今日のうた

思いつくままに書いています

ホテルビーナス

2021-01-02 17:24:19 | ④映画、テレビ、ラジオ、動画
昨年はお読みくださりありがとうございます。
今年がどんな年になるのか皆目わかりませんが、
体にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。


草彅剛主演の映画「ミッドナイトスワン」が観たくてたまらない。
だが映画館には行けそうにないので、代わりに「ホテルビーナス」を借りた。
セリフは全部韓国語。草彅も韓国名で出演している。
これが成功している。
無国籍な場所、そしていわくありげな人たちの世界に
どっぷり浸かることが出来た。

草彅はもとより芸達者が揃っている。中谷美紀、チョ・ウンジ、
パク・ジョンウ、そして無口な香川照之。
最後まで気づかなかった老婦人役の市村正親が、
抑えた演技でいい味を出している。
こんな芸達者な中で仕事ができて、草彅は日本だけでなく、
世界に通用する役者に育っていくのだろうと思った。

老婦人が経営するビーナスカフェの奥にある「ホテルビーナス」には、
合言葉を知らないと入れない。
「ビーナスの背中を見せてくれ」
それは名も無い連中が
無い名前まで隠しながら
   暮らすとき
この古ぼけたカフェのその奥に
潜むための言葉

そして今日もいわくありげな親子がやってくる。

市村と草彅が交わすセリフがすばらしいので、引用させて頂きます。
草彅はK、市村はIと表示します。

K:星が減った 
 別に星の数は変わってないのに

I:遠く見てるつもりでもね 
 みんな不安だからさ
 すぐ自分の近くを照らしたがる
   でも
 自分の近くを明るくしてくと
   遠くの星が
 どんどん見えなくなって
 あるのに見えなくなっちまう
 そのうち目印にしてた星も
   見失っちまう
   堂々巡りだ
   誰の人生だって
 どんなささやかな人生だって
 よそ様には見せたくない背中がある

 挫折とか後悔とか
 言い様はそれぞれだけど
 それでもみんな
 気張って生きてる
 気張って世間に胸を張るんだ
 けどそうやって胸を張れば
 そいつの背中はまた 悲鳴を上げる
 もがけばもがくほど
   そんな背中が
 ますます重くなって
   諦めて
 地面に突っ伏したくなる

 重い背中をしょって
   生きるのは辛い
 ただ不思議なもんさ
 そんな背中に限って
 必ず翼が生えてくる
 背中が重たい奴ほど
 きっといつかは高く飛べるんだ
   ここにいるのは
   そんな連中だ

 生きてても死んでてもいいって?
 死んじまえ チョナン
   迷ったね
 迷うってのはね
 生きたいって事さ
 ホントに死にたきゃ
 迷う前に死んでる
   だとしたら
 生きるって
 決めちまった方が楽だ
 自分は
 生きるんだって

K:みんなひとりぼっちだ
   それでいい
 だからこそ 誰かといられる事を
 嬉しく思えるから
   相手がいるから
   意地も張れる           (引用ここまで)

追記1
第44回日本アカデミー賞の最優秀作品賞に「ミッドナイトスワン」が、
最優秀主演男優賞に草彅剛が選ばれていた。
おめでとうございます。早くDVDで観たいです。
(2021年3月20日 記)

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