせ、最大のスピードになるように修練している。

 ※注意1
 剣道で、刺し面のようなスナップだけ使った打ちもあるが、
 刺し面は冴えはあるが強度が足りないので剣道本来の打ちでは無い。

 ※注意2
 面を打つ時に右拳を上げないで、左拳のみ下げて打つ、いわゆる「てこ打ち」という
 打ち方も見かけるが、これも(面打ちとしては)強度不足で剣道本来の打ちでは無い。
 (ただし小手打ちでは有効だと思う)

 ※注意3
 面を打つ時に、普通に振り上げ振り下ろすのだが、左拳が右拳よりも極端に先行し、
 左拳が水月付近まで下り、竹刀が垂直に立ったところから右手だけ伸ばして面を打つ、
 いわゆる「右手打ち」という打ち方も見かけるが、
 円運動の円が小さく、強度不足で、冴えとのバランスも悪い。


(どこまで斬り込むかを意識しないと適切な強度と冴えが生まれない)

面を打つ場合、顎まで斬り込むように打つから強度が生まれる。
最大限の速度を得るために、適度に肘と手首のスナップが必要になる。
当った瞬間は、手の内に力を加え締めるが即座に緩める。 

少し注意が必要なのは、当った瞬間の手の内は、
剣道独特の当てる技法で、巻き藁などで試し斬りをすると少し感覚が違う。
剣道は当った瞬間に緩めるが試し斬りでは緩めない。

試し斬りの場合、対象物に当たってから、充分に斬り込むまでは、
手の内を継続(と言っても瞬間に近い)させておく必要がある。
これは試し斬りを何回かやれば馴れてくる。
慣れてきても巻き藁の中に太目の竹を入れるとまた感じが変わる。
こうなると数多く斬り慣れないと手の内の修練は出来ないことになる。

以上、余談だが、当てる技法と斬る技法は若干違うという話である。


さてまた別の例で居合の技法。

居合では試し斬りをしない流派もある。
これはまた試し斬りの流派とは状況が異なる。
ここでは便宜上「形居合」とする。

形居合のみを行っている者は、この円運動を過剰に意識するあまり、
剣先を大きく(天井を掃くようにとも言う)頭上で腕を伸ばすような大きな円になる。
形を意識するせいか、さほど速度を出さないが優雅な円運動となる。

形居合の者に何かを打たせると手首も肘も伸びたまま棒状態で打ってしまう。
自分では強く打ったつもりなのに強度も冴えも無いことになる。
試し斬りでは、さほど斬れないと思うがどうだろうか。

剣道の打ちの強度と冴えは、
強度が対象物を「どれだけ斬るか」の見極め、
冴えは当たる瞬間の「最大速度の追求」では無いかと思う次第である。

私の課題は「手首の硬さ」で、
手首が硬いために速度と冴えがイマイチなのである。

-------------------------

以上ここまで。

加筆訂正があるかも知れません。悪しからず。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長正館自主剣道稽古(矢田中学校、8月22日)

2018年08月23日 | 剣道・剣術
東住吉の矢田中学校体育館で19時半から21時まで。
いやはや暑い。台風の影響で風はあるのだが焼け石に水である。
先週と同じく着替える前に汗だくになってしまった。
K川四段が遅れてきたが、最後は合計8人になった。


(初心者2名を入れて最初は7人で始める)


(左は教員免許対策のI田君、にわか仕込みの剣道を無理やり詰め込む)


(稽古風景)


(遅れてきたK川四段の稽古)


(Tちゃんにはお姉さんが付きっきりで指導)


【感想・反省点】

初心者が2名だったので、段取りをどうしようかと思っていたが、
K芦先輩にI君の指導をお願いしたら快諾していただけたので甘えてしまった。
初心者に、たった2回の稽古で切返しから始め、返し技や互角稽古まで教えるなど、
とうてい無理なことなので「むちゃぶり」もええとこである。先輩、ごめん!

ともかく暑いので休み休みの稽古となる。
S二段はリクエストに応えて、
もう少し剣先を効かせ、もう少し間合いに入って打つ面、
それと引き技を重点的に反復稽古させてみた。

引き技は試合では有効だが正直言うと自分では出来ない。
自分で出来ない技を正しく教えることは難しいが、
技をかけてもらい、その良し悪しで判断は出来る。

教える立場になって、初めてしっかり勉強しなければと反省している次第。
来週(29日)も自主稽古を行うことになった。がんばろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.17(昭和60年9月20日)箏曲「六段の調べ」の初段による少年剣道の基本動作

2018年08月22日 | 長井長正範士の遺文


○箏曲「六段の調べ」の初段による少年剣道の基本動作

着眼の趣旨
初めて剣道に入る少年に対して最も力を入れて指導しなければならないのは足の運用である。之が為、木刀又は竹刀を持たす前に、時間をかけて前進後退、さばき足を指導しなくてはならない。これをおろそかにして、すぐ竹刀を持たせて打つことを教えるのは望ましくない。故に先ず素手で、次に帯刀のまま、中段の構えのまま、一足一刀へと導入してゆくのである。そこでこの大切な足の運用を長時間かけて指導するに当り、少年に飽きがこないように、音感教育を兼ね、リズムに乗って、無理の無い自然体の正しい動作をさせる為、箏曲「六段の調べ」の初段を採用した。「六段の調べ」は日本民族独自から生れた名曲であり、日本人の誰しもが心にひびく優雅なテンポであるからである。そもそも世の中はすべて数字から成り立っている。数字から離れたものは何一つとしてないのである。従って剣道も亦、数字を無視してはならない。即ち剣道の拍子は一二、一二の拍子である。一二三の三拍子ではないのである。これに着眼して選んだ。但し二段以上は徐々にテンポが早くなるので、初心者にはむずかしいため、初段を繰返し反覆して行うことにした。要するに六段の調べにも合うような剣道でありたい。剣道に最も大切な呼吸をこの曲に合わせ、体得することが望ましい。尚、六段の調べの各段の拍子は四分の二拍子の五十二小節から成り立っている。

指導要領
1)この指導は足の運用、構え方、納め刀、中段の構え、正面打、小手打、小手面の連続打、左右の打がひと通り出来た頃より、リズムに乗せて反ぷく指導するのがよい。
2)最初拍子に馴れるまでは、指導者は曲に合わせて拍子木などの補助手段で導入したほうがよい。

指導順序
1)テーンと鳴れば立礼十五度以下同じ
2)トン、シャンで心を落つけ待つ
3)次の鳴り始めから動作を開始する
 四分の二拍子の動き方は、前進の時は一で右足左足、二でそのまま待ち、三で右足左足と前へ、
 四で待つ。後退はこれに準ずる。右前進後退を一回とし、十三回行うと、丁度五十二節の初段
 の曲が終る。所要時間は1分38秒である。
4)終れば直ちに前後左右の列を正しく整頓し、気をつけの姿勢で待つ。(素手の時は両手を腰にあ
 てる方がふらつかないでよい)
第二回)素手のままで前後左右
第三回)中段の構えのまま前進後退
第四回)中段のまま前後左右
第五回)正面打、前進後退

この場合、動作の仕方を説明すると
1)先ず、さげ刀の姿勢で待つ
2)テーンと鳴ればさげ刀のまま礼
3)トン、シャンで帯刀、直ちに構え刀
4)次の鳴り始めから前進後退し乍ら正面打を行う。第三回も初めの動作はこれと同じ。
 以下すべてこれに準ずる。
(振りかぶって面を打つ動作は一挙動でなければならない。)
5)終れば中段の構えになり、納め刀をする。以下前回同様。

以上、習熟するに従っていろいろ工夫してやって貰うこと。要はこのリズムに乗って形のくずれないよう、自然体で知らずして剣道の大切な呼吸をおぼえさすことにある。終り。

---------------------------

【粕井注記】

この箏曲(そうきょく)「六段の調べ」の初段による少年剣道の基本動作は、
私が長正館に入館した平成10年には影も形もありませんでした。

おそらく普通に基本動作を練習したほうが効率的だったのだろうと想像します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

信号無視のバイクに注意した。(2018年8月21日)

2018年08月21日 | バイク・クルマ
東大阪市加納の信号で止まっていると、
左横からバイク(50cc)がするすると出てきた。

運転しているのは若者で、
Tシャツの背中には「S南大学空手部」と大きく書いてある。
現役なのかOBなのかはわからない。

このバイク、停止線を大きく通り過ぎて前に出て止まる。
それからスルスルと前に出て、横切る車やバイクに近づく。
車が途絶えると、赤信号にも関わらず通過していった。

次の信号でも一応止まったが、
やはり横切る車が通り過ぎると発進していく。

S南大学なら知らないわけでもない。
追いかけて追い抜き、優しく(?)注意してあげた。



(左からスルスル出てきた)


(横切る車やバイクのすぐそばまで進み出る)


(通行が切れたのを見はからって行ってしまった)


(次の信号で追いついたので、通り過ぎてから優しく?注意してあげた)


大学の、しかも部活名の入ったTシャツを着て信号無視する?
というのが驚きとともに憤りを感じたところ。

ジャカルタで、バスケの選手が、
公式ユニフォーム(日の丸入り)のまま買春したとかで処分を受けたが、
違法な行為で無かったにせよ、日の丸やバスケを汚した行為は許されないものだ。

それと根は一緒である。
その大学と空手道を汚したということだ。

何のために武道をやっているのか。

今回は名前入りのTシャツだったが、武道をたしなむ者ならば、
いかなる場合であっても、その武道に恥じない行動をとって欲しいものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三島神社の薫蓋樟(くんがいしょう)

2018年08月20日 | 旅行や街角メモリー
かなり以前から一度見てみたいと思っていたのが薫蓋樟(くんがいしょう)。
「くんがいくす」とも呼ばれている。大阪府門真市大字三ツ島1387の三島神社。


(府道161号線の神社への入り口にある案内板)

以前、野崎街道(大阪府道161号線)を通ることが多く、
上の写真の「薫蓋クス」とはどのようなものかと気にはなっていた。
気にはなっていたが、どうも道幅が狭く車で行くのは大変そうなので今に至ったわけである。
19日はバイクだったので、ふと思いついて遠回りして寄ってみたのだ。


(神社の前にバイクを停める、余談だが荷台の紙袋の中は稽古着と袴が入っている)


(記念撮影)

小さな神社の境内にどどんとそびえ立つ巨木である。
木の下に立つと1000年とも言われる樹齢のパワーを感じる。
このクスは国の指定天然記念物でもある。
一見の価値あり。来て見て良かった。


(幹周12.5m、樹高24.4m、樹齢1000年)


(三島神社の由緒書きと薫蓋樟の説明)


(仕事を終えて帰り道、国道170号線の深北緑地の交差点)


(生駒のガソリンスタンド、トリップメーター代わりのダイヤルロック)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

剣道称号予備審査会(2018年8月18日)

2018年08月19日 | 剣道・剣術

(大阪市中央体育館の剣道場にて錬士と教士の予備審査)

18日(土曜日)は称号予備審査会だった。
七段をいただいてすぐに受ければ良いのだが、
怪我(骨折)と仕事などでタイミングが合わず受審せずにいた。
場所は大阪市中央体育館(丸善インテックアリーナ大阪)の剣道場。
自宅からは最寄の駅から1本で行ける。10時から開催。

審査内容は審判と実技と日本剣道形。
3人か4人のグループで、グループ毎に審査形式で試合を行い、
それを別のグループが審判を行うというもの。
入場し、主審を1回、副審を2回行う。4人グループは途中で1回交代する。

剣道形は2人3組もしくは2人4組で行う。打太刀か仕太刀かどちらかのみ。


(形の審査)

予備審査に合格したら、
錬士は期日まで決められた課題に基づいて論文を提出する。
論文の内容によって合否が決まる。
趣旨から外れた内容であれば落ちるのは当然だが、
大切な言葉で漢字を間違えたり、個人名を書いたりしても駄目らしい。

教士は11月に全国の4会場ある審査会場にて本試験(筆記試験)がある。
試験内容は1時限目が「指導法」と「試合・審判」で50分、
2時限目が「日本剣道形」と「称号・段位」と「健康・安全」で50分、
3時限目が700字程度の「小論文」で60分。

長正館の先輩に聞いたが、しっかり勉強しなければ書けないぞ! と脅されている。
これからは仕事がヒマになる季節が続くのでしっかり勉強しようと思う。


(参加した木曜会のメンバー達と合格記念の撮影)

--------------------------

終わって難波まで出て、武道具店で時間を潰してから養正会へ。
行ってわかったのだが、18日は大阪剣道同好会さんと合同稽古なのだとか。

大阪剣道同好会さんは30名を超える歴戦のベテラン剣士が来られた。
養正会は20数名。他からの出稽古の方も若干参加されていた。
計50名を越えると、いつもは広すぎる道場も狭く感じられるほど。
冷房は効いているが、それでも熱気で汗が止まらない良い稽古となった。

1時間ほどで合同稽古は終わる。
そのあとも養正会の稽古はあったのだが、抜け出した。
大阪剣道同好会さんの懇親会へ誘われ出席したのだ。

本当は、稽古よりも酒が好き。


(歴戦の高段者が集まる大阪剣道同好会さんとの合同稽古)


(中央の白道着の長正館K藤五段も稽古に参加した)


(Y七段と養正会のT七段)


【感想・反省点】

称号予備審査は思いのほか緊張してしまった。
実を言うと審判の経験はほとんど無い。
知識としては持っていても、実際の試合では何が起こるかわからない。
何か起こって判断に迷ったら、ともかく「止め」をかけ「合議」しようと決めていた。
結局、難しい場面には遭遇せず無事に審判が終わってホッとした。

実技(試合2回)は1人目は引き分け。
2人目も1本も決められず逆に小手を取られた。
この小手は筒部に当らず腕に当ったのだが旗が3本上がった。

これをもってしても審判の難しさはわかる。

全部の試合を見ていたが、審判で大きな失敗をした人はいなかった。
しかし「おやおや?いいの?」という場面は何回かあった。

剣道形は厳密に言えば間違えている者も何割か見てとれた。
仕太刀の下がる場合の初動の足が逆である場面が特に多い。
(小太刀の3本目で間違う者はいなかった)

錬士や教士になるのなら剣道形にはもっと精通して欲しいと思う。

合格した中でも5人ぐらい呼ばれて注意を受けていた方もいた。
秋の審判講習会、指導者講習会、剣道形講習会を受けるようにとのことだそうだ。
審査員も同じ判断をしていたのだなと思った。

養正会での大阪剣道同好会さんとの合同稽古は面白かった。
以前から稽古をお願いしたかった南地区の前代表のY本先生、大阪剣道同好会の会長、
七段同期のM先生、独特の剣捌きの(別の)Y本先生にも稽古をお願い出来た。

稽古の時は真剣勝負だが、終わったあとは和気藹々で楽しいお酒である。
諸先輩のお話を聞いて色々と勉強になった。稽古のあとの酒は旨い。

午前中の審査のN先生と良く似た方がおられるなあと思ったら、
向こうから「午前中に審査に来られてました?」と聞かれ驚いた。

で、会長に「入れ」って言われて大阪剣道同好会に入会することになった。
嬉しかったが「忙しくなるだろうな・・・」と酔った頭の中で考えていた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.16(昭和60年9月20日)枯れるということ、他

2018年08月18日 | 長井長正範士の遺文
○枯れるということ
春、花が咲き、夏に青葉繁り、冬に枯木で立っている。
その姿を見ると厳然として立っている。この姿が剣道でなければならない。

本当の剣道は、山は深山、木は古木でなくてはならない。
何千年も昔から慄然として立っている、
この静けさ、ある時は風雨にさらされ、雷に幹をさかれても厳然として古木が樹立している。
それが優雅に見える。枝が折れていても、いいな~と、その全体の優雅さに魅せられる。
これが本当の剣道ではなかろうか。

○光澤のある剣道のこと
肝を錬り技を磨くというが、磨けば光沢を発する。即ち光沢のある剣道でなければならない。
肝を錬るとは、あらゆるものに迷いがないことに到達する為で、肝を錬り、技を磨く、
その肝から発した技が光り輝いたものである。

○剣道は気剣体一致、心気力一致というが、これは五倫五常の道を中心にして、
それを鍛錬するものである。(この項、吉田誠宏先生の教え)

即ち、気剣体一致、心気力一致の鍛錬の根源は五常の道、
(仁義礼智信)にある。五倫の道(義、親、別、序、信)にある。
この五倫五常の精神を剣道ではどこで養うかというと、
剣先を合わせ、静から動へ変る、その機に望んで五常の道の根源をさぐる。
そうでなければ迷ってしまうのである。

ちなみに剣先を横に振るのは迷いのある証拠である。
剣先が相手とわれの中心を離れない。これは迷いない証拠である。
ここで以前申し上げた項と重複するが、相手と相対した時の大切な点を述べておくと、

○剣先の力というものは、左こぶし、下腹、竹刀の先、
この三点の結合したものが剣先に表われなくてはならない。

一刀流の攻めは剣先で相手の鍔こぶしを攻めるよう教えてあるが、
あくまで攻めは気と間で攻めること。
こうなってくると剣道は如何に呼吸が大切かが判る。

即ち、構えた時には下腹に力を入れて左手三本指に力を入れる。
攻めるには引き息して真中の腹に力を入れて間合に入る。
正面打ちには上腹に(水月=みぞおち)力を入れて打出すのである。
逆に、攻められたら、瞬間、止め息すれば落ち着いて迷わない。
この呼吸の大切さは具体的にNo.10に書いたので省略するが、

○私は呼吸の大切さを研究せよと吉田誠宏先生に言われたので
(具体的に教えて貰えず自分で苦労して考えたあげく)
先ず社交ダンスで足の運び、呼吸を研究した。

又、地下鉄谷町四丁目で下車、地上までの八十五段の階段を呼吸を乱さず
地上まで上がる方法を考え、ずっと今日まで、いや終生これを続けて行きたい。
それには先ず自分の呼吸を整えることから始めねばならぬ。
そして如何なる対象物に対しても、それに従い、呼吸を合わさねばならない。

六段の筆曲にも合うような剣道でなければ本物ではないと悟り昭和五十四年八月、
筆曲「六段の調べ」の初段による少年剣道の基本動作を考案して少年達にやらせている。
次にその着眼の趣旨を述べておく。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

居合道昇段で金銭授受(2018年8月17日)

2018年08月17日 | 剣道・剣術
最近、こんなに驚き憤りを感じたことは無い。
居合道の昇段審査で収賄沙汰があったと言うのだ。

居合は対人的な武道では無く一人で行う武道である。
私も居合はやるが段位は持っていない。居合に段は不要と思うからだ。
一人で行うものを審査するという形は、お花やお茶の世界である。
武道というからには第二者(相手)が絶対に必要と思う。

第一者(自分)がいて第二者(相手)がいるから武道では無いのか。

居合が武道というなら、審査には組太刀(剣道で言う剣道形)を加えれば良いと思う。
相手の居ない武道など、踊りと何が違うのか。
(踊りは芸術として立派であるが武道では無いと言いたいのだ)

居合は自分の内面と向き合うという意味なら武道としての存在意義もあるが、
あくまでそれは、対人的な武道を補完する修行方法の一つでしかないと思う。

第二者(相手)も無しに一人で演武して、それを第三者が評価して、
武道の高段者だとするのはどうも納得がいかない。
相手がいれば実力の差は歴然とする。
相手がいれば不正も起きないのでは無いのか?

同じ剣道連盟に属しているので、剣道まで同じように思われてもたまらない。
この際、居合部門など解体してしまえ、とも思う腹立たしい記事であった。

私はこの先、全剣連の居合の高段者を、
その段位や称号だけで評価することは無いだろう。

------------------------------------------------------------

居合道昇段で金銭授受 八段審査で数百万円、接待も 内閣府が調査
(産経新聞 8/17(金) 7:55配信)

https://www.sankei.com/affairs/news/180817/afr1808170006-n1.html


(全日本剣道連盟の事務所が入るビル=東京都千代田区九段南)

 全日本剣道連盟(張富士夫会長、全剣連)の「居合道(いあいどう)」部門で、最上位の八段への昇段審査などの際、審査員に現金を渡して合格させてもらう不正が横行していたことが16日、関係者への取材で分かった。受審者が払う現金は合計で数百万円に上ったケースもあるとみられる。現金を要求された男性が告発状を内閣府公益認定等委員会に提出、同委員会も事実関係の調査に乗り出した。スポーツ界で不祥事が相次ぐ中、伝統の武道でも不公正な慣行がまかり通っていた実態が明らかになった。


(記事内の図)(左端は杖道か銃剣術のようにも見える)(剣道の竹刀を持つ手が逆である)


 居合道部門では、初段~八段の段位審査のほか、高段者が主に得ることができる「錬士(れんし)」「教士(きょうし)」「範士(はんし)」の3つの「称号」の審査がある。最高位は八段範士。関係者によると、主に八段や範士への審査時に不正な金銭授受があった。

 八段は1~2次の実技科目で審査され、審査員は1次が6人、2次が9人。範士は実績や人格面を考慮した書面によって10人の審査員が合否を判断する。審査員はいずれも主に八段範士が務めている。

 関係者によると、受審者は、審査員も兼ねる居合道委員会の委員ら仲介者を通して大半の審査員に現金を渡し、八段や範士を不正に得ていた。審査直前では遅いとされ、数年がかりで審査員を接待したり、手土産を渡したりもしていた。

 こうした現金や物品の授受は長年、常態化していたとみられ、産経新聞の取材に複数の関係者が関与を認めた。かつて仲介役として受審者から現金を預かり八段に合格させようとした九州地方の男性は「事実上、金で段位や称号を買うシステムだった。実力だけで合格した人はほとんどいないのではないか」と証言した。

 全剣連側も半ば黙認していたとみられるが、約2年前に金銭授受をめぐるトラブルがあり、実態を調査。関係者への聞き取りを進めた結果、「審査に近接した時期に金銭を授受する不適切な慣行が古くから存在した」と認定した。

 その後、昨年11月になって、関与者へ段位・称号の自主返納や口頭注意の処分をしたが、このうち元審査員ら大半は「金銭授受を素直に認め、深く反省している」として処分の執行を猶予している。

 不正合格をめぐっては、連盟会員の男性が今年6月、内閣府公益認定等委員会に告発状を提出。同委員会は、全剣連が加盟し、連盟の監督権限がある日本オリンピック委員会(JOC)などから事業報告書の提出を受け、精査している。

 全剣連は「慣習は事実だが、審査員の氏名が事前に漏れないよう情報管理を徹底するなど、各種対策はすでに実施している」としている。

                  ◇


 ■剣道連盟、常態化認める

 全日本剣道連盟は「居合道」部門で金銭授受の不正が常態化していたことについて、事実関係を認めている。

 全剣連によると、審査員などとパイプがある仲介役に受審予定者が金銭を預け、仲介役が審査員らに実際に配る手法が続いていた。全剣連は内部調査で30人ほどの審査員経験者らに聞き取りを実施し、昨年11月に一定の処分を下したとしている。また、大半の関係者が「反省している」などとして処分が猶予されている実情については、「懲罰ではなく今後に向けた再発防止が大事だ」とし、「正当化するつもりはないが、茶道や華道など芸事の世界ではこうした行いはよくある」と主張する。

 一方、連盟の加盟者が内閣府に提出した告発状の内容については、「事実関係が確認できない」と説明。告発状では、審査時に連盟幹部らが計650万円を要求したなどとしているが、連盟幹部が聞き取りに対して関与を否定したうえ、会話の録音データといった客観的な証拠がないことなどを挙げ、「提出者の一方的な言い分で、裏付けができない。これ以上の追及は難しい」としている。


【用語解説】段位と称号

 段位は初段から八段、称号は「錬士(れんし)」「教士(きょうし)」「範士(はんし)」がある。全日本剣道連盟は段位について「精神的要素を含む技術的力量」、称号は「指導力や識見などを備えた人としての完成度」を示すものと、それぞれ規定。基本的に称号審査は六段以上にならないと受審資格がない。段位、称号を通じ、最高位は範士と定めている。

                   ◇

【用語解説】全日本剣道連盟

 一般財団法人で、東京都千代田区に拠点を置く。「剣道」「居合道」、杖(つえ)を用いる「杖(じょう)道」の3部門があり、会員はそれぞれ約185万人、約9万人、約2万人(いずれも延べ数)。各都道府県連盟を収め、国内競技人口(約200万人、約10万人、約3万人)の大多数が所属している。「全日本実業団剣道連盟」「全日本学生剣道連盟」など各組織にも影響力を持つ。スポーツ庁は平成30年度、「武道等指導充実・資質向上支援事業費」として全剣連に約1000万円を支出している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする