稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

居合道昇段で金銭授受(2018年8月17日)

2018年08月17日 | 剣道・剣術
最近、こんなに驚き憤りを感じたことは無い。
居合道の昇段審査で収賄沙汰があったと言うのだ。

居合は対人的な武道では無く一人で行う武道である。
私も居合はやるが段位は持っていない。居合に段は不要と思うからだ。
一人で行うものを審査するという形は、お花やお茶の世界である。
武道というからには第二者(相手)が絶対に必要と思う。

第一者(自分)がいて第二者(相手)がいるから武道では無いのか。

居合が武道というなら、審査には組太刀(剣道で言う剣道形)を加えれば良いと思う。
相手の居ない武道など、踊りと何が違うのか。
(踊りは芸術として立派であるが武道では無いと言いたいのだ)

居合は自分の内面と向き合うという意味なら武道としての存在意義もあるが、
あくまでそれは、対人的な武道を補完する修行方法の一つでしかないと思う。

第二者(相手)も無しに一人で演武して、それを第三者が評価して、
武道の高段者だとするのはどうも納得がいかない。
相手がいれば実力の差は歴然とする。
相手がいれば不正も起きないのでは無いのか?

同じ剣道連盟に属しているので、剣道まで同じように思われてもたまらない。
この際、居合部門など解体してしまえ、とも思う腹立たしい記事であった。

私はこの先、全剣連の居合の高段者を、
その段位や称号だけで評価することは無いだろう。

------------------------------------------------------------

居合道昇段で金銭授受 八段審査で数百万円、接待も 内閣府が調査
(産経新聞 8/17(金) 7:55配信)

https://www.sankei.com/affairs/news/180817/afr1808170006-n1.html


(全日本剣道連盟の事務所が入るビル=東京都千代田区九段南)

 全日本剣道連盟(張富士夫会長、全剣連)の「居合道(いあいどう)」部門で、最上位の八段への昇段審査などの際、審査員に現金を渡して合格させてもらう不正が横行していたことが16日、関係者への取材で分かった。受審者が払う現金は合計で数百万円に上ったケースもあるとみられる。現金を要求された男性が告発状を内閣府公益認定等委員会に提出、同委員会も事実関係の調査に乗り出した。スポーツ界で不祥事が相次ぐ中、伝統の武道でも不公正な慣行がまかり通っていた実態が明らかになった。


(記事内の図)(左端は杖道か銃剣術のようにも見える)(剣道の竹刀を持つ手が逆である)


 居合道部門では、初段~八段の段位審査のほか、高段者が主に得ることができる「錬士(れんし)」「教士(きょうし)」「範士(はんし)」の3つの「称号」の審査がある。最高位は八段範士。関係者によると、主に八段や範士への審査時に不正な金銭授受があった。

 八段は1~2次の実技科目で審査され、審査員は1次が6人、2次が9人。範士は実績や人格面を考慮した書面によって10人の審査員が合否を判断する。審査員はいずれも主に八段範士が務めている。

 関係者によると、受審者は、審査員も兼ねる居合道委員会の委員ら仲介者を通して大半の審査員に現金を渡し、八段や範士を不正に得ていた。審査直前では遅いとされ、数年がかりで審査員を接待したり、手土産を渡したりもしていた。

 こうした現金や物品の授受は長年、常態化していたとみられ、産経新聞の取材に複数の関係者が関与を認めた。かつて仲介役として受審者から現金を預かり八段に合格させようとした九州地方の男性は「事実上、金で段位や称号を買うシステムだった。実力だけで合格した人はほとんどいないのではないか」と証言した。

 全剣連側も半ば黙認していたとみられるが、約2年前に金銭授受をめぐるトラブルがあり、実態を調査。関係者への聞き取りを進めた結果、「審査に近接した時期に金銭を授受する不適切な慣行が古くから存在した」と認定した。

 その後、昨年11月になって、関与者へ段位・称号の自主返納や口頭注意の処分をしたが、このうち元審査員ら大半は「金銭授受を素直に認め、深く反省している」として処分の執行を猶予している。

 不正合格をめぐっては、連盟会員の男性が今年6月、内閣府公益認定等委員会に告発状を提出。同委員会は、全剣連が加盟し、連盟の監督権限がある日本オリンピック委員会(JOC)などから事業報告書の提出を受け、精査している。

 全剣連は「慣習は事実だが、審査員の氏名が事前に漏れないよう情報管理を徹底するなど、各種対策はすでに実施している」としている。

                  ◇


 ■剣道連盟、常態化認める

 全日本剣道連盟は「居合道」部門で金銭授受の不正が常態化していたことについて、事実関係を認めている。

 全剣連によると、審査員などとパイプがある仲介役に受審予定者が金銭を預け、仲介役が審査員らに実際に配る手法が続いていた。全剣連は内部調査で30人ほどの審査員経験者らに聞き取りを実施し、昨年11月に一定の処分を下したとしている。また、大半の関係者が「反省している」などとして処分が猶予されている実情については、「懲罰ではなく今後に向けた再発防止が大事だ」とし、「正当化するつもりはないが、茶道や華道など芸事の世界ではこうした行いはよくある」と主張する。

 一方、連盟の加盟者が内閣府に提出した告発状の内容については、「事実関係が確認できない」と説明。告発状では、審査時に連盟幹部らが計650万円を要求したなどとしているが、連盟幹部が聞き取りに対して関与を否定したうえ、会話の録音データといった客観的な証拠がないことなどを挙げ、「提出者の一方的な言い分で、裏付けができない。これ以上の追及は難しい」としている。


【用語解説】段位と称号

 段位は初段から八段、称号は「錬士(れんし)」「教士(きょうし)」「範士(はんし)」がある。全日本剣道連盟は段位について「精神的要素を含む技術的力量」、称号は「指導力や識見などを備えた人としての完成度」を示すものと、それぞれ規定。基本的に称号審査は六段以上にならないと受審資格がない。段位、称号を通じ、最高位は範士と定めている。

                   ◇

【用語解説】全日本剣道連盟

 一般財団法人で、東京都千代田区に拠点を置く。「剣道」「居合道」、杖(つえ)を用いる「杖(じょう)道」の3部門があり、会員はそれぞれ約185万人、約9万人、約2万人(いずれも延べ数)。各都道府県連盟を収め、国内競技人口(約200万人、約10万人、約3万人)の大多数が所属している。「全日本実業団剣道連盟」「全日本学生剣道連盟」など各組織にも影響力を持つ。スポーツ庁は平成30年度、「武道等指導充実・資質向上支援事業費」として全剣連に約1000万円を支出している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする