稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

生駒市武道館 宝剣会(2020年11月28日夜)

2020年11月30日 | 剣道・剣術
生駒市武道館にて。
本日の出席者、七段4名、六段1名。N村五段はお休み。

行ったらO畑さんがするすると近づいてきて「先日の審査で六段受かりました」と報告された。

いやはやスゴイ!一発合格である。
70才を越えても足の動きには素晴らしいものがあり、ややクセはあるものの実力は充分にある。
形審査も特訓のお陰で特に問題は無かったそうな。いやあ、見たかったなあ。

来年はN村五段が六段の審査を迎える。
宝剣会もますますレベルの高い稽古会に育ちつつある。


(最初の礼)

遅れて行ったので基本打ちから参加した。
あとは地稽古。全員と稽古して終了。剣道形は無し。


(基本稽古、待っているのは私)

広角レンズのせいで、画面の端は曲がって見える。
以前、「構えてる姿勢が悪いよ」と言われたことがあるが誤解である。


(石丸師範との稽古)

打って振りむいたらほぼこの間合いになる。
この間は完全な打ち間。「あ、どうしよう」と思った瞬間に打ち込まれてしまう。
打ったあと、遠くまで飛び抜けるのも手だが長丁場の稽古では息が続かない。
振り向き残心などしたら「打ったら真っすぐ抜けていけ」と言われる。

いろいろ手は考えられるが出来るだけ正剣で立ち向かいたい。



本日のメイン、というか良きライバルのH田七段。
立ち上がって構えた時は「面に行く」と決めていたが・・・



小手もしくは相小手面に来るのを察知して、無意識に出小手に出てしまった。
おそらく「面に行こう」としたのを読まれて出小手か相小手面に出て来たのだと思う。
それを察知して、面に行こうとしたのを「小手に対する出小手」で制しようとしたのは無意識。
幸い、相小手面の面が不十分だったので、こちらの出小手が決まった形になる。

しかし、この姿勢は何とかならないものか・・・

いつも気持ちで押されるので、きょうはあれこれ考えるのは止めて、がむしゃらに攻めていこうと思った。
H田七段が前に出ようとしたら、普段あまりしない牽制の小手を打ったり、
剣先を合わさないH田七段に対して、こちらも剣先を合わさないで打ちに出たり、
ともかく先(せん)を大切にやってみた。(私には珍しい・・・)



最後の一本勝負は下段から打った面が決まった。
きょうのH田七段の小手はほぼ全部逸れていた。
先(せん)の気位なのか、H田七段の調子が悪かったのか・・・



O畑六段と。本日、唯一、キレイに胴を打たせてもらった。
他の胴は、下がって打ったり、体捌きが不十分だったり・・・

このあと竹刀が割れてしまったのを確認して稽古中止。
胴打ちは竹刀破損の率が高い。



A山七段と。A山七段との稽古は、いつも遠間触刃から始められるのが嬉しい。
写真で右の私の背中が曲がっているように見えるのは広角レンズのせいである。(柱も曲がっている)
このあと面を攻めて、手元が上がったところを小手に行き、不十分だったので面を打った。



動画で見ると、イヤになるぐらい不格好である。
高段者相手で、恰好の良い打ちは100本に1本程度では無いだろうか・・・

まあ、しかし、きょうのテーマ―は「先の気位と勢い」だったので恰好は二の次で「良し」としよう。


(終了後に審査の様子など詳しく聞いている場面)

ここでの稽古は高段者ばかりなので指導をすることはほとんど無く、
思いっきり遠慮なく懸かっていけて、自分の課題を試せるのが嬉しく楽しいのだ。
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生駒市武道館 往馬玄武会(2020年11月28日午前)

2020年11月29日 | 剣道・剣術
いつも通り、急ぎの仕事を片付けてから生駒に向かう。
そこそこ寒いが稽古するにはちょうど良いぐらい。
9時30分頃に到着。私を入れて5人。

ここでの稽古は動画を録画してyoutubeに限定公開でUPし、
往馬玄武会の会員用のLINEで紹介している。
動画はブログではお見せ出来ないが、そこに書いた文章を下に紹介する。

実はこれ、木曜会(誠先生の剣道教室)でのおさらいである。
私の剣道は元々、どうしようも無い自己流で、佐藤誠先生に出会ってからまともになってきたのだ。
もちろん、まだまだ未熟なのだが「迷ったら基本に戻れるところ」があるということは素晴らしいと思う。


(私は奥の左、お相手はベテランのA藤七段)
(手前左は同門のK芦五段、お相手はH名四段)
(右手前で待機しているのは昇段審査を受けない実力六段のK川初段)

【説明文・一部加筆訂正しました】

昇段審査を意識するならば、一回一回の地稽古においても意識しましょう。
打った打たれたでは無く、その内容を磨きましょう。まずは立派な立ち振る舞いです。
礼をして蹲踞して立ち上がった時の堂々たる構え、勢いのある構え、相手を威圧する発声が大事です。

発声は遠間、触刃の間、せいぜい先革が交わる部分までとします。
交刃の間で「イヤ~」など声を上げるものではありません。
この間は相手に呼吸を読まれないことが大事なのです。
この間で声を出すと息を吸い込むタイミングで打ち込まれます。

相手の状態にもよりますし、面を打つか小手を打つか胴を打つかでも変わりますが、
自分の打ち間までいかに入るかが大切なところです。安易に交刃の間に入ってはなりません。
「いつでも打てる気勢と体勢」を保つことが「攻め」に繋がります。
交刃の間で相手の左眼に自分の竹刀の剣先が向いていることが基本です。
この時、中心を取ろうと右手で相手の竹刀を押さえてしまうと墓穴を掘って相手に小手など打たれてしまいます。

間合いに関わらず、構えた時に左拳が上下に動いていないかどうかも大切です。
左拳は動かさないことが鉄則です。動画を見て自分の左拳が上下していないか確認してください。

打ち間がわからず、触刃の間、先革が交わったぐらいから、足を継いで勢いで打つのはよくありません。
勢いがあるように思えますが、相手から見たら打ってくるのが丸わかりで対処のし易い打ち方です。
たまにうまく打てたとしても、それは意表を突いた・・・というだけで常には通用しません。
攻めも無しに打ち間に入ってしまうのと同じように「足継ぎの遠間からの面打ち」は慎みたいものです。

基本打ち稽古の場合でも、交刃の間から始めるのでは無く、遠間か触刃の間から丁寧に始めましょう。
そして元に立つ人も安易に空けて打たせるのではなく、打つ(打たれる)寸前まで自分も打とうとする合気の稽古をしましょう。
(面を打とうと手元が上がった小手を打つ・・・みたいな)きっと剣風が変わるはずです。
(初心者には空けて打たせますが往馬玄武会では不要です)

打ったあとは振り返って構え直すまでが残心です。
たとえ打ちが不十分、いや当らなくても「俺は自信を持って打ったんだ」という気持ちで残心までやってみましょう。
昇段審査では大切なことです。

打ったあと剣先を開くクセのある人は長丁場の稽古ではツライですがなるべく止めましょう。
審査では減点となります。

相手の打ちを避けたり、避けながら打つのもよくありません。(実はこれは私の今の課題です)
打たれても返されても良いから姿勢を崩さずに打ち切ることが大切です。

常に課題を持って稽古に挑みましょう。一回一回の稽古の積み重ねが実を結びます。
身体を動かしているだけではただ運動をしているだけと同じです。
自分の欠点を一つずつ潰しましょう。そして良いところを伸ばしましょう。

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【感想・反省点】

回り稽古の最初でA藤七段から見事な面摺り上げ面を打たれた。
実は私は面摺り上げ面が苦手で、たまにやっても失敗ばかりする。
自分の苦手な技で打たれると「参りました!」という気持ちになる。
もちろん「参った」という表情や仕草は出さないが・・・

同門のK芦五段も参加しているが、面を打つ時に右足を蹴り出すようなクセが出る。(上の写真も同様)



本人は勢いも距離も出ているような気がしているが、実は足が出ていても身体は出ていない。
だから打ったあとは身体が止まって勢いも無くなってしまうのだ。
実は私も、昔、同じようなクセを持っていた。

右足は「床を滑らすように」前に出すのが正解。
最後の最後に、最低限足を上げ、床をポンと踏みしめるのだ。

本人もわかっている右足を上げる悪いクセ。
実はこのクセ、一度身につくとなかなか抜けないクセの一つでもある。
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不在通知装うSMSに注意 高額請求被害の恐れ

2020年11月28日 | 詐欺、迷惑、防犯、防災、危機管理
令和2年(2020年)11月27日 金曜日 産経新聞の夕刊より

国民生活センターは、宅配業者の「不在通知」を装ってSMS(ショートメッセージサービス)を送り付ける悪質な手口に注意するよう呼び掛けている。「身に覚えのない高額な通信料を請求された」「携帯電話のキャリア決済を不正利用された」といった相談が増加しているという。
センターによると、SMSの文面は多くが「荷物は不在のため持ち帰りました」となっており、URLも記載されている。アクセスすると、不正アプリをダウンロードさせられたり、銀行や宅配業者を装った偽サイトに誘導され、電子決済サービスに必要なID、パスワードや個人情報を求められたりする。(中略)



下は、当ブログの参考記事。

再び、詐欺メール「不在の為持ち帰りました。」(2020年6月1日)
https://blog.goo.ne.jp/kendokun/d/20200601/

(以下、記事の続き)

センターは、不審なSMSが届いた場合の対策として

1)宅配業者の公式ページなどで真偽を確認する
2)不正アプリをインストールしてしまったら、携帯電話を「機内モード」に設定してアンインストールする
3)身に覚えのないキャリア決済の2段階認証や確認メールが届いた場合は、すぐにIDとパスワードを変更する

といった点を挙げた。

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慌てず対処すれば怖くは無いが充分に気をつけられたい。
以上、ご参考まで。
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円形文字を無料のソフトで作った。

2020年11月27日 | つれづれ
イラストを作るソフトと言えば、Adobe Illustrator が有名で、
デザインをする人や業界には欠かせないソフトであることは間違いない。
開発販売は1988年からで、現在は2012年のCS6が最新版である。

私が使い始めたのは今から20年近く前のホワード勤務時代で、
カンバッチに収める円形の文字が、他のソフトでは作ることが出来ず、
社内のPOPや案内板を作る広報の担当者に教えてもらって操作を覚えた。

円形文字を作るには、とても便利なので、とんぼ堂のパソコン(WindowsXP)にも、
イラストレーターの10と、CS2(12に該当する)を入れて時々使っていた。

昨年、XPのメンテナンスが終了ということで、新しいパソコン(Windows10)を購入した。
アドビのイラストレーターは滅多に使わないし、最近まですっかり忘れていた。

久々に円形文字を作る依頼が来て、CS2をインストールしようとした。
ところが保有しているシリアル番号による認証ができないのだ。
以前は、パソコンを入れ替えたら、アドビに電話して認証できたが電話番号もわからない。
ネットで調べたら認証させる方法もあるらしいが私には難しくてよくわからない。

困った時は何とやら・・・で、
無料のソフト、LNKSCAPEというソフトをネットで見つけてインストールして、
ネット上で使い方を学びながら何とか円形文字を作ることができた。



あとは、これを使い慣れた絵画ソフトに読み込んで加工すれば良いだけ。
下はサンプルで作ったもの。ボツになったがまずまずの出来である。



実は、ここまでのデータを作るのはまだ楽なのだ。
このデータを外注に出して、思ったとおりのものに仕上げるのが大変なのだ。

外注先はアドビのイラストレーターを使っていて、異なるデーターで投稿すると、色が微妙に変わってしまう。
そのため、どうしてもイラレが必要になって悪戦苦闘した。ここ数日は本当に大変だった。
やっときょう、何とか解決してひと段落の状態。寝不足からおさらばである。

さっき、校正用にプリントアウトしたものを送ってもらうように手配した。
やっぱり現物で確認するのが一番である。

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おまけ





毎朝、甘えにくる星ちゃんを動画で撮影してみた。
これはそのキャプチャー。
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長正館剣道定例稽古(2020年11月25日)

2020年11月26日 | 剣道・剣術
大阪市東住吉区の矢田中学校の体育館で毎週水曜日19時半から。

【長正館練習生募集中】
初心者、元経験者、有段者を問わず募集中。
レベルに応じて個別指導を行います。
詳しくは長正館ホームページまで。
http://doujyou.net/choseikan/
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本日、初心者も入れて13名。
K君が3級合格、A君兄弟が揃って4級合格。
実はA弟君は4級は難しいかな?と思っていただけに嬉しかった。

子供中心の稽古となった。
子供相手だと萎縮しないように打たせてあげる。
少し上達してきたら打つべき機会に打てるように仕向ける。
小さい子にはかがんであげる。けっこう気を使うものである。



Tちゃん。2回かかってきたので2回目は出小手の稽古中心。
まだ難しいが、出小手は相手が打つのを引き出すことを教えた。



手前は井上館長。かかるのはTちゃん。
私はA兄君。A兄君は油断するとお喋りが多くなる。
あそこが痛いだとか、ここが痛いだとか、よくわからない・・とか。



A弟君。私が怖いのかあまりかかって来ない。
ともかく打たせることにした。



K川五段への私の出小手。
きょうのテーマは「姿勢を崩さないこと」だったが、夢中になると崩れが多発する。
打たれても良いから崩れない剣道をしたいものだ。



K芦五段。
本人は前に出てるつもりなのだが、動画で確認すると右足だけが前に出ている。



この間合いでもまだ攻めが出来ていない。
K芦五段、実は剣先は中心から少し逸れているのだ。
竹刀も残念ながら横から握っているように見える。

自分で打ち間に入っておきながら相手に中心を取られている状態である。



よって面をたやすく打たれてしまう。



終了。

残念ながら初心者の一人が本日まで。
ようやく打ち込みらしきものが出来るようになったのに勿体ないことである。

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実は無茶苦茶に忙しい。
印刷会社とのデーターのやり取りで、思うような色が出ないのだ。
稽古後も事務所に寄ってデータを作った。
そのデータを使って自宅のパソコンで作業をするのである。

家に帰って大急ぎで食事をして作業したが夜中の1時までかかってしまった。
明日も奈良の自宅と東大阪の事務所でデータと格闘する予定である。

ともかく眼が疲れて大変。
印刷会社に渡すデータ、キーホルダーのメーカーに渡すデータ。
少しでも色が変わると台無しになってしまう。作業が長引くと納期も心配だ。
明日は稽古(木曜会)に行けないかも知れない。
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№134(昭和63年3月15日)

2020年11月25日 | 長井長正範士の遺文
私は今も尚、漢文が好きですので、今どきの、はやりの文章はどうも性分に合いません。やはり私共の時代は過ぎたのでしょうか。

それはともあれ、近年、益々外国用語が日本語の中に入り込んで、中にはすっかり日本化され、老いも若きも何等抵抗なく取り入れ、話をしたり、書いたりしていますが、日本も国際化するにつけ、比類の片仮名で書いた英語まじりの文章や、テレビの話など、ディクショナリーを片手にしなければ解しかねるところが次第に増えて来て、時代におくれてはならじと、忙しい毎日を送っております。以前買った現代用語の辞典が役に立って来ました次第。こんなことなら、中学時代もっと英語を勉強しておけばよかった、と今になって後悔しています。

さて前にさかのぼりまして、松本教授が魚について話されましたことを書いておきます。「魚は(音=ギョ、訓=ウヲと読む)生きて、およいでいるのを、ウヲというのが本来の意味でありますが、これをとって料理したものはサカナと呼ぶのです。ですから、サカナがおよいでいる、というのは正式には間違いなのです。然し、通常、魚をサカナと言って、世間では通っていますので、いちいち間違いだ、と言う必要もありません。ただ、サカナとは、もっと広い意味があるものです。本来は酒菜(肴)=酒を飲む時に添えて食べるもの(アテ)で、必ずしも魚を料理したものとは限らず、菜っぱの炊いたものでも豆腐でも何でもすべてサカナというのです。又、飲み乍ら芸人などに何かやって貰い、それを見て、サカナとして楽しむ等、すべて含むわけです。」と、以上大変理くつっぽくなりましたので、魚へんの字の魚の名前をついでに書いておきましょう。

これはよくあちこちで書いてあるのを皆さんも充分ご承知のことと思いますが、何んとうまく当てはめて書き表わしたものだと感心するばかりです。その前に、漢字には漢字を作るもと、即ち成立及び使用に関する六書(リクショ)を先に述べておきましょう。これは、象形文字。指筆文字。会意文字。諧声文字。転注文字。仮借文字。の六つの種類があります。これを六体(リクタイ)とも言います。この六つを説明しておきましょう。

(以下、テキスト化不可能なので下図になります)



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広島の平和公園そして奈良へ(2020年11月23日)

2020年11月24日 | つれづれ
朝はホテルの朝食バイキング。
平和公園はホテルから400mぐらい。
駐車場の車に荷物だけ置いて出かける。



地図の右下の平和大橋を渡って平和公園に入る。



祈りの泉にて。



平和資料記念館に行ったら予約制だとかで当日整理券をもらった。
9時13分にもらったが、入場券の受け取りは12時~12時半ということだ。
そんなにゆっくりもしていられないので見学は諦めることにした。
実はそれほど見てみたいわけでも無い。



原爆死没者慰霊碑の前で。



安らかに眠ってください
過ちは
繰り返しませぬから

この碑は、元広島大教授の雑賀忠義(1894~1961年)が考案したもの。
当時から異論が出て論争があり、色々な解釈が出来るが、まあ自分なりに噛みしめたいと思う。





原爆の子の像の前で。



原爆ドームは工事中だった。



説明文の写真の拡大。元の産業奨励館だ。



原爆投下の目標となったT字形の相生橋の上から元安川の下流を写す。
左の鉄骨で覆われた建物が工事中の原爆ドームだ。



相生橋の説明文。



鈴木三重吉文学碑の横の子供の像。



保存工事中の原爆ドーム。
言われなければ何かわからないだろうなあ。

10時半頃に駐車場に戻って出発。
仕事が無ければ途中の尾道でも寄りたいところだ。

15時過ぎには東大阪に到着。駅前で女房を降ろす。
事務所で仕事して奈良の自宅へは深夜に戻った。
眼が疲れていて仕事も山越えの運転もとてもつらかった。
まあでも楽しい旅行が出来た。gotoありがとう・・だ。
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呉と広島(2020年11月22日)

2020年11月23日 | つれづれ
朝風呂に行って朝食すませてゆるゆると出発。
11時5分松山観光港からフェリーで出港、13時呉到着。
一番目的の海上自衛隊呉史料館「鉄のくじら館」に行ったが長い行列で見学を断念。
道向かいの大和ミュージアムに入った。

実は大和は好きでは無い。

太和や武蔵を作らずに、空母や航空機、護衛艦などを作っていれば、もう少しマシな戦い方が出来たはず。
大和も武蔵もその他多くの戦艦も、その大鑑巨砲を生かすことは出来なかった。
真珠湾の奇襲攻撃を想定した時から総力をあげて航空主体に持っていくべきだったのだ。
それを思うとつくづく残念でならない。
数戦間際にわが父は、鈍足の練習機に爆弾をぶら下げて敵艦に体当たりしようとしていたのだ。
もう少し戦争が長引いていれば私は生まれて来なかった。

見学は早々と切りあげて「この世界の片隅に」の「すずさん」の嫁ぎ先の想定地を走ってみた。
有料道路を使って早めに広島に入って給油して、チェックインして大浴場で汗を流してから広島の牡蠣を食べにいく。
生ガキは無かったが焼き牡蠣を堪能した。カキフライも美味かった。


松山観光港のフェリー乗り場で。愛車の骨とう品、デリカスターワゴン。


フェリーは予想外でガラガラだった。


船は前方より後方が絵になるものだ。


わずかな揺れと振動が心地よくて寝てしまったらしい。


呉港。もうすぐ到着。


鉄のくじら館前。ゆうしお型潜水艦の「あきしお」 (SS-579) の現物が大迫力だ。


10分の1大和の前で。


62型零式戦闘機の展示。
ちなみに零式は「れいしき」と読むのが正しい。
つまりゼロ戦では無く「レイ戦」なのだ。


大和中央部の高角砲と25mm機銃群。(艦橋左右の中央には13mm機銃がある)


大和の正面。


大和ミュージアムの岸壁側の広場。


戦艦大和の時鍾(じしょう)。


乗ってきたフェリーが往復して戻って来ていた。


夜は、かき小屋「豊丸水産」で焼き牡蠣を堪能。


牡蠣を焼くのはコツがいる。


軍手はお店で用意してくれている。


焼き牡蠣とか、ホタテとか、つぶ貝とか・・・。


広島の商店街は、夜でも案外と人が多かった。

明日は近場の平和公園でも観てから高速で帰るつもり。
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道後温泉(2020年11月21日)

2020年11月22日 | 剣道・剣術
朝5時半に骨董車デリカスターワゴンで自宅出発。
コンビニに寄ってコーヒーとサンドイッチを購入。
第二阪奈道路、阪神高速、明石海峡を通って四国上陸。
トイレ休憩2回。愛媛県松山市の道後温泉に10時半に到着した。


明石大橋


ホテル到着


ホテルの前で




道後温泉の前で


松山城


天守閣


お城の前の紅葉




正岡子規の記念館「子規記念博物館」


子規と漱石(左が夏目漱石)


子規の上京


ホテルの大浴場




夕食の献立


伊予牛

朝早く出たので渋滞にも会わず早めに着いて松山を堪能した。
正岡子規の「子規記念博物館」は以前から行きたかったので時間をかけて見てまわった。
正岡子規の生まれた時代はわが曽祖父(岡本秋五郎)の世代なのだ。
曽祖父は武家に生まれ、維新後、萩から大阪に出てきたという。

明日は、呉を経由して広島へ行く予定。
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№133(昭和63年3月12日)

2020年11月21日 | 長井長正範士の遺文
新語部門
金賞:「マルサ」伊丹十三・宮本信子
銀賞:「JR」杉浦喬也(国鉄清算事業団理事長)
銅賞:「第二電電」森山新吾(第二電電社長)
表現賞:「サラダ記念日」俵万智(ベストセラー歌集)
    「朝シャン」資生堂セールス商品事業部
流行語部門
金賞:「懲りない〇〇」安部譲二
銀賞:「なんぎやなぁ」辛坊治郎・森たけし
銅賞:「ゴクミ」後藤久美子(美少女タレント)
大衆賞:「マンガ日本経済入門」石ノ森章太郎
    「ワンフィンガー・ツーフインガー」村松友視(ウイスキーの量)
    「サンキューセット」勝田 田(日本マクドナルド社長)
特別部門
特別功労賞:「“国際”国家」中曽根康弘
特別賞:「鉄人」衣笠祥雄



流行語部門の金賞は、刑務所体験を描いた安部譲二氏の小説「塀の中の懲りない面々」から、地上げや財テクに狂奔する現代人の姿を連想させる「懲りない〇〇」が、特別部門は中曽根前首相が繰り返し発言した「“国際”國家」、連続試合出場の世界記録を達成して引退した広島カープ、衣笠選手の代名詞「鉄人」と、それぞれ表舞台を去った二人に関する言葉が生まれたのです。朝のシャンプー(モーニングシャンプー)を縮めた「朝シャン」、ノッてるかと思うとサメている新人類サラリーマンの特徴を表現した「ノリサメ」などがピンとくる人は、流行語感覚のサエている人。日本一から一転して最下位に落ちたタイガースに、ファンのテレビリポーターが、ため息まじりにぼやいた「なんぎやなあ」には同感の声も・・・・。

〇又“業界用語”というのが、どこの世界にもあるようです。政界にも、マスコミにも、ヤクザの世界にも。その分野や職域だけに通用する独得の言葉や、言いまわしや、符丁などで、たとえば「先生、ご案内のように・・・」というのは霞が関官庁街周辺の気になる業界用語の一つと言えましょう。「ご案内」とは、ご存じや、ご承知というほどの意味で、それだけなら、さして奇妙ではないですが、この業界用語には、「内情については先刻ご承知でありましょう。この問題でヤボなご質問などして下さいますな」というニュアンスがあり、先手をとって質問を封じてしまう、けん制球的な高等戦術だ、と解説する人がいました。

今、日本国中を悩ませている業界用語は、竹下語録といわれています。『お一人お一人の努力の積み重ねでありまして』『幅広くご意見をうかがいながら』『汗をかいて、粛々とやってまいろうかなと、考えております。』など、本音をみせぬ、ぼかしの手法は、竹下首相一流の政治スタイルでありましょうか。その点、昔漢文を習っておりました時代が、なつかしく思い出されます。中学時代、漢文の先生が、「鬼(オニ)ト会ったら帰れ」と読み方の基本を明快に、「何々ヲ」「何々ニ」「何々ト」読んだらその字の上にかえって読むんだ、と板書きされたのを見て、何んと漢文は面白い読み方をするんだな!と初めは思っておりましたが、だんだん、と簡にして要を得、ずばり心よく判る漢文に魅力を感じ好きになったものです。続く
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木曜会定例稽古(2020年11月19日)

2020年11月20日 | 剣道・剣術
四條畷市立四條畷西中学校の体育館。
20時から21時30分近くまで。今年25回目。参加人数30人ほど。



最初は座学。昇段審査の話あれこれ。

一足一刀の間で一挙動で正確に打突するには「ここからなら正しく打てる」ということがわかっていなければならない。
ゆっくりとした近い間合いでの打突稽古は体幹を使った正しい打ちを学ぶために行っている。
勇剣会の池田勇治先生は、六段なら六段の基本、七段なら七段の基本、八段は八段の基本を見てもらうのが審査なんだと言われた。
まずは着装。面の着け方、面の形、紐の結び目の位置。面は富士の裾野のごとく。
構えた時の重心は真ん中。配力は左に7もしくは8。打とうとした時には配力は9になる。
間合いは左足で決まる。鎬で相手を感じ、自分が信じたところまで入り、そこから身を捨てて打つ。
日頃の稽古の中で、いろんな経験を通して自分の間合いまで入る。そこからスイッチなど使って打つ。その積み重ね。
誰しも悪いクセを持っている。それを克服していくこと。
相手を知るには礼法作法の時の相手のしぐさを良く見て判断する。剣を交えてから慌てないこと。
柄頭の位置一つでも相手の技量はわかってしまう。
遠間触刃でしっかり構えが出来ていること。いつでも打てるという状態。
右足で行う攻め。左足で行う攻め。自分から攻め入ることが大事。
剣道の究極は「相打ちの勝ち」。相手の打ち気を感じる。打とうとした瞬間を狙う。
いつでも打てることは大事だが、なかなか打てるものでもない。相手の打とうとする兆候を読み取る。
(例:火山の噴火を押さえる話、火山性微動の話、だんじりの話)
相手以上の「押さえ」が無ければ相手は動かない。相手以上の気迫気勢。
一本一本の技(たとえ空振りであったとしても)有効打突の「要素・要件・残心」を追及する稽古の積み重ね。
打つには打つ理由があり、それを最後にまとめるのが残心である。
自分の技には責任がある。中途半端に出さない。途中で諦めない。一本一本を大事にする稽古。

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素振りのあと面を着けて3人一組。
切返し、基本の面打ち各種、あと、出頭面、出小手、相面から胴の体当たり、相面、相小手面、切返しで終了。
最後に、着装の点検あり。



【感想・反省点】

座学が良かった。
もっと一回一回の稽古を大切にしなければと思った。
そのあとの稽古は「相手に勝る気迫」を意識してみた。
気迫気勢で技が冴えるのがわかる。

着装では面を結ぶ位置が少し低いと指摘された。
次回から気をつけて結んでみよう。
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長正館剣道定例稽古(2020年11月18日)

2020年11月19日 | 剣道・剣術


大阪市東住吉区の矢田中学校の体育館で毎週水曜日19時半から。

【長正館練習生募集中】
初心者、元経験者、有段者を問わず募集中。
レベルに応じて個別指導を行います。
詳しくは長正館ホームページまで。
http://doujyou.net/choseikan/
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阪神高速の工事の影響を見込んでバイクで来て大正解。
車で来ていたら、途中の大渋滞で大幅に遅刻していただろう。



思えば昔は一刀流の稽古はバイクで来ていた。
剣道は仕事を終えてからだから電車だったかな?
真冬の稽古の帰りに凍った道で転倒したこともあった。
そうか、独立してから車で来るようになったんだなあ。

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初心者も入れて総勢14名。少しづつだが長正館も成長しつつある。
来年の3月の小学校中学校の公式戦には何とか出場だけでも成しとげたいと思っている。

22日は昇級審査。3級が1名、4級が2名受ける予定。
3級受審者は木刀による剣道基本法があるので稽古の前後に特訓し、
4級受審者は切返しと面、小手面の打ち込みの特訓。
来年1月の2級受審者には少し厳しく互角稽古をさせてみた。

F六段が肉離れで稽古が出来ないので初心者指導に専念してもらった。
かろうじて打ち込みらしき動きが出来るようになってきた。
ここまでくれば防具着用の目安もついてきたと言える。

稽古は11月とは思えないぐらい暑くてバテた。

久々に、長正館の建物があった時代の子供が青年になって訪ねてきた。
兄弟で兄は防具を持ってきた。弟は稽古着も防具も持っていないと言う。
盛況だった昔の長正館の子供が大きくなって来てくれるのは嬉しいものだ。


(準備運動と素振り)


(基本稽古)


(初心者指導)


(後半は自由稽古)


(終礼)

昔は誰がいたっけ?
そう思って、長正館の建物が閉館になる前の名札の写真を探し出す。


(全体)


(左半分)


(右半分)

剣道を辞めてしまった者もいるし他の団体に移った者もいる。
3年間はあっという間だったが、ずいぶん昔の事だったような気もする。
稽古場所が変わっても人が入れ替わりつつも稽古を続けていきたいものだ。
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お母んと「ほうじ茶」

2020年11月18日 | つれづれ
お母んのお母ん、つまり祖母ちゃんの里は奈良の三笠山を越えた田原というところで
そこは奈良ではお茶の産地で有名で、遠い親戚からお母んは毎年新茶を買っていた。

この田原の茶は、そのまま飲むより、ほうじ茶にしたほうがおいしいとかで、
学校から帰ると、茶を炒る薄い煙とニオイが台所中に立ち込めていたのを懐かしく思い出す。

そういや、お母んは「ほうじ茶」が好きやった。

稽古帰りに自動販売機でジュースを買うことが多いが、
その日は自動販売機では珍しい「ほうじ茶」を見つけて思わず買ってしまった。



2015年10月に、お母んは腰の病気で、生駒の白庭病院に入院していた。
毎日のように、仕事帰りに病院に寄って、お母んと話すのが楽しみだった。
ほとんどが昔話で、幼稚園時代や小学校時代の話、同級生などの話題で話は尽きなかった。

「誠、悪いけど、新聞と、ほうじ茶買うてきて」とよく頼まれた。



お母んに頼まれたらもう嬉しくて嬉しくて、病院の傍のコンビニまで飛ぶように走っていった。
棒きれを放り投げられた子犬のように、お母んに何か用事を頼まれるのが嬉しかったのだ。

まだその頃のお母んは元気で、行けば笑顔だったし、
「仕事忙しいか?」「元気にしてるんか?」など聞いてくれた。

入院が長引くと、よく喋るお母んが、だんだんと話さなくなって、
「新聞買うてきたろか?」と言っても「いらん」と言うし、大好きなほうじ茶も前ほど頼まなくなってきた。
お母んの笑顔が少なくなってきたのが何より悲しかった。


(2015年10月)


(2015年12月)

長期の病院生活は、元気な者でも鬱になる。
退院したらお母んは元に戻れるんや!そう信じて希望を持ってた。
あんなに元気やったお母んやもん、大丈夫や、心配ない!

その後、腰が安定して退院は出来た。
でもすっかり鬱状態になってしまったお母ん。
そんなお母んに戸惑いつつ、どう接して良いのかわからなかった。

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5年前の、いろんな事を、ほうじ茶を買った瞬間に思い出した。
ほうじ茶を飲むことも出来ずに、しばらく自動販売機の前で泣いていた。

お母んに会いたいなあ。
またあの笑顔を見たいなあ。

こんどの墓参りには、ほうじ茶持っていくからな、お母ん。
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なんば養正会(2020年11月16日)

2020年11月17日 | 剣道・剣術


充分間に合うと思ったが阪神高速が工事のため肝心要の環状線が通行止め。
大阪城近くの森ノ宮出口で出ようと思ったが出口が渋滞していたので先へ。。

想定していた場所に出口は無く、結局、九条で下りて難波まで戻った。
道がわからず途中で遠回り。到着して着替えたら基本稽古は終わりかけ。
19時45分からの自由稽古から約30分の稽古となった。



8人と稽古。指導的な稽古が多かった。

それにしてもまったく掛かって来ない者はどうなんだろう?
確かに自分自身を振りかえってみても合わない先生とは稽古は避けたものだ。
しかし、たま~に稽古をお願いし、それなりに何かしら得ることもあった。
まったく稽古をお願いしなかった・・・ということはまず無かった。
(嫌われたのか、並んでいたら「あっちへ行け」と言われたことはある)

何回も五段受審に落ちている者など「懸かってくればアドバイス出来るのに・・・」と思う。
こちらは、五段六段審査で、それぞれ30回以上は落ち続けた経験がある。
五段は無我夢中で合格したが、六段は「間違った剣道を正したら」すぐ合格出来た。
ながいなが~い間、トンでも無い間違いをしていた・・というわけだ。
間違った稽古をいくら続けても合格しないということは身に染みてわかっているつもりだ。

審査では相手を選べない。

どのようなタイプと立合いをしても、しっかり対処出来なければならない。
「今回は相手が悪かった」が(大げさだが)永遠に続く場合もあるのだ。
苦手なタイプを減らすことも審査では重要な要素だと思うのだ。


(稽古終了・太田師範は右端で画面から切れてしまった)

20年ほど前は師範として古谷範士八段がおられ、常駐七段が数名、六段も数名で、
「五段ばかりがやたら多いよなあ・・・」という記憶がある。

最近になって七段合格者が2名出たし、六段以上の常駐高段者も増えている。
場所も大阪の中心地、難波(なんば)駅近くで勤め人には嬉しい稽古場所である。
出稽古も可能だし、置き場所が空いていれば防具や竹刀も置ける。
もっともっと盛況になって欲しいものだ。

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大阪、難波の大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)。
なんば養正会。大人の稽古は19時~20時15分(夜間の場合)まで。
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なんば養正会のホームページ。(管理人は私です)
http://doujyou.net/youseikai/
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日本剣道形の下段についての私的考察

2020年11月16日 | 剣道・剣術
永年、剣道をやっていて「下段の構え」に疑問を持っていた。
中段(正眼)、左右の上段、脇構え、八相のいずれも、相手に備える構えであることは間違いが無い。
しかし、剣道形の下段は、そこから打ち込むのも守るのも「やりづらいなあ」と思っていた。

「下段は守りの構え」と聞いたこともあったが「んなアホな」とも思っていた。

最近、一刀流の構えのマニュアルを長正館の館員用のために作ったが、
ついでに日本剣道形の下段も撮影して、一刀流の構えの差を見比べて考察することにした。



日本剣道形の下段で、一足一刀の間で相対してみる。(写真は合成)
上の写真の「下段で剣先を触れ合う間」は剣先を上げて中段になると一足一刀の間になる。

ここが日本剣道形で唯一違和感のあるところ。



剣先の先を延長すると、相手の足元に剣先を向けている。
命のやり取りをしている状況で、この構えは非常に危ない。
上から簡単に押さえられ、一刀流大太刀の「巻霞」のように身動き出来なくなってしまう。


(昭和40年発行 笹森順造著「一刀流極意」153頁より)

これはどこかの時点で、下段の構えの解釈に大きな勘違いがあったのでは無いだろうか?

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次に一刀流の下段の構えを紹介する。
一刀流の下段は「切先を剣先よりやや下げる」と教えられる。
これは一足一刀の間で相対した時に、相手の下丹田に切先を向けるとされる。

 ※ただし、下丹田は臍下一寸という説と臍下三寸という説がある。



一刀流の下段で、一足一刀の間で相対してみる。(写真は合成)



剣先は相手の下丹田を向いている。
(下丹田を臍下一寸とするならば剣先はもう少し高く地面に平行に近くなる)

この構えは、剣道においてもよく使われる。
打込もうと前に出ようとした時に、この高さで構えられると、安易に出れなくなる。

打つ前の攻めで「相手の拳を狙え」というのも似ているのかも知れない。
つまり、この一刀流の下段は、攻防一致の構えなのである。

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全日本剣道連盟発行の「日本剣道形解説書」には、
大日本帝国剣道形 増補加註 大正元年十月制定 大正六年九月加註 昭和八年五月加註増補 として、
3頁に「右自然体トナルヲ度トシテ立上リ剣尖ヲ下ケ」の註として、

 (註) 此際剣尖ハ自然ニ相手ノ左膝頭ヨリ一二寸下(下段ノ程度)左斜ニ下ゲ刃ハ稍々左斜下方ニ向ク

とある。後にも先にも下段の構えに関する記述はここのみである。
そして、この記述は、大正六年九月加註には無い。昭和八年五月に書き加えられたのだ。



全日本剣道連盟が公開している、中山博道-高野佐三郎の剣道形は、昭和15年に撮影されたものだが、
両者の三本目の下段の構えを見ると、中山博道は若干低いが、高野佐三郎は明らかに一刀流の下段である。

この両者の構えが正しいとなると、昭和八年五月加註増補 の記述が間違っていることとなる。

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ここからは私見なのだが、

一足一刀の間での「剣先の向きを下丹田に付ける」を正しいとするならば、
「此際剣尖ハ自然ニ相手ノ左膝頭ヨリ一二寸下(下段ノ程度)」の、
(下段ノ程度)が間違っているような気がしてならない。

構えを解いた高さの構えは、攻めるにも不向きだし守るにも不向きである。
剣道で大切な、懸待一致の精神とは相容れないと思うのだがどうだろうか。

 ※実は、構えを解く場合の剣先の高さも、先の、中山博道-高野佐三郎の剣道形、
  そして斉村五郎-持田誠二の剣道形も、一刀流の下段の高さである。(中山博道はもっと高いが・・・)



一刀流の下段の構えのまま、立会の間合(およそ9歩)で相対してみる。(写真は合成)



先ほどの、一刀流の下段の構えで相対し、その剣先を相手に延長させてみる。
すると、剣先の向きは、相手の左膝頭より1~2寸ほど下を向くのである。
まさしく、昭和八年五月加註増補の「左膝頭ヨリ一二寸下(下段ノ程度)」と合致してしまうのである。

どこかで勘違いがあったのでは無いだろうか?
勘違いで、(下段ノ程度)を書き加えてしまったのでは無いだろうか?
もしくは、構えを解く高さが、当時はずっと高かったのでは無いだろうか?
それか、立合いの間と、構えを解く間合い(お互いの切先が重なる間合い)を混同したのかも知れない。

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【2020年11月17日追記】

国際武道大学教授 大矢稔氏の論文をネットで見つけた。
これは日本剣道形が生まれた経緯を詳細に分析している論文である。

「日本剣道形の由来と解釈: 大日本帝国剣道形の草案・原案・成文の比較対照」35-52頁
https://www.jstage.jst.go.jp/article/budo1968/35/1/35_35/_pdf

論文の49頁には「相下段の構えの刀尖の着け処は(中略)剣先を膝下一寸乃至二寸の処につけるのは定論である」と書いてある。
大正元年(1912年)10月16日の剣道形調査委員会の内容だ。



つまり、9歩の間合いで下段に構えた時、剣先は相手の膝下1~2寸下を向いているのが正解というわけだ。
やはり、どこかの時点で勘違いがあって、間違えた解釈のまま定着してしまったのだろう。

【2020年11月18日追記】

さらに別の資料があった。
大正4年3月10日発行の、高野佐三郎著「剣道」の54頁と55頁の間にある第六図である。



説明は53頁。「剣尖を敵の膝下約二寸の部分に着けて構ふ」とある。
ここでの「構ふ」は、9歩の間合いにおいての「構ふ」では無いだろうか?
この図では剣先の向きが中途半端であり、どちらともつかない曖昧な構えに思える。


(大正4年3月10日発行、高野佐三郎著「剣道」の52頁と53頁の間にある第五図)

52頁の説明には「剣尖を敵の両眼の中間に着け」とある。
ところがこの第五図は、剣先が相手の頭上を向いている。

この説明はどの間合いを説明しているものだろうか?
一足一刀の間であるならば、下段の時の説明もそうなのだろうか?

この第五図も第六図も説明文とは違っていて違和感がある。
文献から真実を考察するのは無理があるのかも知れない。

ただし、はっきりしているのは「膝下2寸は高さでは無く剣先の向き」であるということだ。
あとは「どの間合いにおいての剣先の向きなのか?」ということだけである。
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