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今日のうた

思いつくままに書いています

地の群れ、IT/イット THE END、夏物語、バイス、記者たち ①

2020-01-08 10:57:27 | ③好きな歌と句と詩とことばと
昨年はお読みくださり、ありがとうございました。
今年はこれ以上戦争を起こさない年に、そして一日も早い退陣を願っています。

年末年始のニュース番組は(極端に削られ腹立たしい限りですが)、どの局も
駅で孫を出迎え、見送るおじいさん・おばあさんの姿を映し出していた。
何でこうも毎年、毎年、紋切り型なのだろう。
おまけにコメントは、「今年はオリンピック・イヤーなので明るい年にしたいです」

素直で善良な、前向きで疑うことを知らない人々。
難しいことや、ややっこしいこと、今のところ自分に直接関係のないことには
目を背け、新しいものや楽しいものを追い求める。
その方が楽だ。皆が一つになって応援し楽しむ。
オリンピックが近づくにつれ、ますますこの傾向が強まっていくのだろう。

確かにオリンピックは、世の中にはびこる【臭いもの】に蓋をするには
もってこいのイベントだ。
この白々しさに、あと何ヶ月耐えなければならないのだろう。

年末年始に読んだ、あるいは観た次の作品は、そこにあるものから逃げず、
目を背けず、ごまかさず、真摯に作り上げたものだ。
観るのも読むのも辛くなることがあったが、心をえぐられた作品だ。

(1)井上光晴著『地の群れ』と、熊井啓監督の同名作品を観る。

井上光晴のことは、映画「全身小説家」でしか知らなかった。
この小説は佐世保を舞台に、長崎原爆被害者、被差別民、炭鉱で働く
在日朝鮮人、バタ屋の住民など、差別された人々を描く。
そして差別された者同士が殺しあう。

映画では何十匹ものドブネズミの群れが象徴的に何度も描かれる。
地を覆うドブネズミの群れが、1羽の鶏を奪い合い喰いちぎる。
その上を米軍の戦闘機が悠々と飛び、海には原子力空母エンタープライズが
堂々たる雄姿を見せている。
1970年の映画だが、この関係性は今も何ら変わってはいない。
今年は鼠年だが、私は何度もこのドブネズミの群れの映像を
思い出すことになるだろう。             つづく
(『地の群れ』は、ほるぷ出版『日本原爆文学5』に入っています)













(画像はお借りしました)
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